基本、移動が中心なんだよなうちの旅行。いつも旅程を言うと物凄く驚かれる。
というわけで二日目はレツゴー永平寺。ちなみに朝食でもおばあちゃんパワー凄すぎた。そんでもって風呂場で感動した角質取りのジェルを母と二人で購入。これも凄すぎた。
とんとこ移動して、さあこの線路を渡って山を少し行けば永平寺、という所でアクシデント。線路の遮断機が開きませんがな。
どうやら線路上で電車(単線のローカル線)がチャリとぶつかったらしく、それは大したことないんだけど電車が止まってねえ……とは、遮断機前で止まってたら近寄ってきて教えてくれた御近所さんらしいおばあちゃん。本当だ、遠くに電車が止まってるのが見えます。我が家のような車が何台も来ては引き返したらしい。迂回路も教えてくれました。
しかし何か聞き覚えのある事故だよね?と親と話していたらぴんときた。聞いてて当然。直前にラジオのニュースで聞いとりました。……まさかねえ、それが巡り巡って自分らにふりかかるなんてねえ。
母は前にも永平寺に来た時に、全く別の足止めをくらったことがあるので、「永平寺とはこういう縁なのかしらねえ」と苦笑。
復旧に来ていた職員さんに聞けば、もう動くはずなんだけど、と。引き返して行くにも大回りだし、と待っていたら電車が動きだし、しかし遮断機手前で何故か減速。「いいから動け!」と家族して言っていたら電車はのんびりと走っていきました。のどかだ。
そうして到着、永平寺!寒い!感想それだけかいと言われそうだが、車から降りた瞬間の冷気はびびるに足る。駐車場から寺へ行こうとしたら、ひらりと父の足元に落ちている一枚の千円札。……ここがもし人目のない所であれば。ここがもし寺の前でなければっ。猫ババしたかもしれないことは否定出来ません。しかし家族三人して紙幣を見つめ「……寺の前だしねえ。仏さんの前だしねえ」と苦笑して名残惜しみつつ、駐車場のおじさんに渡しておきました。良いことあるよ〜とその場にいた人全員に言われ、永平寺へ。
大きな杉が立ち並び、地面は苔むして何とも綺麗。まずは歴代の住職が眠るお墓に行ってきました。お墓の形が独特なんですね。円筒形というか。円錐形に沢山のお地蔵さんが並ぶ姿は圧巻。途中、杉のてっぺんで枝打ちしている職人さんの妙を見た。縄一つであそこまで行けるんだね……。
それからちょっと戻って本殿へ。ここでもミラクル。入場券を券売機で買うのですが、おつりが百円多く戻って参りました……え、これは貰っていいんだよね?しかしながら後に、これは永平寺へのお賽銭として母親によって返還されました。返しといた、と言った母親が眩しいです。
一番最初にお坊さんの永平寺の成り立ちに関する説明を聞いた後、永平寺内は本殿だけでなく、日常お坊さんが使っている部分も見学出来ます。随分観光地化された寺だなあと最初は思いましたが、見ていく内に、お坊さんの修行(生活の一つ一つの所作も修行の内だそう)のための場所だなと。だから必然的に古い場所は補修されてコンクリ造りの建物になったりしてるんですが、一方で寺の歴史や教えなどなど、そういった古い部分も一緒にあって面白い。修行のための寺だから余計に。そこここに歴史があって、系列のお寺の住職さんの位牌が並ぶ姿は厳か。
どでかい数珠も、どでかいすりこぎ棒も気に入った。
建物の造りも素敵なんですよ。山の斜面に添うようにして建物があるため、点在する建物を繋ぐのは急勾配の階段。それがまた綺麗でね。その階段を外から見た時の屋根瓦のカーブも綺麗でね。雪止めのために重ねた瓦も綺麗でね。生活感溢れる修行の場所でした。今まで見たお寺とはまた一線を画したような感じです。一度は見に行って損はない。
その日は山中温泉に宿泊。ご飯がめっぽう美味くて凄かった……のどぐろ感動した……あと高畑敦子さん似の仲居さんに感動した。声も顔もすげー似てるの。ご飯共々、また会いに行きたいです。
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