制御不能


話題:ぎゅー


今日も体調がすぐれない神田です

寝室と食卓を往復するだけの一日

だが昨日と違い、たまに笑顔を見せられたと思う

食事中はちゃんと美味しいとも言えたし、回復してからの遊びに行きたい場所の話もできた

でも長時間は座ってられなくて…


夏期講習中はまるで家政婦のような扱いで、その夏期講習が終わった直後からは病人の世話を強いている

夏休みはもっと楽しいに決まってるのに

まともに相手ができない不甲斐なさ、でもどうすることもできないもどかしさを感じながら布団の上に腰を下ろした

白い手が俺の額を覆う

「まだ熱あるみたい」と囁く女

俺は、「寝ていいよ」と優しく言って立ち上がるそぶりを見せた女の腕を掴み、自分の方へ引き寄せた

ごめんよ、と言った時には既に彼女を抱きしめていた



あんまり覚えてないけど、何度か唇も重ねたと思う

しかも自分から

非常にマズイ展開



キス魔


話題:ちゅう、ちゅー


早くも夏の疲れが出た神田です

午前中はずっと横になっていた

独りではないので会話をしなければと思っていたが、言葉が思い付かなくてね

何度かあった食事中も、作ってもらったにもかかわらず、美味しいという一言が言えなかった

そして腹が満たされるとまた横になる

時間だけが過ぎて行った




窓の外が暗くなった頃に目を覚ました時、横に何かがいた

「起きる?」と声がしたが、目は開けていても脳が起きてなく、その言葉にも反応できなかった

だが、何かしら意思表示をしなければならないと思った俺は、白っぽい物体にキスをした

済まない気持ちのキス





白い物体は正座をしていたイケイケの膝だった

それはまあいいんだけどさ、自分からキスしに行っちゃったのが失敗と言うか赤面MAX

しかも「唇荒れてるね」という言葉の後に俺の口元に近づいてきた細い棒みたいな物にもキスしちゃって…

それは彼女の指だったのだけども、キス魔になってしまった自分が恥ずかしいったらありゃしない



青春18おっぱい


話題:おっぱい


塾に戻るとイケイケが待っていてくれた

皆と打ち上げの焼肉大会に行くように言ってあったので驚いた

そして更に驚くことがっ!

「お疲れ様。何か凄く疲れた顔してるね」と言った後、イケイケは俺を抱きしめてくれた

抱きついてきたとは少し違って、既に座っていた俺の頭に手を回して、自分の胸に顔を埋めさせてくれたのだな

この時、息ができない程の圧力と谷間の存在は感じられなかったが、弾力のある物体が頬に当たり、ついでにいい匂いがした

すぐに離れようとすればできたと思う

でも別に俺が積極的に抱きついた訳ではないし、どっどど同棲してるのだからいいかと思ってしまった

暫くそのままだったが、「先生、おっぱい好きだもんね」と上の方から声がした時に素早く離れた

性欲は減退しているが、確かにおっぱいは好きだ

だがそれを指摘されると恥ずかしくなる

なので否定する必要はないとは思ったが、おっぱいだけを好む男ではないことを証明するために、この時は証明できると思って、唇に軽くチューしてやった

イケイケは目を細めニコニコ顔になった

ふと、またこれ、親に報告するんだろうなと思ったが、やってしまったことはしょうがないと諦めた


夏期講習も終わったことだし、来週また台風来るんだろ?

台風来てる時は家から出られないからマズイ

バグとチューしちゃったら次はアレだよな?

逃げられるだろうか…

窮地に陥った神田でした



アホ過ぎる


話題:ムカつく!

