大エルミタージュ美術館展。
少し前からサンクトに行ってみたいなーと思ってて、まさか向こうからやってきてくれるなんて(笑)
12月は寒いしバタバタしてるしであまりお出掛けするのは苦手だけど頑張る。

兵庫県立美術館は安藤建築だったのね。
入った感じが似てるなって思ってたけど、ほんとに安藤だった。

入ってすぐエカテリーナ2世を取り巻く家系図がある。もっと世界史を勉強しておけば良かった…(笑)世界史苦手…。
『戴冠式のローブを着たエカテリーナ2世の肖像』が最初にお目見え。これだけは写真OKだったので撮りました。


ドレスがリアル。
彼女、ドイツからロシアに嫁いで皇帝になったすごい人。
なんか朗らかそうなイメージだ。
ロシアのためにと、尽力した信念を持った人。でも愛人を何十人も囲ってたらしいのである意味奔放な人だったのかも。
そんな人の「エルミタージュ(隠れ家)」へ。

まずはイタリアの作品。
『トビトの治癒』はトビトの目をトビアが魚の内蔵とかで治療する旧約聖書の逸話の絵です。後で知ったんだけど、トビトは燕の糞が目に入ったらしいよ…。
トビトの右目に皆が注目する構図だけど、そこにいた天使は後の絵で出てくる大天使ラファエロだそうで。
宗教画は知識がないとなかなかバックボーンまで図れなくて悔しいな。
むしろ基本は叩き込まれてて良かったのか。

『洗礼者聖ヨハネ』
 ヨハネは後の絵でも出てきます。
ヨハネの象徴の長い十字架の杖。十字架の上のリボンには「Ecce Agnus Dei」(見よ、世の罪を取り除く神の子羊だ)と書かれているそう。一緒に子羊ももちろんいます。この絵はそんなに惹かれなかったけど、後の絵のヨハネが好きで、あーそういえば前半でもヨハネあったなって思って。

『聖チェチリア』
ブローチがすごく立体的に見える。凹んで浮き上がってる感じ。これはすごい。
そしてすごく美人。信仰者ではないので聖人にもそんなことを言っている。
カルロ・ドロチをこの絵で初めて知ったんだけど、他の絵も見たいと思った。わたしにしては珍しい。

『エウロパの掠奪』
エウロパを拐うためゼウスが白牛に化けるギリシア神話の絵。ある意味宗教画なのか?ギリシア神話まで見られるとは。物語は残酷だけども絵自体は明るさが伴う。

 ポンペオ・ジローラモ・バトーニ『聖家族』
マリアとイエスが一際輝いて見える。
ここにもヨハネが杖持ってる。
すごく美しい作品。

『ドレスデンのツヴィンガー宮殿』
ドレスデンってドイツよね?と思いながら…(笑)
ドイツ大好きなのでこの絵も好きです。
今回の展覧会、あまりお気に入りの風景画がなかったんだけど、これは良い。


次にフランドルの作品。
主要な画家はルーベンスの工房で製作していたらしいからびっくり。
『スケートをする人たちと鳥罠のある冬景色』
今にも罠にかかりそうな鳥といつ氷が割れるかもしれない中スケートを楽しむ人は同じ運命にあるっていう教訓じみた作品。
細かい描写がすごい。

『鳥のコンサート』
この時代にこれだけの種類の鳥をどうやって描写したのかね。金持ちのアピールか。

オランダの作品。
風俗画や風景画が多い。
『果物と花』
パッと見は静物画なんだけど、実は蛇やらトカゲやら人の顔やらが描かれてて気持ち悪い作品。メロンの切り方と位置が『果物鉢と切ったメロン』とそっくりで同じ作者かと思うけど、国も年代も違うんだなぁ、不思議。

『月明かりの川の風景』
珍しい風景画。月明かりが綺麗。光の描き方が良いなぁと思った。人が描かれていない風景画が今回少なかったので、ちょっと癒し。


スペインの作品。
『幼子イエスと洗礼者聖ヨハネ』
この幼子でも品格さと慈愛が滲み出るイエスが綺麗。この絵はかなり表情豊かな絵だと思う。この絵好きです。

『聖母マリアの幼少時代』
スルバランの描く口元がすごく特徴的だなと。他の受胎告知?の絵もこんな口元。
マリアの幼少時代にスポットを当てたっていうところが珍しい。

フランスの作品。
『ヴェールをまとう若い女性』
異彩を放つこの作品。大きめだったこともあるのか、私の中でめちゃくちゃ目を引きました。
私はこの絵に不気味さを感じたけど、隣で観てたご老人はすごく優しそうな目ねと言ってたので人の感性って全然違う。

『盗まれた接吻』
これが観たかった!このために来たようなもん。
映画のワンシーンみたいですごくドラマチックだなって。
ストーリー性がある作品ですごく好きです。

『トビアと天使のいる風景』
トビアは最初にあったトビトの息子。国を越えて同じエルミタージュに集まってきたトビト記の絵。天使はラファエロですね。この絵好きです。

最後はドイツとイギリス。
『林檎の木の下の聖母子』
いろんな人の聖母子を観るけども、これはあんまり好きじゃない(笑)
どっちも顔が…(笑)
でもエルミタージュがすごく出し渋ったと知ってじっくり観察(笑)

『蜂に刺されたキューピッドを慰めるヴィーナス』
これ可愛い(笑)なんか可愛い(笑)


1枚の絵を目当てに行ったんだけど、意外と好きな絵ばかりで、エカテリーナは良い趣味してると上から目線で思ってしまった(笑)
宗教画が多くて、全然知らないんだけど、良いんだろうかと思った。
1枚1枚をすごーーくじっくり観ることができたので楽しかった。
エルミタージュ美術館にいつか行こう。