ツイッターで呟いたもののまとめになります。

A01 糸子教授の人生リセット研究所
始めは写真やビビットカラーで切り貼りしたような強烈な印象の世界観だったんですが、段々とそこへ肉がついて風も吹いて、どんどん光が増してきたなあと思ったのが山口さんの魂胆がわかってからw読んで終わって、じっと手を見る。

A02 アフロディーテーの手
文章が波打つように滑らかだなあ。女性の語り口のよう。二人の会話がキャッチボールのようにテンポがよく、そのぽんぽんと投げていたボールを拾う相手がいなくなって、そして最後には…と言葉の使い方がとても面白かったです。

A03 導かれた先は
お兄ちゃんの得意げな顔が浮かぶよ〜口をとがらせる妹が目に浮かぶよ〜かわいい。類推、推理、とおっ?と思う言葉が次々と。読みながらこの覆面企画を振り返る。情景が丁寧で想像しやすい分、その中に入り込んだ「おじさん」がとても気になりました。

A04 地面に手が生えていた
これまたど直球なwすごいw夜の十一時を回った頃に地面で蠢く手を見ても、平静でいられる自信はないわ…手のインパクトに驚いてお〜となっていたら明かされる手の真実とは。「平静ではいられない」だからこそのお話かなあと思ってまた面白くなりました。

A05 現代人外住宅事情
夜中に読むと心臓がぞぞぞとする。怖い。たたみかけるような怪現象の数々。ひい。これホラーだな、あ〜怖いけど最後どうなるのか知りたいから読む〜で読み進めてなるほどと膝を打ちました。でも打ちかけて全く別の所を打ったような感じ。怖い。

A06 魔女と秘密の88手
「僕」のこのちょっと鼻につくような賢さ、背筋をピンとするような大人風がいい。そうやって構えて見ていた世界を開いたのが魔女なのかなあ。お子と魔女の物語かあ、と読んでいたらもっと尊い間柄になりそうで、更にその先もあるようなので残り八つの手を知りたい。

A07 最果ての巫女
表現が詩的で文字だけでも相当に綺麗な描写。織物のような感じ。多種多様の糸と細工を織り込んで出来上がる、姫と孤城と妖魔の物語。読み終わると夜の気配や、そこに流れる幻想の時間がしっかり自分の中に残っているのがわかる。しみじみ綺麗。

A08 巡り巡って
は〜ナツキちゃんかわいい。遠慮しながら親しみを寄せる、ちょっと大人びてしまった部分をユウさんと一緒に過ごしたことで解かしていけたらいいなあ。語られる周りのことは決して楽しいことばかりではないけれど、その語り口でふっと風船をつけたように軽くなる瞬間がある。

A09 手を貸した話
ちょっとね、途中までね、ビクビクしながら読みましたよね…。独特の形をした指とか夢とか、目の前で語られるような気持ちで聞いていました。そして一瞬、気を抜いた隙に不意打ちをくらうような怖さ。そういえばこういう呪物なかったっけと思いました…。

A10 ハンスと五本指の魔法
古い絵本、それも彩色豊かで本そのものにも魔法がかかっていそうな、そんな絵本を読んでいるような気持ちでした。和む。最後何か落とし穴があるんじゃないかとびくついていたので、良かった!本当に!と諸手を挙げて喜びました。白鹿の根性も最高。

A11 黄昏時にその店は開く
食後に読んでいますが明良ちゃんの作るご飯がおいしそうで。そして店に流れる時間のあたたかさ。ご飯でお腹だけでなく、気持ちまで温まりそう。明良ちゃんのご飯が好きなお客さんも一緒に作っていく店だと思いました。荒んだ心にしみる。