堺雅人はすっかりワタシの贔屓の役者だ。
どんな役でも入り込んで、その役の人に見えるのに、彼独特の味はちゃんとある、そんな感じ。
「オードリー」の時は真面目なタイプの役者って認識しかなかったのに「新選組!」で落ちました、多分。
映画の話。
主人公(直之)のタイプから堺さん選んだ感じ。
彼の演技や雰囲気に合い過ぎなくらいの役所。
そろばんの正確さと帳簿の追求の深い生真面目タイプ。
つまり世渡り下手の出世とは縁遠いタイプ。
そんな生真面目さから疎まれ左遷されかかるが、それがゆえ大逆転で出世。
しかし家計は火の車
息子の祝いは絵に描いた睨み鯛、そして家財の大整理を行う(この辺りが予告編でよく使われた辺り)
成長した息子が昔を思う形でナレーションで進む。
爺ず(中村雅俊・西村雅彦)はいかにも平和な江戸時代の侍。
中村さん演じる信之は江戸詰めの頃の手柄を一生の自慢にしてるし、西村さん演じる与三八も孫のいい爺様だ。
このふたりの演技が一番テンション高かった気がする。
松坂慶子が演じる信之の妻・お常ものほほんとした普通の侍の妻。自分にとっての宝物の友禅の小袖を大切に大切にする。中村雅俊や松坂慶子がもう爺様ばあ様演じるようになったんだなぁ
一風変わったのが草笛光子が演じる曾ばあさん。
趣味が数学!
猪山家の仕事・御算用者は先祖代々の勤めであるが、堺さん演じる直之の数学の才能はおばばさまの隔世遺伝かもしれない。
直之の妻・お駒を演じるのは仲間由紀恵。貧乏生活さえポジティブに楽しもうとするしっかり者。
大騒動の末、家財を売り払い借財にあてるがまだ足りない
その分を無利子だが確実に十年で返すということで商人と折り合い、かくて猪山家の壮絶な倹約生活が始まる。
しかし物語は十年では終わらない。
その年月の流れを金沢の四季と息子(成之)の成長で表す。
息子は成長につれ、武士であること御算用者であることに悩んだり、父親にそろばんを仕込まれ家計簿を任されたり、父親の勘定に関する固執に怒りを覚えたり、幕末を迎え父親と離反したりと時の流れを見せてくれる。
その間、直之は実直に勤め、息子を御算用者として教育。
特に教育に関しては家計簿における息子の小さな不正も許さない。激しく怒ったのはその場面だけではなかろうか?
幕末すら泰然と過ごし、時代の変換期に気負い立つ息子に離反されるが明治に入り息子と和解し静かに天寿を全うする。
…しかしワタシが「龍馬伝」で疑問に思ってた、時代の主役じゃない普通の人々の生活がそこにあった。
加賀藩の下級武士一家の幕末、それは地味で堅実で、けれどとても愛しい人々だった。
キャストの中、御算用奉行・重永様がもの凄いタイプ、つか知ってる大好きな役者、でもまさか…!?と思ってたらまさかの茂山千五郎様でした
びっくりしたわ〜
四季、特に冬を表す金沢城がとても綺麗
何度も出てくる橋がかかった堀川はやっぱり八幡掘。
金沢は昔の趣の残った良い町ですが、ロケ地は金沢城しかわからなかった
パンフに載ってたムック本買おうかな。
このパンフレット!
「ヤマト」より高い
装丁凝り過ぎ
そろばん型なんだよ〜
片付けにくいわぁ〜
余話
映画館のモギリのにーちゃんとか、一部スタッフの上着が「ヤマト」のコスチュームだった
でもパンフ売り切れは「Bleach」だった。