じごくゆきっ

桜庭一樹先生でした。
うぅん……
残念すぎる。
エンタメ要素がほぼない。
先生が神さまみたいで、ついてけない。
『砂糖菓子』とぜんぜん関係ないじゃん!!
世界観が似てるってだけかよ!
おこ。
そのためにだけ、わざわざ短編読んだのに。
短編好きじゃないのに。
響かなかったなぁ、どれも。
粒ではあると思うんだけど、
それ以上でもそれ以下でもない。
森先生の神化にも似てる。
暴走しちゃってるっていうか、
なにかを悟っちゃったというか。
新しい世界を切り拓いちゃって、
読者を置いてけぼりにしてる。
もはや世間体というものを意識するレベルを超えてるんだろうな。
そんなのなくてもネームバリューで売れるし。
買ってしまった時点でわたしも共犯だし。
じゃあベストセラー作家は、直木賞作家は、面白いもの書かなくてもええんかい!
って怒りたくなるわ!
これは、1軍落ちです。
すぐ忘れるんだろな、どの話も。

次は、次こそ、松岡圭祐先生の『高校事変X』読みます。

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない

桜庭一樹先生でした。
藻屑ーーーー!!!!
はい、予告していた本ではないのですが。
今日、本屋に行く予定で、
目下『高校事変』の6.7.8巻を求めて、
そして相変わらず新たな出会いを求めて、
無事行ってきたのですが。
先生のね、『じごくゆきっ』と出会ってしまったのです。
そこで、この作品の後日談が書いてあると知り、
これはもう読み返さなきゃだめだろ、
となったのであります。
ここに書いていないくらい昔に読んだ本。
わたしがまだまだ読書ビギナーだったころに読んだ本。
それから10年以上経っても一軍本棚に居座っていた本。
やっぱり、もう。
好きだ。
藻屑が、なぎさが、お兄ちゃんが、先生が。
藻屑がただただ普通の女の子だったことが、
とても切ない。
先生がファンタジーも書けることを知ったのは本当に最近だけど(『ほんとうの花を見せにきた』)、
心から、この作品がファンタジーでなくて良かったと思った。
昔これを読んだ当時は、
やっぱり藻屑に震えていたのだろう(あとで読書日記を漁ろう)。
これ、もうタイトルから好きすぎる。
最初からオチがわかってるのに、
ページをめくる手が止まらない。
繊細なのに力強くて、切なくて哀しくてでも愛しくて。
藻屑に会いたい。

このまま『じごくゆきっ』を読むべきか……?

断片のアリス

伽古屋圭市先生でした。
ふむ。ふむ。
度直球のSFって、戸惑うわぁ〜
世界観丁寧なんだけど、戸惑う。
わたしも同じような世界を構築したことがあるだけに、
その丁寧さと完成度には感服するけども。
ミステリって言うのかな、この作品。
まあ犯人がいるっていう設定上ミステリとしては成り立ってるのかなあ。
SF苦手なのに、なかなか面白く読めました。
ラストは難しいけどね。
なかなか切ないラスト。
以下ネタバレあり。

まず倫堂が犯人ってとこが仕掛け1。
そしてピノッキオのシステム設定が仕掛け2。
そして青い髪の少女がメーティスというところが仕掛け3。
最後にハルがAIであった、というラストの仕掛け。
ふむふむ。
なかなか良くできてる。
が、仕掛けを最後に読者に分析される作品をわたしは傑作とは呼ばないんだよなぁ。
何これ好き!意味わかんないなんでこんなもの書けるの先生天才!
ってなるのが、凡才のわたしが認める傑作。
まあでも、SFであることの意味とか、
その世界観とかは納得できたので、
楽しかったです。

次は、松岡圭祐先生で『高校事変X』読みます!

