Part-time LoverC


話題:えっち。


隙を見せ過ぎたと反省している神田です

共有する時間が長いとこういうことになるのは過去から学んでいた筈なのに‥

知らないうちに会話に飢えてたんだな

だから遠ざけることができなかった

男女が仲良くなれば会話の内容が際どいものとなるのは至極当然のことで、でもそのギリギリ感を楽しみたかっただけなんだよ

相手も同じだと思っていた


アルコールの勢いもあったんだろうな

若い女が自ら谷間を見せるなんて普通の精神状態では考えられない行為

これ以上のことはさせたくなかったから「わかったわかった、俺が悪かった」と言ってその女をお姫様抱っこしてベッドに運んだ

ベッドに体は着地しても女は俺の首に回した腕を解こうとはしなかった

逆に手首に力を入れたのかな、俺の頭が女の額にごっちんこ

2人で笑ったよ


女は着地した地点から少し奥にずれて、それまでいた辺りを手で軽くポンポンと叩いた

隣に来てのサイン

そこでまた走って逃げればよかったのだが、まだ笑いの余韻が残っていたため逆らえなかった

自然と女の首の後ろに腕が行き腕枕状態に

顔と顔が近づいた

「お酒臭いかな」と女は言ったが、それはお互い様だと答えた

すると女は突然俺の唇に自分の唇を当ててきた

ここでも逃げ出そうと思えば逃げ出せたんだよ

だけど俺は行動に移せなかった

そのキスも挨拶程度の軽いものだったから

だが次のキスは違った

唇の間が少し空いているのにちゃんと気づいたのに、もう逃げられなかった


女は足元にあった毛布を首のところまで引っ張ってきて、毛布の中で何やらもぞもぞ動いていた

ちらりと肩が見えた時に、そこにあった筈の紐がなくなっていた

準備完了と言わんばかりに女はひとつ深呼吸をして「確かめてみて」と言って俺の手を毛布の中に引きずり込んだ

指の先が柔らかいものに当たった

手のひら全体で触ってみると、柔らかい部分が結構な面積を占めているのがわかった

「普通に揉めるでしょ?」と女の声が

うん、と答えたが、それよりも皮膚表面のしっとり感に驚いた

久しぶりに触った同年代の女の胸

ピチピチとはこのことだ!

指が小さな突起に触れた瞬間女はビクッとして「ひゅん」という息を漏らした

くすぐったかった?と聞くと、女は笑顔でこっくりと頷いた

俺は女の肩に顔をつけて、手はしばらくの間柔らかい胸を触り続けた



この先は記憶がない

不覚にもと言うか幸運にもと言うか、その日はやらなかったみたいだ

朝になって起きてきた女が「寝ちゃうんだもんバカ」と言いながら、洗顔中の俺の横を通り過ぎてトイレに向かった


つづく‥かも



Part-time LoverB


話題:おっぱい

おっぱい大好き人間なのに、おっぱいの話をするのは苦手な神田です

いやホントは得意なんだけど、それは男同士で話す時限定

女子と面と向かっておっぱい談義をするとは思ってなかったので、この時の俺は普段の俺じゃなかった

エリが、貧乳には人格が無いようなことを言いまくるもんだから、そんなことないだろ?と反論したのが始まりでね

そんな身体的特徴をあれこれ言及するのは子供っぽいと思っていたし、すべての男が巨乳好きという訳ではないこともわかっていたし‥

だが「じゃあ神田マンは、彼女が貧乳だったら付き合ってた?」と聞かれた時に、すぐに「もちろん!」とは言えなかったんだよ

そんなこと聞かれるとは思ってなかったもんでもごもごなってるうちに、「やっぱり胸はないよりはあった方がいいでしょ?」という結論に持っていかれた

確かに、おっぱいは揉むだけじゃない

着衣フェチである俺としては、服を着た時のその辺りの形状が気になるのは事実で‥

多少高額でも、N女史には服を着た時に格好いい形に見える下着を買うよう勧めてたし‥

だから俺自身はエリの意見に反論する必要はまったくないわけで‥

だけど、大いにあるというほどのサイズを持たないこの細身の女が貧乳を悪く言うのは、どんぐりの背比べなんじゃないかって思ったんだなあ

だからどこかでギャフンと言わせなければと、そのチャンスを虎視眈々と狙っていた神田


過去、何人に告白されたとか、どんな相手と付き合ったとかの暴露合戦になった時に「こんなに話が合うんだから、大学に入る前どこかで会ってたら、私達付き合ってたかも知れないよね」とエリが言った時にそのチャンスが訪れた

