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本丸特色

・寒椿
初期:加州 統括本丸 怜悧預かり 男士歴長し完スト勢
完全平屋作り 畑も多いが花畑や自然も多い
怜悧用に温室を作り、後に鶯丸が活用
小さな生き物は大概通りがかりの神か式神

CPみかくに いちうぐ はんこりゅ くりみつ でんおに にゃんちょぎ んばこが
二CPししこが(闇落ち) 鶴くに(指南) 宗近んば


・夏椿
初期:蜂須賀 無難に任務をこなす
他本丸の分の食料供給源として畑多し
博多の采配で食料を蒼玉本丸にも横流し

CPせんひな おにこりゅ 号へし みかんば ちょもこが


・侘助椿
初期:歌仙 物作り狂(薬研+鶴丸の淫薬班)
物作りの為の増改築で本丸が迷路、一部洋館
多数の絡繰りや知識を他本丸と共有
粟田口は飾り物を自作、三本槍と胴田貫は陶芸がお気に入り
一部の作品は万屋界隈で男士が露店売りして小銭稼ぎをしている

CPみかこが うぐつる いちあか へし燭 くにちょぎ


・雪椿 初期:山姥切 戦闘狂
本丸内は厩と道場以外増築無し

CP燭へし おにつる


緋翠付きの管理者
沢田紀一(管狐使い)
緋翠に敬意を抱き、何でもお申し付けくださいと忠義者。
任務外の事は特に要請が無いため、少し落ち込み気味。
けれど怜悧を気に掛けてやってくれと頼まれて以来、誠心誠意職権乱用を心に決めた。
管理者である朱乃にやりくりの仕方や予算の取り方を教えつつ、手配に時間の掛かる案件は古参審神者憂慮事項と称して越権するほど。
緋翠に回すはずの予算は殆どが男士の給金として支給される為、手付かずの部分も多い。
ので、弟子の遊戯費と名付けて消費している。


・山吹本丸
大柄男性 女装家 払魔師(僧侶) 薙刀
人が好く世話好き 人間に対しては距離を置くようにしてる 人に肩入れしやすい
寵愛を受ける神が愛を加護する事から愛情過多
緋翠と怜悧に好意的(白)

・竜胆本丸
女子高生 烏天狗 情報屋
人間嫌い 現代以降アヤカシが住みづらくなってるのをお山の烏天狗が調停
情報収集と監視を兼ねて蒼玉本丸の演練と万屋界隈は常に同調
政府に対して表向き同調(白に近い灰)
緋翠に嫌悪(畏敬)的 怜悧はあくまで監視対象(是でも否でもなし)

・山梔子本丸
男女の双子 死人にクチナシと言える程の繋がり 万屋界隈
人間の味方 歴史の影、人の影には常に存在
数多の時代、数多の空間にクチナシの者が居て万屋を多数開いている
政府に従順(白)
緋翠と怜悧に嫌悪的

・雛罌粟本丸
痩身の男性 最後の黒幕
政府の影で魔術師としての真理、全智を為そうと画策
他の古参審神者の力を自分の物として使おうと研究所を作った総責任者
研究所設立→朱乃を得て身体の強化→朱璃を得て時渡り→ルーシェスを得て真理会得
→第三世代(人造神)を計画→八千代に気付かれ山梔子に釘刺され敵勢力に肩入れ
→敵勢力(怜鴉側)の情報を得て緋翠に目を付ける→緋翠を人造神にして全智を得る計画
政府を巻き込んで歴史や人間なんて二の次(真っ黒)
緋翠と怜悧に好意的

・八千代桜本丸
壮年の老婆 本丸の樹精(土地神)
歴史の存続主義 ただしこの場合の歴史とは土地の記録であり人間側の物とは限らない
政府からの要請で動く腰が重いタイプ
土地神として数多の弟子を持ち、本丸の空間がある根っこの第一本丸を運営
樹形図的に本丸の空間を増やしまくってどこかで繋がってる
全人間に対して気の良いお祖母ちゃん、相談はいつでも受け入れ可能(灰に見えて白)
緋翠と怜悧(人間)に対して好意的

