あおい

西加奈子氏でした。
はぬーん。
透明な作品ね。
透明でした。
透けてみえるくらい。
こういうどうしようもない恋がしたい。
どうしようもなくてやるせない恋。
どうにもこうにも何か書きたくなった。
触発された。
よし、わたしのことを書こう。
関西弁で。
関西弁てなんでこんな切なくて優しいんだろう。
じんわりする。
わたし日本人であることは誇っているけど、江戸っ子であることに誇りはない。
なんとなく、やっぱりここに都という名前がついたのは日本の歴史的にも浅いし、そういう意味では京都の人は気品があると思う。
大阪でも、北海道でも沖縄でもいいけど、その土地の言葉を持ってるってすごい大切なことだと思う。
日本語を扱えてすごく幸せだけど、もう少し贅沢を言うなら、日本のどこかの土地の言葉を操りたい。
なんて、戯言。
氏の作品は芸術だと思った。
体を消していくさっちゃんの描写とか、花の名前の矛盾とか、
そういう気持ち悪いものをすごく綺麗に描いている。
凄惨な過去の話とか、みいちゃんのともすれば重い話とかをさらっと語っちゃうのが、なんだか切ない。
ストーリー性はあまりないのだけど、
なんだか胸がつーんって痛くなる。
その痛みも愛しいかんじ。
うーんよくわからん。

最近止まってた筆をとろう。

孤虫症

真梨幸子氏でした。
ふぬーん。
面白かった!
正直期待してなかったけど。
どうせ鬱小説だろ、と思っていたけど。
いい意味で裏切られた。
エログロは相変わらずでしたが。
なるほどね。
読んでて、全然飽きない。
気持ち悪いんだけど、人間の汚いところを汚くかいてて、逆に気持ちいい。
気持ち悪いけど気持ちいいという矛盾。
ラストの登場人物が全員繋がるあたり、やりおる。
人間そこまで醜いとこばかりじゃないよ、大丈夫だよ、と氏に言ってやりたい笑。
全員が繋がるんだからいいおね。
アコちゃんがかわいい。
以外ネタバレあり。

もちろんアコちゃんも醜いけど。
梶原さんもかわいそうだけど。
おばさんたち怖すぎww
たしかにこれはホラーと言ってもいい。
氏もメフィスト出身かあ。
いいなあ。メフィスト。
寄生虫はグロい。
それよりもグロいのが全部を梶原さんのせいにしちゃうおばさんたちの根性。
そしてどこまでも被害者な麻美。
と、奈未。
奈未に関しては横恋慕してただけなのにこの扱われよう。かわいそう。
真梨節もはまりそうで怖いな。
矢部さんの気持ち悪さとはちがうけど、はまりそうで怖いという部分では同じ。
矢部さんと違って著書結構あるみたいだし、読んでみようかなあ。
あ、フジコはリストラしましたが。
これは残しとこう。

次は、綺麗なの読みたいです。
お口直しに西加奈子氏。「あおい」読みます。
その前に、脚本書かなきゃ。

オルゴォル

朱川湊人氏でした。
うううん。
感動したー!
最近涙腺緩いけど涙流すのって気持ちいいよね。
だからいいよね。
いい涙はいくら流しても。
ただ頭痛いけど笑。
久しぶりの朱川さんだったけど、朱川節と呼ばれる(勝手に呼んでいる)ノスタルジックホラーではなかった。
設定も平成だし、子どもたちの会話もごく現代的だし、もちろんホラーでもないし。
でもなんだろな、どっかノスタルジックな気分にさせるのが氏よね。
すごく、どうしようもできないことが多くて、どうしようもできないのだけど、どうしようもできなくてもいいんだよ、と言われた気がした。
許された気持ち。
やっぱり関西弁って泣けるのかしら笑。
しかし恐るべきは氏の取材力。
これ福知山線も氏は乗ったのだろう。
大阪も、広島も、鹿児島も。
全部行かなきゃこれは書けないよね。
すごい。
これがプロかあ。
しかし小学生を小娘一人に預けて旅をさせるなんて許す大人がいるのだろうか。
そこは物語の御都合主義がちらり。
オルゴールの裏話もきゅんとした。
よか。
やっぱり朱川さんの作品はあったかーくなる。
よか。

