「シュノ? どうしたの?」

手の中を覗き込んでくるレイリの目線に、手の中の物を晒してやる。
青く透き通ったそれは綺麗なアメ玉で、シュノとレイリは初見だった。

「アメって言うらしい」
「あめ?」

空から降ってくるの?とレイリが聞けば暫く考えるようにシュノは思案顔をし。
ゆるゆると首を横に振って応えた。
その様子を、ぼんやりとした表情でレイリが見つめる。

「違うアメらしい。こっちは、食べる物」

あっちは食べない、と言いながらシュノはアメ玉の包み紙を解いて口の中に放り込んだ。
食べる物、と聞いたレイリは興味津々とシュノの様子を見守っている。
大人しく舐めているうちに、段々と微妙な表情をし始めたシュノ。
不安そうに見上げてくるレイリに気付くと微笑みを見せ、後ろ頭に手を当てて引き寄せながら口を近付ける。

「んっ、ぁ…ふぁい、ほえ?」
「はは、ん……ちゅっ、はぁ……アメ」

2人の唇の間で暫くアメを転がし、満足気に笑いながらシュノは舌ごとアメ玉を押し込んで口を離した。
もごもごと、レイリの口の中を動くアメを突いて笑っている。

「飲み込んだり、噛んだりしたら駄目だからな」

キョトンとした顔で目を剥いた後に、眉根を寄せて困った表情を作った。
それに笑って見せながら、触れるだけのキスを唇に送る。

「舐めるのに疲れたら俺に寄越せよ」
「ん」

互いに満足な笑みを浮かべ、もう一度触れるだけのキスをした。



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何となく書きたくなったRanarok Onlineのパロディ。

シュノ=ヴィラス
16歳 男 ロードナイト
レッケンベル生体工学研究所でレイリと一緒に脱出してきた存在。
人間を使ってそれ以上の能力を持つ何か、生体として作られた。
意思を取り戻したシュノはレイリを連れて脱出。
武器は刀。

レイリ=クライン
16歳 男 ハイウィザード
レッケンベル生体工学研究所でシュノと一緒に脱出してきた存在。
人間を使ってそれ以上の能力を持つ何か、生体として作られた。
自我も自意識も殆ど無い頃、シュノに拉致られて脱出。
武器は杖。魔力莫大。