話題:今日見た夢
寝た時間帯が早いのがいけなかったのか、またじわじわ系の不気味な夢見た。


調査2日目は当主の邑雲が集落の集会所に行っただけで何事もなく終了かと思われた。気づかれないよう、三千院家に先に戻っていた晴斗と囃は鼎から連絡を受ける。

「今、彩音と一緒にそっちに向かっている。なぜか私も調査に加われと室長に言われたんだが」
「司令が!?」囃、大袈裟。
「三千院家は女当主だろ?事の真相を私達に話すかもしれんだろうが」

確かに同性なら話しやすいかもしれない。

「鼎さん達、何時頃着くの?」
「夕方だ。晴斗が夜中に見た『それ』、まだわからないからな…」


解析班。朝倉達3人は三千院家と集落の歴史についても調べていた。

「やっぱりね。この村のこの集落…三千院家を中心に怪人との混血が広がってる…。ここ一帯だけよ。全国調べたらこういう集落はまだあるかもしれないけど」
「三千院家はここら一帯の怪人絡みの元締めとも言ってもいいくらいだな」
神はしれっと言う。

「晴斗が夜中に見た光景が鍵かもね。どうやらあの辺り、怪人が出やすい地帯みたいなんだよな〜。土着的な怪人が棲みついてる」


やがて夕方。鼎と彩音も三千院家に到着。邑雲は少し戸惑いを見せていた。邑雲はいつ着替えたのか、制御スーツはまっさらな白いものに変わっているが洋装のまま。

「今度は女性隊員さん2人なのね。見苦しい姿でごめんなさい」
「それなら私もだ。訳あって仮面姿だ…」
「もしかして、仮面の隊員さんってあなたなの?確か…紀柳院鼎さん…」

「私達は1泊だけします。確かめたいことがあるから…。私達4人は明日帰るつもりですので」
今鼎はなんて言った!?晴斗と囃は少し動揺した。この調査に区切りがつくという意味か!?

「客人用の部屋はまだあるわ。茅野、女性隊員さん達に部屋を用意してあげて」
「奥様、わかりました」



晩御飯後。客人用の寝泊まりする部屋はそれぞれ隣になった。男子・女子に分かれた感じ。
晴斗は隣の部屋にいる鼎に聞いた。


「鼎さん、調査に区切りがつくってことなの!?」
鼎は襖を少しだけ開けた。

「晴斗が見た夜中の光景の真相がわかりそうなんだよ。解析班から情報が入った。三千院家はこの一帯の集落の元締め的な家だ。怪人絡み的な意味でな」
「鼎、それ本当か!?」囃も加わる。
「解析班が見せた資料をデジタルデータ化したものだ。見るか?」鼎はバッグから組織のタブレットを囃に見せた。
「なんだこれ…」

「邑雲の旦那の帰りが遅いのも怪人絡みだろうな。朝倉が言っていたよ、この集落一帯には土着的な怪人が棲みついてるとな」
「妖怪みたいなもんか?」
「…みたいなものだろう。とにかく…夜中だな」


21時前に邑雲は風呂に入る。邑雲は茅野と何気ないやり取りをしていた。

「まさか隊員さんが増えるなんてね…。茅野、新しい制御スーツは?」
「ただいま持ってきます。…奥様は人前で素顔になりたいとは思わないのですね…」
「八雲と出雲を高校卒業までは違う制御装置でなんとか持たせたものの、その反動で今は家族の前でもこの姿…。結婚当時の写真は素顔ですが、式自体は制御スーツでしたからね…」
「今すぐスーツ持ってきます!」

茅野は邑雲の制御スーツ部屋へと急いだ。


「使用人の茅野さん、絶対何か知ってるだろ」
突然切り出したのは囃。
「確かに…。邑雲さんと一緒にいること多いし、なんか風呂の時に邑雲さんは茅野さんにスーツ持って来させてるよね」
晴斗も気になっていた模様。