・蓮花本丸
色素の薄い美女 八尾比丘尼 刀の管理(政府管轄の郭、土地の横流し)
快楽主義 愉快犯 傍観者 歴史はヒトが存在すれば作られる千差万別
自分から力を貸したりはしないけどちょっかいは掛ける 政府の要請に恭順、恣意的
封鎖、閉鎖した本丸の管理と政府が支給する刀の鍛刀・管理を受け持つ
縁が無い刀剣男士の符を枕元に置いて寝ると夢で蓮花の郭本丸に招かれる
何度か逢瀬を交わし、情交をすれば道が出来、やがて男士を招くとされている
(灰に見えて黒)
緋翠と怜悧には無関心

とうらぶ行動指標

(平安頃)
・源氏に仕える水守、水祈(巳憑き)の巫女候補(黒髪翠瞳)
神との対面で嫌煙、父と母、記憶を犠牲に人里へ降り、安倍晴明に弟子入り(緋色髪翠瞳)
・陰陽師としての技と薬師の知識を得て独り立ち(後に晴明没)
・半妖として力を付ける内に人里から距離を置き、歴史の裏側で暗躍

(戦国頃)
・怜鴉(10才?)を公家から引き取り、龍脈に影響する事を配慮して長くても一年ずつで旅
・龍脈を浄化しながら力の使い方を覚えさせて行き、陰陽師の秘技を一部伝授(式神や力の流転等)
・龍脈の影響から怜鴉の身体の成長が遅くなり、怜鴉(16才?)で朱璃(7才)を見付ける
・満身創痍の朱璃を気遣って隠れ里に朱璃(12才)まで過ごすが、追っ手が掛かり逃亡
・朱璃(14才)で高熱を出す流行病にかかり、治療の為に緋翠が離れる
・朱璃誘拐、怜鴉が火を放って遁走、緋翠は二人が亡くなったと誤解し旅に戻る

(幕末頃)
・神隠し事件に巻き込まれ、傲慢な神を調伏し子供を連れ帰る
(後の山吹審神者が神の寵愛を受けた事が原因で土地事の神隠し、山吹を僧兵に預ける
この時のぼんくら神が山吹に加護(主に長命)を授ける)
・薬師として暗躍中に屋根から落ちて沖田と出会い、力を貸す傍ら羅刹化の影響で看取り

(現代まで)
・多分世界大戦で完全に人目から離れて看取りの日々
(・ルーシェス渡航、テラを殺され研究所行きになり脱走。)
・古い神社仏閣に知恵を貸しながら連絡手段を残して隠居、時の政府に勧誘
・審神者として初期刀:加州、初鍛刀:前田、初太刀:三日月、一つの本丸で最前線担う
山吹と再会して同じく前衛方の審神者として力を付ける(男士と一緒に出陣)
・有力審神者として複数の本丸運営(顕現刀は一振りずつ)又は弟子を申し付けられる
弟子は拒否(一の丸を寒椿、二の丸を夏椿、三の丸を侘助椿、四の丸を雪椿)
・統括近侍として三日月宗近と補佐役に鶴丸国永を任命、前線からは身を引き裏方に
(出陣に出向くことはなくなり、陰陽師として審神者の調停役に)
(・怜鴉が個人で蠱毒をし、精神に陰りを見せ始める。
ルーシェスが怜鴉に接触し、時の政府の断絶と引き替えに主従契約)
・陰陽師として怜悧(10才?)と朱乃(12才?)の世話役に任命
(怜悧の異能から朱乃と同居させた方が良いと進言)
・時の政府の研究に気付き激怒、二人を引き取り寒椿で世話をする
(怜悧への影響を懸念し時の流れを緩やかに調整)
・第二世代(古参審神者の弟子)審神者の動向に不穏な気配
(八千代桜の弟子、千鶴が鶴丸国永への懸想を暴走)
戦力強化として第三世代(研究所育ち)の審神者を検討
(第一世代は植物の名前、第二はその字を一文字入れた名前、第三は鉱物の名前)
・二人が健康になった頃に世話を三日月と国永を中心に任せ四の丸を改装、怜悧へ譲渡
(譲渡の関係から時の政府へ怜悧を審神者に、朱乃を管理者に進言)
・制約付きで怜悧の審神者に許可が下り、保護役として緋翠の弟子と登録
・怜悧、試験的に演練参加(山吹を紹介、緋翠を伴えば山吹も怜悧の本丸へ通行許可)

