映画『ブエノスアイレス』


やっとやっと見終わった(笑)

大学の頃から何度かチャレンジしながら、途中で断念するばかりだったこの映画。
やっと(ほぼ惰性で)見終わりました。


なんといっても映像がすばらしいです。
ほとんど夜のシーンと室内のシーンしかないけど、ネオンってあんなに綺麗なんだなって思った。
あと、イグアスの滝のランプ。
あれ、すごい素敵。

ほとんど二人(ファイとウィン)、途中で一人増えて(チャン)しか出てこないけど、物語としては成り立ってるし、それぞれのキャラクターが際立ってて満足。

どの目線で見るかによってこんなに印象が変わる映画ってなかなかない。
学生の頃ウィンが嫌いだったけど、今はウィンの方に感情移入するのは、私が恋愛に於いてはウィン側だということに気付いたからなのかもしれない。
ファイ側ならもう観たくないって思う映画だけど、ウィン側ならまた観たいって思う。



*ネタバレ注意*

ウィンは、自分勝手で我が儘で、でもそんな自分をちゃんと受け止めてくれるか不安で、だからますます嫌われるような口叩いて。
どっかの誰かに似てるなー(笑)

ウィンが最後に泣いてるの見て、あーあっていうのと、悲しいっていうのがぐちゃぐちゃに混ざりあって複雑だった。


ファイは、何だかんだいって面倒見ちゃう器用貧乏なタイプ。
実はウィンよりファイの方が相手に依存してるというか、ウィンのこと好きで仕方ないよね。
でも狡いって思っちゃう。
パスポート返してよ。
チャンとウィンどっちにするのよ。


チャンはいい子。
文句つけようがない。
でも、ウィンにしたら目の前にあの子を連れてこられたら発狂すると思う(笑)
私なら発狂する。ますます嫌な女になる。


ファイとウィン、あの二人は離れたくても離れられない関係だと思います。
だから、最後にファイが「会おうと思えばいつでも会える」って言ってて、会いたいのはウィンだと思ってる。

タンゴを二人で踊るシーン、あれが好きだなぁ。
多分男同士だからあれが成り立つ。
ウィンが下手くそって言いながら指導してね。
切なくて排他的であの瞬間だけなんか二人しかいないみたいで好き。

ウィン役のレスリーは、顔が好きじゃないけど、もうウィンにしか見えない。
拗ねた顔といたずらっ子な顔とぴったり。

ファイ役のトニー・レオン、大好き。
物憂げだけど使われてる感じが好きだなぁ。
タバコを吸うシーンが美しい。
あとタバコを何カートンも買っていそいそとベッドサイドに並べる姿が可愛い。
そして散らかされてしょんぼり拾う姿が切ない。
なんといっても、テープレコーダー握りしめて泣く姿がこっちまで泣ける。

チャン役のチャン、爽やかです。
朝の空気みたいにキラキラしてる。
夜のネオンみたいにチカチカな二人とは対照的。


今すぐもう一度観たいわけではない(笑)
でも1年後、5年後、10年後どう違う視点で見るのか楽しめる映画だと思う。