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黒い蓮の花。6

黒葉の連絡や所在が掴めなくなって早幾日、ここの機嫌は絶不調だった。
応接間で皆とゆっくりしていても口数が少なく、ピリピリとした雰囲気を崩さない。
それは宗近も一緒だった。
こちらはどちらかというと落ち込み、悩み事の方が多いのかも知れないが、普段大らかな眉は常に潜められている。

「宗近兄さん、ここ兄さん、苺の香りのする紅茶は如何ですか?」
「……ええ、そうですね。頂きましょう」
「…………」

にっこりと微笑みを浮かべるここだが、その瞳は剣呑にギラついていて見る者を萎縮させた。
そんな二人の兄を心配し、ここまで思い詰めるとはと一期は苦笑して見守る。
宗近の隣では鶴丸がおやつを口に運んだり紅茶を傾けたりと甲斐甲斐しく世話をしていた。

「鶴丸、そこまで行くと介護の様だぞ。あまり気にせず自分の事に集中しろ」
「鶯……ちか兄はそんなに年寄りじゃ無いだろ。それに……今はちか兄の世話をしてる方が良いんだ」

言外に心配でおかしくなりそうだ、と言われてしまえば鶯は黙るほか無い。
心配なのは鶯も同じで、それを言うならこの場の皆がそうなのだ。
と、不意に来客を告げる音が鳴るのと、ここの携帯に着信音が鳴るのは同時。
一期は来客への対応に向かい、ここは届いたメールを見て固まった。
不自然に固まったここに声を掛けようとした瞬間、

「なんだなんだ? しけた面して、相談なら姉さんがいつでも聞いてやるぜ?」

不敵な態度でニヒルに笑い、洋画などで使われる革鞄を持ったヒスイが現れた。



はぁはぁと荒い息を吐き、大量の汗をかきながら国永は胸を押さえて苦しんでいた。
快楽に濁った紅い瞳は焦点を合わせず、今は男達にされるがままに色々な服装で犯されている。
今の服装はヒラヒラとした布地が多く使われた漢服という奴で、手には手錠がされていた。

「国永? なんだ、クスリが切れたのかぁ? ほら、あーん」
「……にゃ、あー」

紅潮した顔で幼い挙動で口を開いて舌を出し、クスリを受け入れる。
その後に口移しで何度か水を飲まされ、大人しくちゅうちゅうと吸い付いた。
途中でぶるりと身を震わせ、更に表情が蕩けていくのと同時に政宗が用意した香とは違う甘い香りが漂い出す。
ちゅうちゅうといつまでも唇を吸って離さない国永を、身体を押して離れさせた。
快楽で蕩けた紅い瞳は甘さを含んでおり、離された唇が寂しいと赤い舌をぺろりと見せる。
くたりと寄れた身体からは花のような甘い香りが漂い、政宗は喉を鳴らした。

「もしかして、発情期か?」
「にゃあ、あぁん、なあ、なぁお、ふにゅ、なぁん、なぁあん」

言語を忘れて猫の様に鳴き、政宗の身体に頭を擦りつけて、腰を高く上げてふりふりと主張する。
国永の突然の色気に驚愕して固まっていた政宗は、これが発情期……Ωのヒート期なのだと実感した。
同時に、犯し尽くして自分のモノにしたいという欲が溢れる。
身体を布団に伏せながら腰を高く上げてこちらを誘う国永の服を無遠慮にまくり上げ、剛直した己のモノを一気に捻り込んだ。

「みぃああああ"あ"あ"ッ!? は、あ、は、きゅ、う、んッ! にゃ、にゃ、にゃ、あ、あッ!」
「くそッ、甘えた声出しやがってッ! そんなに良いのか、おらおらぁッ!!」
「きゅうッ! は、は、あ、あ、あ、にゃ、なぁ、なぁ、ん、ひにゃッ! あ、ふぅ、ひぃんッ!?」

貫く度、良いところを擦る度にビクビクと尻を震わせて後孔を締め付ける。
甘えた声と溺れた顔でぐたりとベッドに上半身を投げ出して、唾液を垂らしながら紅い瞳は言うのだ。
もっと酷く突いて欲しい、子種が欲しいと。
どれだけ突いて精を注いだとしても変わらない国永の欲に、上手く調和しているのだと政宗は笑った。
他の男達が幽鬼の様に国永に釣られ、口にモノを含まされ、両手で扱かれ、背面座位で突かれて嬉しそうに幸せそうに甘えていく。

「ん、ぶ、む、ちゅ、ぢゅるる、ぢゅううう、ぷあ、はむ、ん、ぐむッ、じゅううッ」
「は、国永ちゃんの口まんこマジ最高!」
「手まんこも上手いし、エロいよなぁ、さいっこうだぜ」

口のモノを舌を絡めて喉奥に咥え込み、じゅるじゅると吸い付き離そうとしない。
手は両手とも違う動きで先端を弄ったり、玉を揉んだりと確実に攻めていく。
後孔に入ったモノは締め付けたり緩めたりと加減を変えて楽しんでいった。
腰下に宿らせた徴は順調に育ち、そろそろ腹へとその角を到達させるだろう。
それが絡みきった時が苗床の完成を示し、国永を花嫁に、黒葉を供物にする頃だ。
黒葉の方はどうかと様子を見に行けば、口移しでクスリを飲まされている所だったのか蕩けた顔でキスをしている。
ほぼ抜かずの精は腹を膨れさせ、後孔は確実に阿倍のモノを覚えているようだ。