次は正反対のものを読もう。真梨幸子氏で「孤虫症」。
お口直しもそえて。

MISSING

本多孝好氏でした。
ふう。
ふうん。
眠りの海
祈灯
蝉の証
瑠璃
彼の棲む場所
の五本でありました。
やっぱりわたしは短編より長編が好きだな。
それぞれにところどころ思うところはあるのですが。
一番好きなのは最後の「彼の棲む場所」かな。
「瑠璃」あたりでこれはミステリか?と思っていたので、なかなか奇妙で良かったです。
まあそもそもわたしが純粋なミステリロスをしていなかったので甘んじて受け入れましたが。
それぞれに心を打つところはあるのよねえ。
それが短編という形式により薄まってしまっているけれど。
若さが伝わってきた。
以下ネタバレあり。

「眠りの海」では、ある方を想像してしまった。
そうそう、わたしもこんな高校生したかったのよー!
先生の独り占め。それも人気の先生。そして人気投票の度に「先生は私のものよ」とね。
そして心中しちゃうなんて。
恋だ!恋は罪だ!
「瑠璃」のルコ姉ちゃんも好き。二人の謎謎が切ない。。
これはどこがミステリなのかわからんけど、
この二人好きやわー。
プールの貸し切り況や忍び込みは誰でもしてみたい夢よね。それか屋上での煙草。
「彼の棲む場所」は、一番歪んでいるというか狂っているというか。
その温度がとても良かったです。
サトウくん怖い……
そしてマネージャーの話の語り方が上手。
こういう上手い語り方しないとね。
これは見習わなんとあかんとこや。
わたしは縷々と語ってしまうから。
意味もなく。
まあ、面白かった、かな。
なんや沸切らんなあ。

次は、久しぶりに朱川さんで行こうかな!「オルゴォル」

きいろいゾウ

西加奈子氏でした。
はああああ。
デトックス!ww
本でデトックスできる時代が来ようとは笑。
これが西節か!!
あー感動した。
やっぱり氏は誰一人としてないがしろにしないのね。
素晴らしいよ、本当に。
本当に素晴らしいよ。
一番好きなのはやっぱり大地くん。
切ない。
出てくるどんな大人より大人。
そして洋子ちゃんもかなり好き。
たくましい。
犬を誘拐してしまうとは!
そう、この小説で忘れてはいけないのは人間ではないキャラクター。
コソクもいいけど、メガデスとか、カンユさん。
犬にさん付けって素敵。
わたしも登場人物をないがしろにしないようにしよう。
以下ネタバレあり。

若い夫婦に訪れる試練。
それを二人はどう乗り越えるのか。
ハッピーエンドで良かった。
ムコさん帰ってきてくれて良かった。
結局、東京に行って確かめたのは、ツマへの愛だった。
良かった。
そして諦めの悪い大地くんもまた良い。
ツマのこと、忘れないでね。大人になる過程で、忘れてしまうかもしれないけど、大地くんならきっとムコさんのない姉ちゃんへの想いと同じように忘れないでいてくれる気がする。
その人には愛する夫がいて、夫もその人を愛していて、そして二人には敵わない絆があること。それを未来の妻に話すんじゃないかな。話さなくても、きっと覚えてる。
デトックスしたくなったら西加奈子と決まった。
ふう。
映画観たいな。観よう。
そういやラジオたまっちゃった。聴かなきゃ。

次は……ミステリって気分でもないんだよなあ。
しかし本棚がミステリで溢れかえりおる。
ずーっと前に親友から勧められて買った本多孝好氏の「MISSING」読もうかな。
久しぶりに短編って気分。
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