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椿国永はつまらない

小烏黒葉の第一印象は表情の変わらないチビだった。
産まれて数年、知らない女に監禁されて育った。
文字にすれば一行で、説明するには少し長い少しだけ不思議な人生。
寿命100年の内の最初の何年、なんて偉そうに言う奴は五万と居るが、親に愛される大切な数年だったと言う奴も居る。
正直どちらも面倒で、ただ退屈だ。
どう言われようと所詮は他人の語る言葉でしかない、胸を打たれて感動するでも激高するでも無い。
ただそうか、と言って受け入れたのは爺さんと従姉妹の翠、それに黒葉だけだった。
だからそれで良いと、彼等だけ居れば良いと思った。


爺さんが亡くなった中学時代はそれなりに気落ちして、退屈な日々は箱の中と代わらないと寝て過ごした。
それが大人しいという判定を喰らったのか、はたまた顔だけは良かったから癪に障ったのか。
生まれつきのアルビノという白髪と紅い目が余計に目に付いて弱く見えたんだろう。
初めは廊下を歩く時に小突かれる、授業中に回される誹謗中傷の手紙。
女子か、と思いながら紙を捨てたり無視をして相手にしなければ、それは段々と悪化した。
男子トイレに連れて行かれて見えない所を殴る蹴る、仕舞いには個室に閉じ込めて水を掛けられる。
流石に水を掛けられた時は寒いから文句を言おうと思った。
が、動きの止まった奴等に不審に思っていたら両手を押さえ付けてワイシャツを剥かれる。
最後には水以外の物で濡れるし顎も腰も尻も痛い、なんて最悪な事態になった。
中学男子、思春期の男っていうのは本当にサルみたいに一つ覚えだ。
ただヤりてぇっていう目的しか無く、こっちの負担もお構いなしにハメようとしてくる。
それが授業合間の休み時間だろうが昼休みだろうがお構いなし。
そのうち匂いが気になるとか言って校舎の影でヤるようになった。
育ての親のせいか箱に詰められた恐怖のせいか、俺は起たなくなっていた。
気にもしていなかったんだが、そうなると今度は女役としてしか能が無いだのクソビッチだの。
喘がせる程のテクもねぇ単なる突っ込みたがりでも暇潰しにはなるかと思って居たが、退屈で仕方なかった。

「……翠の事を無自覚とか言ってたが、俺も十分無自覚だったか」

現状をよく考えたら大きなため息が出た。
俺の場合は無自覚というより、無関心過ぎたのが問題だろうけど。

「はあ? なんだよ椿、好すぎて喘ぎたくなったのか!?」
「テク無しに欠伸が出るって言ったんだよ」

声を出すのと同時に尻に力を入れて捻れば、突っ込んでた馬鹿が硬直するのが分かった。
起ったもんを捻ればどの位痛いのかは想像出来ないが、腰を使って捻切るように体勢を入れ替えればそれが変な音を立てたのが分かる。
元々骨も通ってない、血管が凝縮してるだけの柔らかい部位だ。
散々突っ込まれたり無理な体勢させられたりで鍛えられたこっちとは訳が違う。

「下手くそが一丁前に粋がってんじゃねぇよ……」

股間を押さえて蹲る馬鹿を踏み越えれば、囲んでた馬鹿が慌てる様子が見えた。
それでも多勢に無勢、勝てると見込んだのか踏み込んできて、

「人間壊すのって呆気ないな。つまらん」

後には地面に伏して伸びたり助けを求めようと足掻く血みどろの馬鹿の団体。
殴ってみたのは初めてだったが、それでも十分強かったらしい。
というよりは、他人に対しても自分に対しても痛みを省みない攻撃の方が強かった、だろうか。
慌てて混乱しているよりは状況を見て冷静に判断した俺の方が反応は早かった。
相手の反応を見ながら加減を覚えていけば、俺でもそのうちやり過ぎる事は無くなった。
壊してる瞬間は楽しいが、誰も居なくなると退屈になる。



