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幽霊塔の吸血鬼 1



暗い森の奥深く、寂れた塔がぽつんと見えるのが判るかい?
地元じゃ幽霊塔なんて怖れられてるあの塔さ。
なに、幽霊なんて居やしないさ。
あの塔の敷地内には屋敷があって、ちゃぁんと住んでいるさ。
何がって…?



そりゃ、絶世の美貌を持つ吸血鬼だよ。




「真っ暗で怖いな…」
暗闇の森の奥深く、闇に紛れるには鮮やかな金髪が揺れる。
ふと、少年―レイリ・クラインは果てしなく続く暗闇の世界を眺めていた。
彼は王都の教会から派遣された神父見習いで、森の奥に住む吸血鬼の退治を依頼されここまで来た。
幽霊塔と呼ばれる暗闇の森に建つ塔のある周囲は外壁で囲まれ、中の様子をうかがうことはできない。
ただ、大きな古城があるのは確認できた。
恐らく地元の街の人が言っていた吸血鬼が住んでいるのだろう。
レイリはぎゅっと十字架を握り締めて、そっと、門の扉に手をかけた。
バチッと電流が走ったように、痛みを感じて手を引っ込めた。
どうやら結界を張っているらしく、レイリの手は血だらけになってしまった。
その瞬間に脳裏でよぎるビジョン。

飛び散る鮮血、悲鳴…
燃える家、黒焦げの死体。

「ぅ…あ…」

過去のトラウマから、レイリの身体が震える。
くらくらと目の前が歪んでいく感覚に、耳鳴りを覚えた時だった。
「そこで、何してる。」
不意に、背後で聞こえた声に振り返ると、そこには今まで見たこともないような美しい男が気だるそうにこちらを見ていた。
紫銀の髪に菫色の瞳、見慣れない服装のその男の特徴をレイリは知っていた。
この街の住人から聞いた吸血鬼の特徴と一致していたからだ。
「あ…なたが、吸血鬼?」
吸血鬼らしき男は首をかしげる。
「お前が街の連中が言ってたノコノコやって来た生け贄か。」
「生け贄?」
「吸血鬼退治、頼まれたんだろ?」
そういって男は音もなくレイリに近付くと、血だらけの手を取りその血を舐めとった。
「ひっ…」
ぴちゃぴちゃと、舌で血を舐めとられ、身体が震える。
「や…ぁ…離して!!」
「お前、すげぇ美味そうな匂いがする。」
ぎゅっと体を抱き締められて首筋をペロッと舐められ、レイリはそのまま意識を失った。