「ん、んぁ、はぁ……あッ!ひッ、いいッ、あッ、あッ!!」

背中をしならせてビクビクと震えながら、阿倍のモノに擦られて気持ち良さそうに顔を蕩けさせる。
元々体力が少ないらしい黒葉は、早々に嬌声以外の言葉を話さなくなった。
だがその分、凍った表情を和らげ甘く蕩けさせるのが面白い。
今も蕩けながら男の頭に縋り付くように撫で、涙を流して多幸の笑みを浮かべていた。
確実に堕ちてきている様子に、政宗は黒葉の顎を掴んで唇を重ねる。
にゅるり、と忍び込んでくる小さい舌に、愛らしく感じながら吸い取るように絡め、噛み、上顎を舐め取った。
口を離した頃には肩で息をする程蕩けきり、口の端から飲めなかった唾液を垂らして微笑む。
随分と愛らしくなった姫の姿に満足をし、再び国永の方へ向かおうとした瞬間、

「すまないが、俺の知り合いが来てないか?」
「政宗、あんた……」

見知った姿を見つけて政宗は驚愕した。

黒い蓮の花。5

国永に変な紋様を付けた政宗は、次に黒葉の元へと向かっていた。
こちらは大事な大事な生け贄として、慎重に扱わなければならない。
阿部が黒葉の胸に吸い付きながら、もう片方の手で乳首をこねくり回している所に出くわした。
視線でどいた方が良いのかと問うてくる阿部に、そのままで良いと笑みを浮かべる。

「ん、あ、はぁ……あつ、い……はやく、イかせてくれ……」
「はっはぁ、お雛様ってば随分大人しく盛るんだなぁ?」
「あ、は……だ、れ?」

黒曜の瞳を潤ませ、目元を赤らめて見上げてくる姿にゴクリと喉が鳴った。
国永が動の色気ならば、こちらは静の色気。
大人しく快感に下る姿も良いが、政宗はむしろ快楽によがって踊る姿こそを見たくなった。
先ほどと同じように黒葉の耳を両手で塞ぎ、小さく情神を称える言葉を呟く。

「いあいあ いごーろなく」

その瞬間、黒葉が目を見開いて暴れ始めた。
耳から手を離そうと必死になる様が次第に快楽に歪んで蕩けていく。
人の弱点でもある耳は防ぎようが無く、まして手の平から極細の触手が次々と入り込んで犯しているとは思わないだろう。
更には脳に近い位置に張り付き、微弱な電流を流して脳波が感じる快楽のハメを外してやるのだ。
常人には堪え難く、現に黒葉も表情を蕩けさせて焦点の合わない黒曜の瞳を宙に投げ出している。
閉じきれなかった口の端からは快楽の分だけ唾液を溢れさせ、失禁していた。
体を投げだしながらヒクヒクと快楽の余韻を全身で感じ、股間に張り付く阿部にすら気付いていないよう。

「ヒヒヒッ、お雛様もこれで終わりだな。あんたなら良い情人になりそうだ」

首の後ろ、うなじに国永と同じ鹿のような紋様が浮かんだのを確認した政宗は黒葉の背後に回って抱き起こした。
そうして後孔を申し訳程度に解すと己のモノを一息で突き込み。

「かッ、はぁッ!?」
「どうだい、気持ち良いだろう? なあ、良いって言えよオナホがぁ!!」

黒葉が苦しがるのも気にする事無く後孔をオナホのように突き動かして犯した。
良いところに刷れる度に細い足を跳ねさせ、股間に張り付く阿部の頭を撫でてよがり、政宗の自分本位の動きにも快感を拾っていく。
黒葉の様子に気付いた男達がこちらにも流れ、モノで乳首を扱き、手で扱かせてと白濁まみれにしていった。

「いあ、はう、あ、んんッ、あっは、はぁ、ひぃあああ、きもひ、いい、しょこ、そう、もっと!」
「黒葉さん、黒葉さん可愛いですよ黒葉さんッ!」
「ん、ひぃいい、あ、らめ、らめら、しょれはぁ……、しょれ、しゅごい、しゅきらぁ!」

頭を振って快楽を逃がそうとしながら、それでも与えられる快楽を素直に受け止めていく。
皆が口を塞がないのは喘ぎ声が聞きたいから、もっともっとと啼かせるように快楽を与えていった。
中に政宗が出す頃には既に二回は逝ったらしく、生理的な涙を流しながらアヘ顔で飛んでいる。
その中の内、言い出したのは一体誰だったのか。
黒葉の恋人にアヘ顔ピースを送ってやろうと盛り上がり、国永でないのならばと政宗も了承をした。
仮に奪還されても常人には戻れまい。
もはや香や錠剤でクスリ漬けにし、神の情人として快楽に溺れる徴を付けてあった。

「ヒヒヒッ、美人に撮ってやれよぉ? もっと精液掛けてやれぇ! その方がお雛様だって喜ぶだろ!」

顔中に飛んでくる白濁を、口を開いて浴びながら飲み干し、男達のされるままにポーズを撮らされる。
美味しい美味しいと脳が変換して、蕩ける幸福な笑みを浮かばせた。
快楽に完全に堕ちながら、黒葉は与えられる快感に酔いしれて総てに身を任せた。
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