映画が終わったとき場内を流れたのは、すすり泣きを止める音と大きなため息。
ワタシも例に漏れず。
そんな大きなため息が出るほどしんどい映画だった。
全編に渡る雨の演出効果か、そのじんわりと息づまるような物語ゆえか?
ミステリーの映画を観るとき、ワタシは謎を解いていく様やその間の人間関係を見たいと思っているのだが、なんかだいたい泣かされる。
今回もすすり泣きまでにはいたらなかったがちょっとジワッと
その場面の演出もあるだろうが、それに至るまでの物語があるからこそと思う。
物語が薄っぺらかったら泣けない。
今回はクライマックスできた。
それも姫川と牧田の関係が丁寧に描かれてたからだろう。
連続殺人の真相はちょっとオイオイだったが伏線がなかったでもない。
姫川が苦しみながら捜査した9年前の隠蔽された事件と今回の事件のシメは、9年前の関係者だった課長がつけた(おいしい役だな)
それは課長自身の責念か姫川の努力が届いたのか…
いっちばん気の毒だったのは菊田
どんなに好きでも頑張っても忠実なワンコにしかなれない
姫川の闇の深さを理解らない者には彼女は無理…旨を牧田に言われて何も言えない菊田ですから
夜の雨の中、一点を見つめ佇んでるしかない菊田はヘタレを越えて不憫
ただクライマックスに向けて、姫川ひとりで行かせた所だけが男前だったかな。
菊田という男は強いのか?弱いのか?
今回、日下は(上司の措置に賛成できなかったからだが)姫川をサポートする役。
ガンテツも相変わらず口は悪いがサポートする側。
らしくねぇ〜!が、帳場では既に1課vs組対という対立構図があり、1課内までやってられないって所もあるだろうし、1課側は上司の圧力でほとんど動けない状態だったから、そうするしか上に一矢報いる術がなかったともいえる。
2人がいちゃもんつける暇もなかったけど、主任間の丁々発止は見たかった気がする。
今泉係長は入院中の役立たずの上、隠蔽派
橋爪管理官はもちろん!
井岡は一番井岡らしい仕事してる(笑)
心に闇を抱える刑事とヤクザ。
同じような闇を抱えながら全く違う道に進んだのは、差し伸べられた手の違いか…
しかしその闇ゆえに惹かれ合ってしまう…
全編降り続く雨が人の心のざわめきを表してる気がした。
牧田のホテルラウンジのアクションシーン、カメラワークが凄くて目が回った。迫力!