「ん…」
「起きたか。」
ゆっくり目を開けてぼんやりともやのかかった歪んだ意識を覚醒させる。
目の前には、自分を覗き込む紫銀色。
表情の読み取れないその綺麗な紫銀色は、そっとレイリの頬に手を触れた。
「大丈夫か?」
「あ…僕は…」
じんじんと熱を孕むてのひらが熱くて、思考が麻痺する。
「お前、名前は?」
菫色の瞳が柔らかくレイリを捕らえた。
その甘い声に、思わず答えそうになってレイリははたと我に返る。
悪魔に名前を教えることは危険な行為だ。
名前とは己を支配するもの、安易に名乗ってはいけないと師にきつく教えられた。
「……シュノだ。」
目の前の悪魔はそう名乗った。
「俺の名前、シュノ・ヴィラス。
お前の名前は?」
「………」
尚も沈黙を貫くレイリに、シュノはあきれてため息をついた。
「名無しじゃ呼びにくいだろ。
ここには俺とお前だけじゃないんだぞ。」
今度はレイリが首をかしげる番だった。
「他にも、吸血鬼が?」
「だけじゃないけどな。」
そういって、シュノはレイリを抱き寄せた。
「吸血鬼には花嫁と言う契約を結んだパートナーが必ず一人いる。
吸血鬼は花嫁に血や精力をもらい、花嫁はほぼ不老不死になれる。」
「ほぼ…?」
「契約である以上吸血鬼が死ねば花嫁も死ぬ。一蓮托生ってことだな。
ここにはあと2組の吸血鬼と花嫁がいる。」
そう言って、シュノはレイリを押し倒して耳許でささやく。
「おまえを俺の花嫁にしたい。」
「い、やだ…誰が悪魔なんかと…」
わずかばかりの抵抗をするレイリに、シュノが手を焼いていると、こんこんと控えめのノックが聞こえた。
「シュノさん、花嫁さんは目を覚ましました?」
入ってきたのは金髪の少女。
お盆には食事らしきものと、薬が乗っていた。
「レシュオムは気が早い。まだ花嫁じゃないから。」
「女性を口説くなら、強引に迫ってはダメですよ?」
「ちょ、ちょっと待って!!僕はそもそも女じゃない。」
慌てて否定するレイリに、レシュオムはニコッと笑った。
「性別は関係無いんですよ、要は気持ちです。」
「君も…吸血鬼なの?」
「そうですよ。」
綺麗な瞳が柔らかく細められ、レイリは居心地悪そうに顔を伏せた。
まるで、自分が駄々をこねてるみたいな気持ちになって…。
「お食事、置いておきますから食べてくださいね。
変なものは入れてませんから、信じてください。
あと、これはてのひらの怪我に塗ってください。」
ベットの近くのテーブルには小綺麗に盛られたパンケーキが乗っていた。
「貸せ。」
レシュオムが出ていってから、シュノは塗り薬を奪い、レイリのてのひらを返した。
するとそこには結界で傷付いた痕跡はまるでなかった。
「……お前…もしかして…」
ハッとしたレイリは慌てて手を引っ込めてベットの中に潜り込んで身体を小さく丸めた。
「……混血だったのか。」
「いや…言わないで…僕は…人間なんだ。」
シュノは漸く合点がいった。
レイリが名前を教えることを拒む理由、そして、治りの早い怪我。
人間には触れても害がない結界で傷を負ったこと。
「依りにも寄って、天使と悪魔のハーフか。」
混血は異なる2つの種族の特性を肉体に宿す。しかしこう言った混血は特に特殊な力があるわけでもなく、大抵は迫害され、殺される。
それを知ってか、レイリは怯えたように布団のなかで震えていた。
「それで、人に身を寄せて本性を隠していたのか。」
天使と悪魔の間に生まれた子は悪魔にとっては極上の餌。
人間にとっても不老不死の霊薬がわりの存在として広まってる。
人と偽らなければ生きていけなかったのだろう。
「ひっく…うぅっ…お願い…たべないで…」
「…通りで美味そうな匂いがするとおもった。」
「や…だ…お願い、殺さないで…僕は…あの人を…探すまでは死ねない。」
恐怖心に耐えながら、ぎゅっと手を握り締める涙ぐんだレイリの声に、シュノは布団を引き剥がした。
「やっぱりお前は俺の花嫁になれ。
そうすれば、俺がお前を守ってやる。」
ぎゅっと抱き締めて頭を撫でれば、腕の中で震えていた小さな身体は遠慮がちに背中に手を回してきた。
「ほんとに…守ってくれるの…?」
今まで、誰も自分を守ってくれるなんて言ってくれる人なんて居なかった。
唯一心を許せる育ての親ですら、自分の身は自分で守るものだと教えられた。
「ああ、ずっとそばにいて、お前を守る。
だからお前も俺の側にいてくれるか?」
涙で濡れた頬に手を当てると、レイリは戸惑ったようにシュノを見上げた。
そのまま、シュノがそっと唇を重ねて、レイリをベットに張り付けた。
「んっ…う…んん」
濃厚なキスに、目の前がくらくらする。
唇をはなし、レイリの首筋に舌を這わせると、耳を挟む様に甘い声が囁く。
「お前の、名前は?」
シュノがしきりに名前を欲する様をみて、おそらく契約とやらには自らの意思で名前を与えることが必要らしい。
それを悟ったレイリは、決心したように目を閉じて唇を動かした。
「僕の、名前は…」
一瞬戸惑ったレイリが見上げた先には、熱の篭った眼でこちらを見つめるシュノ。
「レイリ。僕の名前…レイリ・クライン。」
「クライン…だと?」
名前を告げた瞬間、シュノが驚いたようにレイリを見た。
「まさか…お前はレイアの…」
すると、レイリが逆に驚く番だ。
「レイアを…レイアを知ってるの!?」
「ああ…そうか、お前はアイツとレイアの子だったのか…。」
「お願い、レイアに会いたいの!!レイアに会わせて!!」
すがるように抱き付いてきたレイリを抱き締めて、キスを与える。
レイリはもう、抵抗する様子も見せずにそのまま身を任せていた。
「そのうち、必ず会わせてやる。
先ずはここでの生活に慣れてからな?」
シュノはレイリの服に手をかけた。
首元を晒し、キスを落とした。
「レイリ、俺と契約するか?」
レイリはもう、迷わずに頷いた。
「あげる…僕の全部…君に…」
「シュノだ。」
「シュノに、あげる。
だから、レイアに会わせて…」
シュノは頷いて、レイリの首に噛みついた。
「ひっ…あ、ぁん…」
ピチャ…と、音を立てながら零れ落ちる血を舐めとる。
レイリはぎゅっとシュノにしがみつく。
「レイリ、俺の血も飲め。舐めるだけでいいから。」
シュノは指先を切って差し出した。
レイリはそれを口に含み、舌を絡めた。
「あ…んっ、ふぁ…ああっ」
「感じやすいのか?なかなか仕込みがいが有りそうな身体だな…」
ペロリと唇を舐めるシュノを、息の上がったレイリはぼんやりと見上げていた。