高校に入ればそんな風に寄ってくる馬鹿も少なくなった。
居なくならなかったのは度胸のある奴か、それなりにこっちを好くしてくれる奴。
痛いだけや退屈にさせるだけならごめんだが、上手い奴はそれなりに楽しめる。

「ほら、今からお前のケツにぶち込んでヤるから大きくしてくれよ」
「偉そうだな、誰がヤらせてやってると思ってるんだい?」

笑いながら先頭にキスをして唾液を絡めながら舐めてやれば、良さそうな声が上がる。
時折啄む様にしながら裏筋を舐め、根元の辺りを集中的に舐めながら先頭を指で弄ってやればどっちが入れる方何だか。
お預けしたお詫びに全体を口内に入れて歯を当てないように舌で舐る。
相手は奥に飲み込んだ時に震える喉が好きらしいからそうやって大きくし、

「椿、出そう……ッ!!」
「んぅ……まだお預けだ。ぶち込んでくれるんだろう?」

根元をぎゅっと指で押さえて口から外し、相手が垂らした汁と唾液を舐め上げれば体勢を入れ替えて押さえ付けてきた。
立ちバックは掴まる所が無いと疲れるんだよな、と考えてる間に慣らしもしないで穴に入れてくる。
切れたらどうするんだと苛ついたが、余程余裕を無くしていたらしい相手はすぐに奥を突いてきた。

「ひっ、あ、あん、そこ…もっと、それ、すきぃ!!」

奥を突かれる度にきゅうきゅうと切なくなる腹に、穴に力が入るのが分かる。
形が分かるほど締め付けて、奥に誘うように自分からも腰を振れば目の前がチカチカと明滅した。
ガクガクと揺れる膝が崩れそうになるのを、腰を掴まれて堪えさせられる。
壁に付いた手は爪を立ててガリガリと削るように掴まる場所を求めた。
息を付く間もなく与えられる快感に、口元が緩みきって唾液が垂れるのも構っていられない。

「椿、好きだッ!出すぞッ!」
「んひぃッ!!……あ、なか、びくびくして……」

余韻に浸って自分の起たないモノからも白濁が出てるのを呆然と見ながら腰を引こうとすれば、もう一度押し付けられた。
直ぐに堅さを取り戻したらしい相手の物が腹の中を弄ってくる。

「はひッ、無理、も、むりだから、おなか、くるし……」
「お前が、孕むまで、種付け、してやる、よッ!!」
「ちょ、や、ぁあん、ひ、はう、だめ、やだ、やッ、ん、くっ、ふっん」

人の話を聞かずに盛ってくる馬鹿に、良いように嬲られながら耐える。
馬鹿の執着や快感で涙や鼻水が出そうになるが、声だけは絶対に出さないと唇を噛みしめた。
一方的な動きに相手は早くも果てたらしく、肩で呼吸をしているのが聞こえる。
身体を弛緩させて呼吸を整え、一瞬だけ止めて回し蹴りをかます。
前のめりの姿勢になっていた馬鹿はそれだけで昏倒した。

「くっそ、気持ち悪い……ったく、二回分誰が出すと思ってんだよ……」

自分で指を突っ込みながら掻き出すように注がれた白濁を出す。
孕むだの種付けだの、女と勘違いしてるんじゃないのかと毒づいた。
何よりそこそこ好い部類だから相手をして居たが、好意を告げられた時点で遊びは終わりだ。

「あー……この後あのセンセのとこか…だるいなぁ、サボるか……」

クラスで孤立しているんじゃないのかと親身になってくれる数学教諭。
実態は寝取られだのを見て興奮する変態教師。
内申には手を出さないが、大学や興味のある専攻の相談に乗ったり勉強を教えてくれたり。
代わりに身体を迫るっていうのはどうなのかねぇ。

「世の中退屈でつまらんな……とりあえずタバコ貰って帰ろ」

処理しきった俺は痛む尻を庇いながら白いフードで顔を隠して数学教諭の部屋に向かった。
劇的に世界が変わるような出会いなんて信じて居ない。
ただ、深海の底みたいに暗くて呼吸の仕方も忘れるような毎日が変わるなら、それで良かった。
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