話題:今日見た夢
やったら生々しかった上に不気味で。じわじわ系だったのだが、悪夢未満かなぁ…。


成り行きで三千院家に泊まることになった晴斗と囃。晴斗達は客人用の部屋で一夜を明かすこととなった。携帯の電波はあることから連絡は出来る。
晴斗と囃は小声で会話。まだ寝るには早い。部屋でくつろいでる感じ。


「暁。この家…ってか、邑雲さんかなり怪しいよなぁ」
「旦那さんが帰ってきたのもそこそこ遅かったよね。気になったのは邑雲さん、どのタイミングであのスーツ着替えてんだろ。晩御飯ご馳走になった時も着てた…」
「風呂じゃねぇの?流石にスーツは脱ぐだろ、風呂だと。着替えするのも自然だし」


まだ21時前。邑雲は茅野に「これからお風呂に入りますので新しい制御スーツを持ってきて欲しい」と頼んだ。茅野は当たり前のように持ってくる。脱衣場で物音が。

「茅野、私が入浴中…警戒しておいて下さい。隊員さん2人が変に動かなければいいのですが」
「そこは大丈夫ですよ。奥様は入浴後、すぐお休みになられますか?」
「いえ…例のやることがありますよ。夜中にね」

風呂場の戸が開く音がした。


晴斗と囃は邑雲が入浴中、屋敷を一通り見ることにした。夜なせいか、不気味さが増している。三千院家は実質邑雲が当主のような感じ。離れは姉弟のスペースなんだという。

「この屋敷…庭も広いな〜」
「暁、感心してる場合か!どうやら今は邑雲さん、風呂らしいからチャンスだぞ」
「旦那さん、家にいるんだよね?気配ないよね?」
「どこにいるんだ」


2人は茅野が見せた邑雲の制御スーツが干してある部屋を見た。白いゼノクスーツが干されている画は異様。


「この部屋絶対怪しいよね…」
「暁、入っていいのかよ」

「茅野さんが言ってたけど、邑雲さんは制御スーツ干してるところは見られたくないからここにしてるって。あれ?このスーツ、口紅風の印刷がマスクにしてある」

「外出用なんじゃないの?」


あまりにも人気がないのが不気味だが、客人用の寝泊まりする部屋と三千院家のパーソナルスペースは離れている。邑雲の制御スーツ部屋はその中間。


やがて邑雲が風呂から上がってきたらしい。足音が聞こえる。

「ヤバい、邑雲さん風呂終わったっぽい」
囃、慌てる。
「この部屋の隣に避難しよう。隣は空き部屋なんだよね」
「よし、行くぞ」

2人は制御スーツ部屋の隣の部屋へと逃げた。この空き部屋の隣が客人用の部屋。やがて制御スーツ部屋に邑雲が入ってきた。


晴斗と囃は襖をものすごく細く開けて邑雲の様子を見ている。寝る時は着物じゃない、ラフな格好だがスーツの上から服を着ているのでシュール。


邑雲は乾いた制御スーツを取り込み、畳んでいる。独り言が聞こえた。
「スーツは身体の一部だけど…窮屈だわ」
「邑雲、ここにいたのか?」

部屋に入ってきたのは邑雲の旦那。名前は…何だっけ。

「寝る時くらいそのスーツ脱げばいいのに。嫌なのか?」
「嫌。いつ強力な反応が出るのかわからないんだから」
「お前の素顔、しばらく見てないよ」


邑雲は意外と年齢が若い気がする。声が若い。40代は行ってなさそう。30代後半くらいか?
邑雲は家族の前では素顔を見せるという情報は違ったらしい。家族の前でもあの白い制御スーツ姿のまま。


やがて2人は部屋を出た。晴斗と囃はヒヤヒヤしながら小声で会話。

「夜の邑雲さん、めちゃめちゃ怖く見えた…」
「マスクがのっぺらだからそれもあるぞ。何か用意していたな」
「用意?」
「暁お前見てなかったのかよ。部屋出る時に外出用らしき制御スーツを持って行ってた。明日は邑雲さん、外出するかもな」


深夜。晴斗はなかなか寝つけなかった。なんとなく障子を少し開けて縁側を見る。囃は寝ていた。
晴斗は外から物音が聞こえていたのを感じた。物音?ここは山奥だ、動物かもしれない。
晴斗はじっと耳を澄ました。音はジリジリ近づいてくる。庭を歩く足音。晴斗はなんとなく庭を見た。足音の正体は邑雲。

邑雲は何かをしていたが暗くてわからない。何かをむしゃぶりつくように食べている?旦那も庭で何かをしていた。旦那もかなり怪しい…。
晴斗はびくびくしながらその様子を見ていた。三千院家は何かある。夜な夜なしているのか?


翌日。晴斗は寝不足。囃は快眠。

「晴斗、お前寝れなかったのかよ」
「なかなか寝付けなくて。あと深夜に気味悪いもんを見た。暗くてわからなかったけど…邑雲さんかな?何かを庭で食べていたんだよね。獣食いみたいにしてさ…。その人、白い制御スーツだったからたぶん」


そんな微妙な空気の2人に解析班から連絡が。

「ごめん、囃さん。こんな朝早くに連絡しちゃって。解析班の朝倉だよ」
「朝倉?おぅ、おはよ。何かわかったのか?」

「三千院家ヤバいわ。組織のアーカイブ施設にも行ってみたのよ」
「岐阜のルノクか?」
「うん、そこ。そしたら明治時代の文献に三千院家の女と結ばれた鬼の話があったのよ」

「鬼?」
「昔は怪人も妖怪や鬼と同等に扱われていたみたい。不可解なのはここからよ。当主の邑雲さんの旦那さん…擬態型怪人の可能性があるのよ。それもかなり知能の高い種のね」
「はぁっ!?」

つまり、三千院家は怪人との混血。しばらくして血が薄くなったところに邑雲が今の旦那と結ばれたことによって、さらに混血のハイブリッドが出来たってこと!?