「貧乳好きだったら好きになってたかもね」と言ってやったのだ

エリは一瞬絶句したようだった

だが、この女は多少のことでは怯まない

毒舌なだけに、相手の発言をかわすテクニックも持ちあわせている

でもこの時は、ワイングラスを口に持っていった後には「ホントに負けず嫌いなんだから‥」と呟いただけで、その話の続きはしなかった

「あとで見てなさいよ」と思ったところまでは読めなかったのが俺の失敗



つづく


Part-time LoverA


話題:ほんのりえっちなお話。


エリの身の上話は暗いような重たいような‥、そして「遊んでくれ」というのは自分勝手のような気がしたが、その時はどう返事していいのかわからなかった

なので、この変な雰囲気を断ち切るために、エリを近くのパスタ屋へ連れて行った神田

そこで好きな物を食わせて酒も飲ませれば、明るい気分になって少しは違う話ができるかと思ったのだ

店内では、運ばれてきた料理の味が気に入ったのか、学校近くのパスタ屋や別の店の話をしたり、エリの得意の同性中傷話に花が咲いた

だが店を出て帰ろうとした時に「腕組んでもいい?」と言い出したのだ

周りにはカップルが多くてね、そいつらのほとんどが手を繋いでいたり腕を絡めていたのだよ

軽井沢で同じことを言われた時は「1回5百円」と言ったら「うわっ、有料!?」というようなやり取りをして楽しかったのだが、この時は何も言えなかった

何も言わないというのはオーケーでもノーでもないわけで、手をポケットに突っ込んだ状態の俺の右腕をエリは掴んできた

「だって歩くの速いから」と呟きが聞こえた

〜(中略)〜

ベッドにはきれいに洗ってあるシーツを敷き、カバーが見つからなかったので枕にはバスタオルを巻いた

「寝ていいぞ」と言ったら、エリがそれまで着ていた服を脱ぎ始めたので、部屋から一目散に逃げ出した神田

だが後ろから追ってくる足音が!

振り向くと上半身下着姿の女がいた

俺が突然止まったがために、必然的にエリを抱き止める形に!

動きを止めたエリはキャッとかなんやら発していたが、恥ずかしそうにするでもなく急に『だっちゅうのポーズ』をとり、「ほら、あるでしょ?」って言ったんだよ


つづく



Part-time Lover


話題:友達以上恋人未満


昨日は涼しかったので時間を忘れて草むしりをしてたら怒られちゃった神田です

電話が鳴ったもんで出たらいきなり「神田マンの午後とは何時のこと?」と女の不機嫌そうな声が(^^;)

時計を見ると15時を少し過ぎてた

大慌てで支度して、その声の主を迎えに行ったよ

ピンポンを押したらきれいな御婦人が出てきて、「あら、あなたが神田マン?」と

家でも神田マンって言ってんのかとおかしくなって笑い顔で「はい」と答えると、「神田マンが迎えに来たよ〜、早くしなさ〜い」と家の中に向かって叫ぶその御婦人

すると奥の方から手提げ袋を持った見慣れた女が現れた

「今日泊まるかも知れないから晩御飯いらない」という声がして「えっ!?」と驚いたが、「うん、じゃあ気をつけて」と落ち着いた口調でその御婦人が言ってたから、あ〜俺とは関係ない話かと思っていたら、近づいてきた女が耳元で「今日泊めてね」と囁いたのだ