シュノとレイリの首筋には、同じ薔薇型のアザがくっきりと刻まれていた。


縲那めも

 
キャラにCVを当ててみたら…?

思いついたキャラだけ書き綴っていく。
気が向いたら増える。
あくまで、個人的見解。
初代とは同じでもいいと思う。

騎兵隊組
レイリ 緒方恵美 インスピレーションで降りてきた。
シュノ 福山潤 ルルくらいの低さで
リラ 中原麻衣 イメはエステル。完全にエステル。たまにレナ。
レシュオム 水樹奈々 イメは金髪つながりでなのはのフェイトちゃん。

学生組
ロゼット 井上麻里奈 進撃のアルミン
フィオル 小野大輔 黒執事。優雅で品のある小野D。
トラヴィス 皆口裕子 イメージはファラ。
シルフィス 甲斐田ゆき 
リアン 悠木碧 トーンはファムのジゼ。だけどテンションはもうすこし高め。


大人組
ローゼス 高山みなみ 


夏の思い出 後


「さてと。」
特に宛もなくぼんやりと歩いていたトラヴィスは急に立ち止まった。
辺りを見回して、何かを探しているようだった。
「どうかしたか?」
「うん…確かこの辺に…」
トラヴィスは辺りの屋台から目当ての屋台を見つけたのか、ヴェリテの手を引いた。
「ヴェリテ、こっち!!」
子供の様にはしゃぐトラヴィスは目的の屋台の品を眺めている。
それは、飴細工の店だった。
きらきらと光に透ける鼈甲の飴細工。
琥珀色の輝きは幼い子供の頃には宝石のように写っていた。
「なんだ?」
「飴だよ、食べれるんだ。
ちょっと勿体無いけどね。」
トラヴィスがその一つを手にとって、ヴェリテに差し出した。
可愛らしいウサギの形の飴を差し出されて、ヴェリテが首をかしげた。
「これ、ヴェリテの分だよ。」
「?」
まだピンと来ていないのか、ヴェリテは言われるがままに飴を受けとるとそれを眺めていた。
「ヴェリテ、飴だから食べれるんだよ。」
トラヴィスは自分の分の飴も買うとヴェリテの前で食べて見せた。
ヴェリテもトラヴィスと同じように飴を口に含んだ。
「どぉ?美味しい?」
「判らない。」
「甘くて、美味しいんだよ。」
「甘くて…美味しい?」
反復するようにヴェリテが同じことを繰返し、首をかしげた。
「お祭りには、こんな面白いことがたくさんあるんだよ!!」
ヴェリテの手を掴んで、嬉しそうにはしゃぐトラヴィスに、ヴェリテは何も言わずに成すがままついていった。