「邑雲さんの謎行動も調べたわ。夜な夜な弱い種の怪人を食べてるらしいの。旦那が提供してるんだと思う」

「それで頑なに素顔を見せないのか」
「でも八雲さんと出雲さんの三千院姉弟は母親ほど怪人の血は強くないから、反応は薄い方なのよ。八雲さんは制御装置あった方がいいかもしれないけどね…」

「もしもし〜、囃?晴斗と一緒に三千院家の調査続行よろしく」
この声は宇崎!?朝倉から変わった模様。

「もしかしたら三千院家どころか、集落規模になるかもしれないんで気をつけろよ」
「集落規模!?」
「今、解析班が急ピッチで調査中だ。3人はほとんど寝てないから感謝せい」


その日の邑雲は洋装。あの口紅風の印刷がマスクにされた白い制御スーツを着ている。つばの広い帽子を目深に被っている。

「奥様、今日はお出かけですものね。どうぞお車へ。隊員さん達はそのままで良いのでしょうか?」
「彼らは調査しているのでしょう?いずれにせよわかるわ」
「今回の場所は集落の集会所です。奥様のような制御・治療スーツの方々とお話される貴重な機会ですよ」

車は集落へと向かった。


某村のとある集落。晴斗と囃も後を追ってきた。

「この村のこの集落だけゼノクスーツの人達多くない?なんか若い人ばかり…。通りすがりに子供もいたよ」
「なんなんだ、この集落は…」


この集落、なんだか異様に見えるのだが…。囃はある場所に車を停めた。集会所の駐車場。茅野の車はそこに向かったため。
時間帯が早かったせいか、通学中の児童や生徒が見えるが…ちらほらとゼノクスーツ姿の子がいる。児童達は遊びながら登校していた。

都市部では見られない光景。都市部だとゼノク治療・制御スーツの児童や生徒はいじめや差別のターゲットになりやすいのだが、この集落は皆無。


「集会所に邑雲さん入って行ったぞ。暁行くぞ」
「囃さん、待ってってば」

晴斗は慌てて追いかける。2人はそっと集会所に潜入。そこには異様な光景が。


集会所の広間にいたのは全員ゼノクスーツの人達。さながらゼノクの縮小版。邑雲と茅野は話を聞いたりと歓談している。
集まったのは若い人達ばかり。女性が多め?スーツが全身を覆っているためわかりにくいが、シルエットや立ち振舞いで女性が多いとわかった。

「この集落は怪人と結ばれた人達が多いと聞いてます。私もそのひとりです」
「邑雲さんもですか!?」

「人前ではこのスーツなしでは強力な反応が出る可能性が高い…。最近はスーツのバリエーションも増えたのですね」
「お洒落している人もいます。パステルカラーは合わせやすいですよ」


「それにしてもなぜ、怪人の血が濃いのは女性ばかりなんでしょうか…」
「わかりません。三千院家でも娘の八雲が血が濃い傾向にあります。彼女は色々と制御装置を試していますが…」


ゼノク。八雲は制御装置を試していた。弟の出雲は反応がかなり軽いため、ゼノクスーツは着ていない。西澤は懸命。

「腕輪型・指輪型・ネックレス型と色々試してみたが…。母親と同じくスーツ型が1番しっくり来るなんてな…」

「確かにスーツ型が1番落ち着きます。まさかお母さんと同じになるなんて」
「今の制御スーツはバリエーションも多いし、お洒落も出来るよ。制約はあるけどね。症状が落ち着くまでゼノクにいることになるが、いいかな?君の母親は制御スーツに慣らすためにここに入れたんだと思うよ」


解析班。朝倉・矢神・神は古い文献を解析していた。

「この集落…昔から怪人との混血があるわね。だから人里離れたところにひっそりといたんだわ」

「三千院家はかなり複雑だな。明治時代に怪人と結ばれたのは確かだが、まさか現当主の邑雲も怪人と結ばれていたなんて。擬態型怪人の中でもかなり知能が高い種だからわかるはずもない」
「神さん、知能が高い種は怪人態にならない特徴があるわ。そりゃあわからないわ〜」
「邑雲が頑なに素顔を人前に見せないのは何か別にありそうだが。晴斗が夜中に見た異様な光景は何を示すのか…」

神は晴斗が見た異様な光景がどうも気になっていた。邑雲は何を食べていたのか?なぜ夜中?



不気味さ増し増しになってる…。あんまり怖くはないんだけども邑雲の行動が不気味というか…。

夜な夜な一体何をしてるのか…。
人前では常に白い制御スーツ姿なだけに、夜は不気味さが増している。和装よりは洋装の方が怖くはない。


三千院家どころか集落規模になってるのがな…。この村のとある集落には闇がある。
悲しいかな、娘の八雲までスーツ型が合致してしまったか…。


晴斗の反応が極端すぎ。囃はどこでもすぐに寝れるだけに、晴斗は羨ましく思っている。