変な絵/雨穴
変な家/雨穴
開かせていただき光栄です/皆川博子


開かせていただき光栄です は2回目。シリーズ3巻目(最終巻)が出たので。初見の時より切ねえな…。いくらなんでも超えてはならない一線を、超えてしまう奴がピンからキリまで?湧いて出るようでは、その社会の仕組みとして限界が来ている。


変な絵のほうはまぁまぁ面白かったが、変な家のほうはイマイチだったな。

依頼人親族同士の探り合いやら血縁がどうこう疑うよりも、施工業者と不動産屋がどう考えても一番怪しいのだが?だって不動産ミステリーだろ?なんで間取り図にベッドやらソファやら机やら椅子が載ってるねん。なんで坪面積が載ってないねん。
面積も幅も長さも縮尺も何も載ってないから、風呂釜とシングルベッドはぼぼ同じ大きさ、という図になってしまっている。これを「奇妙」とやらと言わず何を奇妙というのか?窓の数とか言ってる場合じゃない。そんな家を、世間一般の新婚家庭に購入を見据えて内見させる不動産屋、どう考えても何らかの犯罪に手を染めてるだろう。

不動産ミステリーって言っときながら不動産業も施工のことも全然触れてない。
前提の情報を伏せて謎解きさせるのは謎解きじゃねぇ、後出しジャンケンって言うんだよ。

読む前より読んだ後のほうが謎が深まるミステリーでしたわ。