「ふぁー…見たことないものがたくさんです。」
キョロキョロと辺りを見回すリアンがぶつからないかヒヤヒヤしながら、シルフィスは繋いだ手をぎゅっと握った。
「見たいものがあったら言ってね。」
「はい。シルフは見ないがいいですか?」
「うん、僕も見てるよ。」
シルフィスはただ、無邪気なリアンのそばに居られれば良かった。
ただ、まだそれを言う勇気がまだなかった。
そんなシルフィスに首をかしげながら、リアンはキラキラとひかる屋台の灯りを見つめていた。
人々は活気に溢れ、それぞれが思いのまま、きらびやかな衣装に身を包んでいる。
「シルフ、あれはなんです?」
リアンが指差したのは硝子で出来た球体の底の方から糸が伸びていて、紙がぶら下がっている不思議なものだ。
「それは、風鈴っていって風が吹くとこの紙が揺れて、糸に着いている芯がガラスの縁を叩くと、音がなるんだよ。」
ガラスの風鈴にはさまざまな絵が描かれていて、垂れ下がっている紙の色も様々だ。
「綺麗です!!」
リアンが思わず見とれていると、店先に吊るしてあった風鈴が風に吹かれて一斉に鳴り出した。
その優しい音色にリアンは目を閉じて音を全身で感じ取る。
「リアンはどの風鈴が好きなの?」
耳を済まして音に聞き入ってたリアンは、金魚の柄の風鈴を指差した。
「あの音がとても落ち着きます。」
その風鈴を手に取り、念のため値札を確認すると子供のお小遣いでも十分に買える値段だった。
「じゃあ、これください。」
シルフィスは風鈴とお金を店員に渡した。
店員の恰幅のいい年配の女性はにっこり笑って風鈴を綺麗な箱に詰めて袋に入れてくれた。
「これ。」
リアンはきょとんとして首をかしげる。
「あの…今日、お祭りに誘ってくれた…お礼。」
「あ、ありがとう…」
リアンは袋を大事そうにぎゅっと抱き締めた。
「大事に、しますね?」
嬉しそうに笑うリアンに、シルフィスは恥ずかしくなってうつ向いた。
「いくじなし」
肩に乗っていた闇色の猫は、そう一言呟いてシルフィスのパーカーのフードに潜り込んだ。


「いい加減機嫌を治してくれないか?」
困った様に笑いながら、隣に座るむすっとふくれている少女に声をかける。
ピンク色の可愛らしい浴衣を着付けられ、髪にコサージュでアクセントをつけて付け毛を盛れば、誰も彼女の正体に気付かない。
「こんなの…恥ずかしいっ…」
俯いたままだったのはふくれている訳じゃなく、単に恥ずかしかっただけのようで、内心ホッとしたフィオルは大人しい恋人を抱き寄せた。
「や…ちょ…ここ、外だろ。」
「君は今は女の子にしか見えてないさ。」
「でも、皆…見てるし…バレたら恥ずかしい…」
するとフィオルは何かを考えるように首をかしげた。
「フィオル…?」
「なら、人が居ないところに行こうか。」
ぎゅっと手を握って、フィオルは人混みを器用に避けながら歩き出した。
「人が居ないって何処に…」
「少し、いい場所を知っていてね。」
そう言うとフィオルはロゼットの手を引いて、グイグイと祭りの会場から離れていく。
就いたのは、華やかに装飾された港の倉庫街。
その奥には灯台がそびえ立ち、花火の上がる船が遠く沖に見えていた。
灯台の麓には花火を間近で見ようと、用意された席に座り込む人々で賑わっていた。
「ここ?」
「いや、こっちだよ。」
明るい会場の近くには小さな道が続いていて、小高い丘に繋がっている。
そこは草木が鬱蒼と繁っているが、花火をあげる船がはっきりと見えている。
何より、人が全くいない。
「灯りは、もうすぐ上がる花火だけでいいだろう?」
ぐいっと体を抱き寄せられ、小さな体がすっぽりと腕の中に収まる。
「……フィ、オル…」
「ここなら誰も見ていないよ?」
休憩用に用意されていた椅子とテーブルに座り込み、テーブルに座らせたロゼットの腰にぎゅっと抱き付く。
そんなフィオルの頭を優しく撫でながら、吹き抜ける風に髪を遊ばせていた。
言葉はなくても、心が暖かく満たされていく。
満たされた気持ちで、空を見上げると、大きな音と供に空に色とりどりの花が咲いた。
「始まったみたいだね。」
「そうだね、綺麗だ。」
ロゼットの体を抱き寄せて、膝の上に座らせると、空に打ち上げられる花火をぼんやり眺めていた。
花火が打ち上げられる旅、淡い光がフィオルを照らした。
端麗なその表情を横から見、恥ずかしくなって反らす。