「なんかバタバタしてるな」
「茅野さんかな?制御スーツ取りに来たみたい」

「…邑雲さん、これから風呂かもな…」


邑雲は1番無防備になる風呂を警戒している。制御スーツがない状態なのでもし、暴走したら…。邑雲は入浴時、腕輪型の制御装置を着けている。効果はスーツほどではないが。


そして夜中。晴斗はやっぱり寝つけなかった。鼎も落ち着かないのか、起きている。
鼎は小声で隣室の晴斗に声を掛けた。

「晴斗、寝れないのか?」
「鼎さんも?」晴斗も小声。
「さっきから庭か?足音がするのだが…」
「見張ってるよ」


足音の主は邑雲。邑雲は旦那と何やら話をしている?


「邑雲、今日の収穫持ってきたよ。食べなさい。君はこれを食べないと人の形をだんだん保てなくなっているのだから」
邑雲は何やら骨つき肉らしきものを貰う。化け物の肉にしか見えないが…。

邑雲は何の躊躇いもなく白い制御スーツ姿のまま、食べた。マスク越しに食べている…。貪り食べている姿は異様。
「邑雲、マスクが汚れているよ」旦那が邑雲の口元を拭いている。


鼎は確かに見た。あの邑雲が食べているモノは…怪人の肉…。邑雲は人が変わったかのように食べているんだ。
鼎は思わず部屋の外に出た。

「何を…しているんですか…」
「あら、まだ起きてたの?」
「なかなか眠れなくて。足音が聞こえたから見たら邑雲さんがいたので…。それは一体何ですか…。邑雲さんが持っているモノです」

「怪人の肉だと言ったら?」
「どういうことなんだ?」


「私は夜な夜なこの肉を食わねば人間の形を保てなくなりつつあります。八雲と出雲が高校卒業してからは毎日のように…」
「制御スーツのマスクが汚れても気にしないのですね…。スーツの白い手も汚れているのに。制御スーツ部屋に大量に予備があるのはこのためか」
「えぇ」
「これ以上、邑雲に関わらないでくれないか」
「盗み聞きしたつもりはないが、お前が怪人を捕って喰わせていたのか…」
「邑雲には人の姿でいて欲しいんだよ。素顔はしばらく見ていないが…」

「素顔は見せられなくなってしまったから…。ごめんなさい」
「食事の時もマスク越しに食べているものな…。ゼノクスーツのマスク専用器具がなければ食事すらも出来ないのに…」
「もう、慣れましたから」


晴斗は午前中、囃と一緒に村の小中学校に少しお邪魔していた。ゼノクスーツの児童・生徒が多い学校ではどうしてるのか気になったから。

わりと分け隔てなく接していた。体育の授業中・給食ではマスク専用器具装着でマスクに開口部を開けてあるが、治療・制御スーツの子には無理させないようにしてある。


晴斗は邑雲の話を聞いててなんだか可哀想だと感じたが、村のスーツ姿の子達は恵まれている環境にある。

現に、この村の小中学校出身のゼノクスーツ着用者が高校のインターハイに出場し、上位に入った人もいる。制約がある中の入賞はスーツ着用者に希望をもたらした。


数日後・本部。

「結局よくわからかったんだな。全国の集落にはまだあるかもよ。三千院家がその集落の元締めってのと、村の小中学校にゼノクスーツの子が多いのも怪人との混血由来か定かじゃないが…。邑雲は怪人の肉を食わねば人間の形を保てなくなってるのは可哀想だが」
「結局なんだったんだよ…」
「晴斗はビビり散らしていたよな」
「邑雲さんが怪人の肉食べてるところ…ホラーだよ!?」

確かにな…。あののっぺらマスクで貪り食べているところは怖い。


「三千院姉弟はどうだったんだ?」
「鼎、安心しろ。八雲の症状は治まったよ。一応制御スーツと予備スーツは持って行ったが、母親ほどではないから大丈夫だろうよ」


この任務…なんだったんだろう…。ただただ不気味としか…。



オチなしかい!三千院家が集落の元締めってのはなんとなくあった。
あととにかく邑雲が不気味すぎるのが。