再び「えっ!?」と驚いたが、袖を引っ張られて道の反対側に停めてあった車まであっという間に強制連行されてしまった

玄関先でさっきの御婦人が手を振っていたので、軽く会釈をして車に乗り込むと、先に乗っていたエリが「今日は家にいられないの、ゴメンね」と言ったのだ

〜(中略)〜

昨日は遅い時間からのスタートだったために道路の混雑に負け、郊外まで行った時には外が薄暗くなっていた

「ほんとは横浜に行きたかったのになっ」と言うエリに対して「ごめんよ」と言うしかなかった神田

頭の中でずっと、今日どこに泊まるつもりなんだよコイツ‥、という台詞がぐるんぐるん回っていたから

その問題が解決しないとまともな会話ができないと思って、今日泊まるってどこに?と聞いてみた

するとエリは「ホテルでもいいし、神田マンちでもどこでもいい」と答えた


あっそう、とだけ発して、俺は来た道を戻った

エリを泊められるのは神田家(実家)か別荘(空き家)しかない

そのどっちがいいかを尋ねても、さっきと同じような返答になるだろうと思ったので、取りあえず草を抜いて庭をきれいにした別荘にエリを連れて行った

〜(中略)〜

2人でお茶を飲んでいたらエリが突然「今日はうちに男の人が来るの」と言ったのだ

エリの親父さんは北関東の方に単身赴任していて、いつもは家にはいないことは聞いていた

男の人って?と聞こうとしたと同時に「母の職場の人なのかな、たまに来てお酒を飲んでくの」と

両親の仲があまりよくないのかもと思って「そうか、それでか」とだけ答えておいた

それからエリは身の上話をし始めた

子供の頃から今までのことを、たまに冗談を交えながら比較的明るい口調で

そして、何年もの間ずっと忘れたくても忘れられない、お母さんから言われたという言葉を発したのだ

『あなたを作ろうとは思ってなかったし、産むつもりもなかった』

エリ家には年の離れた兄と姉がいて、そこでもう子供は打ち止めの筈だったのが、自分ができてしまった、という話

だからか、上の2人と違って手を掛けられずに育てられた、とも言っていた

その話と男の人が来るという話に共通点があるのかどうかはわからなかったが、俺が何か言うには材料が不足していたため、その時は「そうか」としか言えなかった

暫く沈黙のあと、「彼女と遊ばない時だけでいいから私と遊んで!」とエリが言ったのだ


つづく


東野なんとかの小説にあったな秘密って


話題:秘密


軽井沢で野菜をたらふく食ったからか腹の調子がよくなってきた神田ですブリブリ

3連休最終日の今日は、午後からまたドライブゴーゴー

昨日もエリから『遊ぼうメール』が来たのだが、その日はもう草むしりをやると決めてたもんで断ったら今日にスライド

午前中から出られるとは聞いていたが、草むしりもまだ途中だったし、休みの日は仕事の準備をしなければならないため、なんとか午後からにしてもらった

「こんな可愛い娘が誘ってるのに断るなんていい度胸してるよね」と言ってたな

自分のことを可愛いと言うのはいかがなものかと思うが、実際エリは誰からも可愛いとか美人とか言われているようだ

エリが入部してきた時、野郎共がざわついたからね

3年生になってから入部するってのも稀なことなのだが、エリは自転車を本格的にやるって雰囲気じゃなかったのだ

体全体が細くて体力があまりないような感じだったから

なので入部の動機を聞いてみると「友達が少ないから、みんなでワイワイやりたい」と答えた

それはそれで真っ当な動機だと思ったし、友達が少ないに関しては俺も似たようなものだから、その後似た者同士でよく行動を共にしていたのだが、ある日「私には素を出してくれない?」と言ったんだよ

素?俺、普通に接してるけど?と答えたのだがエリは「神田マンには秘密があるでしょ」って言いやがった

‥秘密‥

確かに高校時代からの友達や今の学校の友達に話してないことがある

それは俺が既婚者であること

だが彼女はいると言ってあるので、そこは問題ないと思っていた



滅多に飲み会には出ないし、休日の練習にもあまり顔を出さないから何か秘密があると思ったのかなと思って色々と説明したんだけどね、「なーんか違うんだよね。神田マンだけ他の人となんか違うの」とエリは言う

秘密なんてない!と言ってしまうとバレた時に嘘だったことになるから「じゃお前、俺の秘密を暴いてみろよ」と言ってみた

エリは「そう来たか。面白くなりそー」と言って笑っていたのだが、それからだな、メールが頻繁に来るようになったのは

だから強引な遊びの誘いも、俺の秘密を探るのが目的なのかも

そう考えると楽しくなくなる

今の俺には、エリが、一番仲のいい友達になっているから

結婚していることをバラしてしまうと、エリはもちろんのこと、他の友達も俺から遠ざかって行くような気がするんだよね

だからバラせない

ま、秘密があった方がミステリアスでカッコいいよな?笑

ミステリアス‥アクエリアス

うん、似てる

今日どこかでこのフレーズ使おうっと



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