『次が最後の花火です』

そう、アナウンスが流れて、もう最後なのかと寂しい気分になると、唐突にロゼットの頭をよぎったのはクラスの女子が話していたこと。
『お祭りの、最後の花火が上がる瞬間、キスをするとその二人は永遠に結ばれる。』
どう考えても祭りにこじつけた迷信で、良くあるはなしだ。
それでも、祭りの雰囲気に後押しされて、気が付けばフィオルにぎゅっと抱きついてちゅっと、触れるだけのキスをした。
背後では、最後の花火が音をたてて散っていった。


会話文詰め合わせ




シュリ「何だよ、その何か言いたげな顔は。」
ミツバ「別に、ただ余り大っぴらにキスマーク見せびらかさない方がいいんじゃないかと思っただけです。」
シュリ「また、変なとこに着けやがったのか、アイツは!!」
ミツバ「副隊長は少し自覚を持ってください。
そんな格好で歩いていたら襲われますよ。」
シュリ「返り討ちにするから問題ねぇ。」
ミツバ「犯されるって言ってんですよ。」
シュリ「別に、慣れてるし。」
ミツバ「……慣れたくて慣れた訳じゃないんでしょう?
今は隊長が居るんだから…」
シュリ「俺に説教する気か?」
ミツバ「……いや、俺にも少し覚えがあるだけです。
ごみ溜めの中で生きていくには綺麗事だけじゃ生きてけないんですよ。」
シュリ「ガキが一丁前言いやがって。」


ミツバは割りと物事をハッキリ言うタイプ。
シュリさんと似かよったとこ有るから意外と話か通じるんじゃ…という妄想。



シュノ「レイリ、起きろ。」
レイリ「うーん…あと5分…」
シュノ「絶対起きる気ねーだろ!!」
レイリ「起きるから…起きる……」
シュノ「寝るな!!」
ロゼット「失礼します、レシュオムさんに隊長を起こしてくるよう頼まれました。」
シュノ「ああ、助かるよ。」
ロゼット「レイリさん、朝ですよ?」
レイリ「んー……や。」
シュノ「ガキか。」
レイリ「だって、昨日は……激しかった…から…」
ロゼット「え…?」
シュノ「誤解を招くような言い方しないで欲しいな、あんたがサボったツケだろう。」
ロゼット「(何だ、仕事の話か…)」
レイリ「zzz……」
ロゼット「はぁ…仕方ない。」
シュノ「ちょ、何す…」
ロゼット「朝だって言ってるでしょ!!(布団抜き取り)」
シュノ「やめろ、ばか!!」
レイリ「ふぁ…?さむ…」
ロゼット「ちょ、レイリさん、何て格好で寝てんですか、殆ど脱げてるじゃないですか」
シュノ「何で僕の方を見るのかな?ロゼット?」
ロゼット「いや…何でもないです。」
シュノ「だから言ったんだよ、寝相悪いのに浴衣着るなって。」
ロゼット「(上手く誤魔化されたのか、本当に寝相悪いのか、どっちかわからない…)」
レイリ「しゅの、だっこ。」
シュノ「ん。」
ロゼット「食事の準備は、できてるらしいので、着替えたら来てくださいね。」
シュノ「判ったよ、ありがとう。」
レイリ「シュノの匂い……zzz…」
シュノ「あ、こら寝るな!!」