(現在)
・検非違使の出現や政府から定期的な監査(同一男士を二振りまで顕現)
・怜鴉が表立って暗躍開始、ルーシェスも表立って宣戦布告
・vsルーシェス戦で男士の汚染を確認
・vs怜鴉戦で緋翠が怜鴉と朱璃の過去を知り決裂、男士の消滅を確認
・vsルーシェス戦2で男士の闇落ちと羅刹沖田(屍鬼)を確認、後者の討伐で緋翠負傷
(魂の一部を獲られ核としてアヤカシ側の緋翠、九尾を生成)
(・蓮花審神者と密約を交わし、一部本丸を闇落ち男士の強化製造として使用。
主に九尾を据え、土地に封じ込めると共に政府に怨嗟の呪いを掛ける。)
・第二世代審神者の鞍替えや裏切り、闇落ち男士などで本丸の閉鎖が目立つように
・緋翠の本丸にも男士の受け入れ(うち、小烏丸と獅子王が闇落ち)
(国永が緋翠に内密に二振り目の同化を推進、異常個体の鶴丸を鍛刀)
・二振り目の鶴丸国永が折れ、小烏丸と獅子王の離反(つぐのひ本丸で黒鶴として手入れ)
(・九尾が夢渡りで朱璃を見つけ出す)

(今後)
・九尾を討伐し取り込む事で記憶を共有(朱璃の居場所判明)
(・ルーシェスは撃退された時に精霊召喚の真理を聞いて怜鴉から離反)
・緋翠が水祈を思い出し、ヒトに近くなる事で霊力強化
・研究所を襲撃して朱璃の救出(雛芥子審神者に人造神の核として目を付けられる)
・怜鴉に力のほとんどを譲渡し浄化、審神者として寒椿本丸の土地神に据える事で人に戻す
(緋翠の存在が限りなく希薄になり、影を奪われる)
(・一年の歳月を経て影を育て緋翠を結合、本丸から消失。)
・ルーシェスが改めて怜鴉と主従、山吹・竜胆と組んで情報収集
(審神者の上位に神を据えると政府から勧告)
(・緋翠を人造の神にする事で時渡りのシステム掌握、政府を内から乗っ取ろうとする。
雛芥子自身が神として君臨する腹づもり)
・二度目の研究所襲撃、防衛システムとして緋翠の影大量と戦いながら雛芥子を撃退
・三日月、国永の補佐もあり勧告通り緋翠が審神者を加護する神に成る(寒椿本丸を神域)
・夏椿を改めて怜鴉の本丸とし、侘助椿を四郎の管轄とする(四郎は審神者間、現代の使いっ走りで管理は怜鴉任せ)
・緋翠は怜悧の本丸にある離れに祭殿を作って隠居生活

とうらぶ設定

緋翠 (水祈緋翠/平安の生まれ)
緋色の髪に翠の瞳
父が赤狐で母が人間の源氏に仕える水の巫女(巳憑き)
半妖の白面金毛九尾、白金髪金目
7才の頃までは黒髪に翠の瞳の人として、巫女の候補として育った
対面した蛇神が狐の匂いを嫌って食おうとした所を父が庇い、母が人柱となって追放
育ったそれまでの記憶を封じ、赤狐として安倍晴明に預けられ陰陽の技を学ぶ
この頃から緋色の髪に翠の瞳、髪は父、瞳は母譲り
爺と袂を別った後は人と距離を置きながら寄り添い、知恵を貸して薬師として暮らしていた
江戸時代に怜鴉、朱璃と出会い別離
文久3年に薄桜鬼の沖田ルート、鬼化した最期を静かに看取っている
式神は主に十二天将