今日は夏期講習最終日

暑いもんだから体力をセーブして、夜の大焼肉大会及びカラオケバトルに臨む気満々だった神田です

ところが…

爺の施設から、爺が系列の病院で診察を受けることになったと連絡があったのだ

俺に同行してくれとね

急に何が起きたのかわからなかったのだが、とにかくすぐに病院に向かってくれと言われた

どこの病院か尋ねると、施設からほど近いK病院だと教えられた

科はどこかと尋ねると循環器科だと

心臓に何か異常があったのかと思って、嫌だったが出掛けた

K病院の駐車場に入る車の列に並んでる時にまた施設から電話が掛かってきた

「すみませーん、M病院の間違いでした。血管外科です」と

は?お前何言ってんだコノヤロー!間違ってたならもっと早く連絡よこせよバカか!と言いたい気持ちをぐぐっと抑えたよね

M病院の場所がわからなかったので、そのままK病院の駐車場に入り、受付でM病院の所在地を聞いた

だが受付の女、そんなこと聞かれるとは思ってなかったのだろうね、「あそこの壁に系列病院一覧表があるので、それをご覧ください」と言った

何言ってんだアンタ!それでよく受付が務まるな、と思ったが、時間がなかったので一覧表を見に行って電話番号と住所を写した

車に戻りナビに打ち込む

だが、ナビが古くM病院が出なかった

こういう時スマホを持ってないのは辛いやね

塾に電話してM病院の所在地を聞いた


〜中略〜


M病院に着くと見える所に爺がいた

施設のナースが付いてくれていたが、この病院は初めて来たのでよくわからないと言う

初めてのナースを爺に付けるとは施設のバカさ加減は相当なものだと思った

加えて、頻繁にトイレに行きたがる爺

理由を聞くと、利尿剤を飲ませたとのこと

出掛ける予定のある年寄に利尿剤飲ませる神経を疑った

血管外科なら足の浮腫(むくみ)が酷くなったから連れて来たのだろうが、そんなに急を要する事態だったのか聞くと、「指示を受けただけなのでわからないんですよね」と無能ナースの返事

もうここでこの女と喋るのやめようと思った




車椅子生活では足を下ろしている時間が長くなると、足に浮腫が出ることがあるのよ

それが今回酷くなってボールみたいにパンパンになってたから、施設のお医者は専門医がいる系列の病院で診察を受けるよう指示したのだろう

診察を待ってる間に爺の足を触ってみたが脈があった

血栓も無いようだったので大したことないじゃないかと思ったよ

施設のお医者もバカなのだろう

その後専門医も大きな病気に繋がることはないでしょうと言ってくれた

この病院作業が終わったのは午後だった

朝メシを早く食ってるから腹が減っちゃってね

爺の施設に行ったが、受付の女に飯食ってきますと伝え車に戻った

と、そこに今度は爺の奥さん担当の責任者が現れた

この女は自己中で空気が読めない頭の悪いやつなんだよ

「ちょっといいですか〜。奥さんのことでお話ししたいことがあるので、すぐにお願いします」と言った

さっき受付の女に飯食ってくるって言ったのに、ここで呼び止められるとは思わなかった

コイツの話は長いんだよ

ちょっとじゃ済まないんだよないつも

このバカ女の話が終わったのはそれから1時間後

もう夕方になっていた




疲れた

爺を病院に連れて行くなら最低でも前日には連絡がほしいよな、じゃないと普通は予定を変えられないじゃない

病院を間違えるのもバカだと思うが、今回は緊急案件ではなかった

何のために呼ばれたのか…ふざけんなバカ!

このストレスを発散するのは難しい

誰に言っても他人事のような感じだし、こんなバカな施設があるとは誰も信じない

俺が嘘を言ってるように思われる

だがこれが老人施設の実態かと

頭の悪いやつがトップにいるからこういうことになるのだ




でも塾に帰ってからちょいと良いことがあった

つづく



水のように、空気のように


話題:同棲


いつの間にか外堀を埋められていた神田です

イケイケに、パパママもう旅行から戻ってきてるんじゃないの?と聞いたんだよね

そしたら「うん。でも平気だよ」って

何が平気なのか聞いてみたところ、結婚する人とは、その前に一緒に暮らしてみた方がいいそうな

だから帰らなくて平気なんだと

ここで頭の中がクエスチョンマークで一杯になった

暫く言葉を出せないままいると、「まあ、いいからいいから」と笑顔で締めくくる娘


整理すると、以前この娘の親に会った時に求婚されたのだが、その時はハッキリと断らなかったのだな

その後、学校でちょくちょくランチを共にしたり、時間がある時は送ったりはしてた

イケイケとその親はこれがデートだと認識したみたい

そして小さな恋人ゲームでチューしちゃったことが決定打になった模様

いくらゲームだからってベロチューまではしない=俺も気がある、と思われたみたい

親に全部筒抜けってのが嫌だわな

でも女はそういう生き物なのだろうね


「そのうち秋物を取りに一度は帰るけど、両親は私が先生と暮らすの大賛成だから」と言っていた

妹が帰ってきたらどうするつもり?と聞いてみたが、そこは上手く話す自信があるそうな

凄い…と思ってしまった

と同時に、俺も18の時に女の家にコロコロと転がり込んだことを思い出した

この行動力こそが若さの印だよね

もう俺にはないからね、そういう若さは

だがこの娘と一緒に暮らすのは悪くない

今のところ嫌な所はひとつもないし

洗濯において、柔軟剤を入れなくても平気な所、入浴時はボディソープじゃなくて固形石鹸で文句を言わない所とかは気に入ってる

元教え子だが『元』が付くからいいのかな

年下には全然興味なかったが、これも慣れかなと思ったり



問題は体の関係だよな

今は忙しいから逃げられるが、暇になった時が怖い

股の袋にまたデキモノができてるから、早く治さないと

あとは腹筋を鍛えなければ

最近筋トレさぼり気味だから…

という訳で、知らないうちに再婚に向けて進み始めた神田でした


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