レイリは休みの日は寝起き悪くて、二人係で起こしてたらいいなという妄想。



シュリ「レイア、朝だ起きろ。」
レイア「ん…あと一回…あと一回だけ…」
シュリ「どんな寝言だよ変態!!」
レイア「やだー、起きたくない仕事したくないまだ眠い。」
シュリ「じゃあ寝てていいから俺を離せ。」
レイア「お前がいないと眠れない。」
シュリ「じゃあ起きろボケナス」
レイア「僕は寝てたいの。だからお前も寝ろ」
シュリ「意味わかんねぇし!だいたい仕事はどうする?隊長サボりの上に副隊長もサボりとか話にならんだろ、仕事しろ。」
レイア「そんなのレイシーとイェンツォが何とかするだろ。いいからシュリは今日一日僕に付き合え、これは隊長命令だよ。」
シュリ「横暴だ!!」


シュリさんがレイアを起こした場合。
ストッパーが居ない分起こす人=被害者



シュノ「レイリ、あんまりくっつくな。テレビ見えない。」
レイリ「だって、怖いんだもん。」
シュノ「じゃあ見なきゃいいだろ?」
レイリ「今更一人にされる方が怖いよ。」
シュノ「(プルプル震えて、生まれたての小鹿みてぇ)判ったよ、違うの見るか?」
レイリ「でも、シュノ見たいんでしょ?」
シュノ「どうせ録画してるし。」
レイリ「でも…気になる…。」
シュノ「怖がりな癖に…怖かったら目瞑ってろ(瞼にキス)」
レイリ「うん…ありがと。」
シュノ「あ、でもこういうのは目瞑った方が怖いって言うな。」
レイリ「え…」
シュノ「じゃあ、こっちこい(足の間にレイリ座らせ)怖くないだろ?」
レイリ「うん。これなら怖くない(シュノにすりすり)」


ついったで垂れ流した現パロで夫婦に加筆。
夏の定番、ホラー番組をみるシュノさんと、怖いけど気になるレイリ。



シュリ「(びくっ)」
レイア「シュリ、怖いの?」
シュリ「怖くない、お前が怖くないようにぎゅってしてるだけだ(びくびく)」
レイア「(怖いなら怖いって言えば良いのに)あ、ちょっとトイレ」
シュリ「ついていくか?(震え声)」
レイア「(可愛いなぁ)そうだね、おいで?」
シュリ「仕方ないな。」
レイア「シュリ、僕怖いなぁ(棒読み)ぎゅってしていい?」
シュリ「しかたねぇな(ぎゅっ)」
レイア「(クッソ可愛い、襲いたい)」
シュリ「トイレいいのか?」
レイア「ああ…(あれ嘘だし)」
シュリ「レイア?」
レイア「シュリがかわいすぎるのが、いけないんだよ?」
シュリ「何言って…ちょ、お前!」
レイア「ちょっと黙ろうか?(ちゅ)」


現パロそのに。
シュリさんがホラーダメなバージョン




スイートトラップ



お前にあげたいものは、たくさんあるのだけれど…


もし、ひとつだけ。お前に差し出せるとするならば…


僕は、これをお前に差し出すよ。



夕暮れの王都。
騎兵隊の執務室から城下街を眺めていたレイアは、珍しく憂鬱だった。
自分の全てに絶対的自信を持っているレイアが、こういった気分に浸るのは珍しく、隊員たちもあまり近寄ってこない。
窓にもたれかかって、ため息を吐きながら陽が沈んでいく町並みをただ眺めている。
特に、意味などなかった。
ただ、感傷に浸りたい気分な時もある。
普段の彼を知る人物なら、誰でも驚くはずだ。
傍若無人で傲慢。その癖人々を魅了して止まないこの英雄は、所詮他人から見れば英雄様でしかないのだ。
「もう、いいかな。」
今日の分の仕事は優秀な部下に押し付け…もとい、任せてある。
レイアは窓から離れて、そのまま隊舎を後にした。