騰蛇 火 陰 声がデカい。態度もでかい。気位高い。クレイハウンド。クレイ。
緋翠→主 怜悧→坊主
朱雀 火 陽 高飛車。プライド高い。常識知らず。マーガレット。メグ。
緋翠→主様 怜悧→公
六合 木 陰 ローゼス。
緋翠→主 怜悧→怜悧ちゃん。
勾陣 土 陽 言葉を単語で話す、表情は変わらない。夜季。
緋翠→主君 怜悧→公
青龍 木 陽 フィオル。
緋翠→主 怜悧→怜悧くん
貴人 土 陰 ノエル。
緋翠→主 怜悧→ガキ。
天后 水 陰 レイシー。よく出る。
緋翠→主様 怜悧→坊ちゃん。
大陰 金 陰 言葉が幼い子供のよう、ほとんど話さない。ヴィオレ。
緋翠→あるじ 怜悧→怜悧様
玄武 水 陽 エル。エルス。
緋翠→主さん 怜悧→怜悧さん
大裳 土 陰 明るく元気で物作りが得意、着物の仕付けもお任せあれ。涼蘭。よく出る。
緋翠→主上 怜悧→公
白虎 金 陽 もふもふ。レシュオム。
緋翠→主君 怜悧→怜悧さん。
天空 土 陽 空位の者。あるいは九尾、緋翠の影。


朱乃 朱璃(戦国時代の生まれ)
双子であり先祖返りの鬼子
母の死と引き替えに生まれた為、嫌煙されていた
傷の治りが早く力が強いため、双方共に追い立てられたところを朱璃の異能で逃げ分かれ
刻渡りの異能を持つ朱璃は耐性的に、朱乃は身体の異常により半死半生
朱璃は殆どの記憶を無くして怜鴉と出会い、束の間を過ごした後に時の政府に拉致
朱乃は現代に流れ着いた所を時の政府が捕獲、怜悧と引き合わせた
二人共異能持ちであり、朱璃は刻渡りの、朱乃は霊力を自在に顕現出来る


椿本丸 緋翠が審神者をする本丸で春夏秋冬と4つ
寒椿:加州 夏椿:山姥切 侘助椿:歌仙兼定 雪椿:蜂須賀
初期刀を中心に、三日月宗近と鶴丸国永を近侍に据えて運営
後に雪椿本丸を、保護した怜悧に引き継ぎ(刀は配置換えで他に二振り目)

CP:みかつる いちつる いちうぐ うぐつる いちあか おにつる ひげひざ でんおに
くにちょぎ にゃんちょぎ はんこりゅ ちょもこが ししこが んばこが みかんば
みかこが つるつる おにこりゅ へししょく しょくへし くりみつ
怜悧に本丸の一つを明け渡したのは、一つは有事の際に当主顕現で出入りをする為
もう一つは怜悧を封じる術式など細かい部分の浄化、洗浄が可能な為
時の政府は以上の事から名実ともに緋翠の弟子として認識


山吹本丸 大柄男性 女装家 払魔師(僧侶) 薙刀
竜胆本丸 女子高生 烏天狗 情報屋
山梔子本丸 男女の双子 死人にクチナシと言える程の繋がり 万屋界隈
雛罌粟本丸 痩身の男性 最後の黒幕
八千代桜本丸 壮年の老婆 本丸の樹精(土地神)
蓮花本丸 色素の薄い美女 八尾比丘尼 刀の管理(政府管轄の郭、土地の横流し)