今の彼の心を埋める、たった一つの元に。



「ただいま、シュリ。」
自室に戻ると、ぐったりとした銀髪の少年がこちらを恨めしそうに睨んでいた。
この少年は以前に訪れた侍の里から拐ってきた忌み子だ。
里一番の娘を用意すると言われたが、レイアはそれを断り強引に連れ帰ったこの少年がとてもお気に入りだった。
「今日も仕事が手につかなかったよ。」
「……」
「お前のせいだよ、どうしてくれるの。」
「…知らない、俺のせいじゃない。」
無知ゆえか、世間知らずなのか…
隔離された世界で育ったシュリには、レイアが何者であるか知る由もなかった。
だから、レイアの興味を引いた。
自分を英雄として扱わない、シュリの態度や、美しい容姿、どこか暗い影を背負った儚気な所も、全て。
「僕をこんなに夢中にさせたのは、お前が初めてだ。」
レイアは、ゆっくりとシュリの頬に触れた。
「愛しい、愛してる、そんな言葉じゃ足りないくらいお前が欲しい。」
「意味がわからない。」
「今はまだ、わからなくてもいいよ。
ただ、その意味を理解できる頃になったら、お前はもう僕から逃げられないよ。絶対に。」
シュリは不思議そうに首をかしげた。
「わからない、俺はもうあんたのものだろ?」
シュリの言葉に、今度はレイアがきょとんとした。
「ははっ、ほんと面白いなお前は。」
レイアは可笑しそうに笑って、シュリをぎゅっと抱きしめた。
「シュリ、君にひとつチャンスを上げよう。」
レイアは突然真面目にシュリをまっすぐ見つめて言った。
「なんだよ…」
「いいかい、僕は凄く嫉妬深い。
そして、周りが思っているような高潔な勇者様なんかじゃないんだ。
お前の大切な人でも、僕は僕の目的の邪魔になるなら容赦なく排除する。」
真剣なレイアの言葉のひとつひとつを、シュリもおとなしく聞いている。
「お前が、どれほど止めてくれと懇願しても、嫌だといって逃げ出しても、僕はそれを許さない。
それでも、お前は僕についてくるかい?」
一瞬だけ、シュリが驚いた顔でレイアを見上げた。
「…お前が、何を言いたいのか…俺にはよく判らない。
だけど、俺は…お前以上に大切なものなんてこの世にただ一つとしてない。」
それを聞いたレイアは、驚いて、それからやんわりと微笑んだ。
「ばかだね、お前は。せっかく僕が逃げる最後のチャンスを与えてやったのにふいにするなんて。」
もう一度、シュリの体をぎゅっときつく抱きしめる。
シュリの甘い匂いがレイアを満たしてく。
もう、後にはもどれない。
「もう、2度と離さないよ。
お前の全ては永遠に僕だけのものだ、勝手に傷つくことも死ぬことも許さない。絶対にだ。」
「ああ、俺の全てはお前のものだ…
だから、俺にもお前の全てをくれ、ずっと側に…離れないように…」
ぎゅっと、シュリの腕が背中に回される。
暖かい気持ちにで満たされる。
欠けていた何かが、ぴったりとハマったみたいに、二人の心が幸せで満ち溢れた。
「それは、最高の殺し文句だね。
いいよ、シュリにあげるよ…僕の全て。僕の心を。」

シュリは、嬉しそうに笑って、ぎゅっとレイアに抱きついた。

愛しくて、愛しくてたまらなくて
自分自身がおかしくなってしまいそう。
僕の想いはかけらになって、シュリの心に染み込んでいく。
じわじわと、ゆっくりと…本人も気づかないほどに。


それが、僕の仕掛けた最初の罠。
お前に僕が差し出すものは、恋という名の甘い罠。

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