プロローグ







遠い遠い昔の御伽話。


幼い頃から何度も何度も聞かされていたそれ。


誰も信じない孤独な魔物の王と、全てに裏切られ絶望して搾取されるだけの哀れな女神の悲しく切ない御伽話。



決して報われぬ恋に落ちた二人は、ただ二人で静かに暮らしたかった。


それを世界が許さなかった。


女神の創造主である神は自分から女神を奪った魔王を討伐する事を決意する。


そして、大きな戦が起きて女神は神に殺され、魔王と神は相打ちになった。


女神は最後の力を振り絞り魔王の魂と女神の魂を人間の器に宿らせた。


女神の生まれ変わりとなった青年は英雄となり、世界の混乱を収めたが、そのあと人知れず姿を消した。


魔王の魂を持つ最愛を探すたびに出たのだった。








御伽話はここで終わっている。


本来は女神が魔王の魂を人に宿らせたところで終わるはずだった物語。


それに尾ひれがついたのはいつだったか…。


あるとき突然現れた恐ろしく強く、カリスマ性を持った天才が一人。


名をレイア・クラインと言った。


彼は騎士団とは別に騎兵隊という独自の部隊を立ち上げ、隊長として自ら最前線で剣を振るった。


その強さ、物おじしない性格から誰もが彼を英雄だと祀り上げた。


彼は天使の様な愛らしい外見とは似ても似つかぬ程に傲慢で、わがままで、傍若無人だった。


それでも皆が彼を慕った。彼の強さを崇めた。


彼はただの一度も負けることなく、どんな凶悪な魔物も切り伏せた。


そして後世に色濃く爪痕を残した後、誰にも何も告げずに行方知れずとなった。


数人の、おそらく彼が本当に信頼できる人物だけを連れて忽然と姿を消してしまった。


そんな彼の偉業は何百年たった今もこうして御伽話の一部として語られている。


天使の様な美しい姿と恐ろしく強い彼はおそらく女神の生まれ変わりだという根拠もない人々の、そうであってほしいという憧憬から。





「そんなわけないのにね。」


黄昏の箱庭でかの人は笑う。微笑む。


こちらにわたるときに零れ落ちた欠片が、どんな生涯を歩むのかをながめながら。












初代騎兵隊隊長であり、御伽話の英雄レイア・クラインを輩出した家として、クライン伯爵家は代々名門貴族としてその名を連ねてきた。


高名な騎士家系の名には必ずクライン家の話題が出されるほどに。


しかしながら、それも時の流れにより徐々に風化して御伽話だけの存在となってきた頃には、クライン家は莫大な借金を抱え没落していた。


かつて栄華を誇ったお屋敷は競売にかけられ、本邸と別邸をいくつか残してすべて売り払われてしまった。


広大な庭も手入れが行き届かず荒れ放題。


使用人もごく少数しか居ない中、クライン家長女レイン・クラインが待望の男児を出産した。


厳格な騎士家系から婿養子に入った夫との初めての子供で、とても愛らしい天使の様な男の子が生まれた。


名を、レイリ・クライン。


数奇な運命をたどる者。


レイリは幼い頃から不思議な子だった。


普段はおとなしくとても聞き分けの言い、手のかからない子供なのだが時折、豹変したように我儘で傍若無人な態度をとることがある。


口調も性格もガラリと変わり、ひとしきり大暴れして眠りに就く。


起きたらその間の事は何も覚えていないという。


レイリの父親や使用人、彼の叔母は大層彼の気味悪がった。


レイリが5つになる頃には、鏡の自分に向かって楽しそうにおしゃべりしたり、転んで血まみれになった膝や手のひらの怪我がすぐに治ったり、とにかく普通の子供ではなかった。


レイリ自身は普通の子供だったし、そう思っていたが周りはそうは思わなかった。


名家の嫡子が得体のしれない化け物だというのを父は隠したがった。


それまではパーティーには積極的に連れ歩いていたのに、家から一歩も出さなくなった。


幼いレイリの遊び場は自宅の中庭だけになった。


それでも、レイリの世話係を務めたメイドのレイシーがずっとそばに居て見守っていたのも大きい。


レイリを産んでからというもの体を壊して病に伏せっていた母親もレイリを愛したからこそ、レイリは父にも母にも愛されていると思っていた。


しかし、日々繰り返される父親からの言いがかりの様な仕置きという名の暴力に耐えかね、心を壊したレイリは気が付くと燃え盛る屋敷の中、血まみれの使用人たちの死体の中に立っていた。


側には大好きだった母が血濡れで自分を抱きしめていて、父が恐ろしい表情で絶命していて…。


幼いレイリには何があったのか理解できずに泣き叫びながら屋敷を飛び出した。


レイリは幼いながらも貴族の嫡子ということで血縁者の叔母夫婦の元に贈られたが、レイリと叔母の折り合いは悪く、レイリは家族を失って精神が不安定なため、身柄だけを教会預かりとし、そこで一生の師であり父と敬愛するノエルとであい、真っ暗な人生に光を取り戻す。






それが、世界の運命に弄ばれた少年がたどる数奇な運命の始まりだった。






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