片想い探偵 追掛日菜子

辻堂ゆめ先生でした。
うぅん。
まあ、こういうのもあるよね。必要だよね。エンタメだね。
って感じでした。
最近感動ものとかヘビーなの結構読んでたから、
いい息継ぎになったかな。
ふつうに、面白かったです。
良くも悪くもふつうに。
お兄ちゃんいいやつすぎるだろという御都合主義笑。
こんなお兄ちゃんはいません!
二次元です!
しかし、推し、ねえ。
わたしはリアコしちゃうタイプだから、
推しにはお布施なんか絶対しない。
リアコだからね。
むしろわたしの方が犯罪者予備軍ですよ。
恋人からお金をもらって生活するひとを、本当に恋人と呼びますか?
いるとして、ヒモですよね?
でしたらその対価として愛情とやらを捧げてくれるのがヒモですよね?
それがたとえ嘘でも演技でも欺瞞でも。
でも推しはそんなことしてくれませんよね?
ファンという恋人からもらったお金で、美人な恋人を作り、結婚し、子どもを作り、愛し、
そしてファンには相変わらず自分を愛してお布施をしろと言うのですか。
そんなの、どんな詐欺よりも酷い犯罪だと思いませんか。
わたしはそんなの嫌です。
恋人とは対等でいたいです。
愛し、愛されたいです。
だから、スポットライトを浴びる推しに、暗闇から黄色い声をかけるなんて、
その他大勢のひとりになるなんて、
推し個人の幸せのためにお金を払うなんて、
ぜっっっっっっったいに嫌です。
「ファンのみんな」になんてなりたくない。
恋人でいたい。
だからわたしは推しのコンサートにも行ったことはないし、CDもDVDも、写真集もカレンダーも雑誌も、買ったことはありません。
お金で「商品としての」推しを買うなんて、嫌なんです。
雑誌が出ればネットで画像を探して保存して、スクープされれば立ち読みして、
新曲が出れば動画サイトで違法ダウンロードして、
たとえ足首だけだろうと彼が映っているシーンをトリミングして保存して。
推しが恋人を作るのはまあ、浮気くらい男の甲斐性だとしましょう。
だって、需要があるんだから、しょうがないよね。
それだけいい男なんだから、しょうがないよ。
でもひとりのひとをパートナーに決めるなんて、
そのひとに子どもを産ませて、
ただその女から産まれただけ、なんの努力もせず、推しに愛情も注いでない存在に一生無償の愛を享受させるなんて、
そんなの絶対に許さない。
わたしがもしもひとつだけ魔法が使えるのなら、
推しの妻になって、子どもをその手で屠って、
推しもその手で屠って、
そして女は豚箱に閉じ込める。一生罪に苛んでやる。
でもそれをするにはわたしの意志が必要なわけで、もしもやり遂げたとしても、
たとえそれが魔法の力であっても
わたしの精神は保たないだろうな。
なーんてことまで考えている、
日菜子なんてぴよぴよの犯罪者予備軍なのです。
まあ、そこまで愛した男がいたことを、そんな自分を、不幸だとは思ってないけど、
もう二度とそんな想いはしたくないから、
芸能人にリアコするのはもう御免です。
その推しですが、今でも顔を見たりニュースを見たりすると胸が苦しくなります。
まだ病気は治っていません。
まあ、ここまで書いちゃうとわたしが誰の話をしてるのか大体わかっちゃいそうだけど。
今でも体が反応するんだから、わたしは一生彼に恋をするんだろうな。
って、本と全く関係のない性癖を晒してしまった。
だから、要するに、日菜子とは趣向が違いすぎるので、
読み物としては十分面白いと思うんだけど、
読み物だなぁって意識しか得ませんでした。
とさ。
コミカルで面白かったです。
短編だけど、連作は結構好きです。
以上!

次は、伽古屋圭市先生で『断片のアリス』読みます。

疾風ガール

誉田哲也先生でした。
はぁぁぁー。
やられたー。
青春ものだと思ったからね、てっきり『武士道』シリーズテイストを予想してたのよ。
そしたら一人称が冴えないおっさんでしょ?
んでヒロインきたか、と思ったら19歳でしょ?
二人の掛け合いぜんぜん面白くないでしょ?
何回か、このままお蔵入りしてやろうかと思ったわよ。
んで改めて背表紙読んだら薫くん死ぬの!?
ってなって、
一気に引き込まれた。
やっぱりわたしは人が死ぬのが好きなのか……
で、やっぱり『武士道』シリーズとは全く毛色の違うものでした。
主人公は気に入らないけど、
まあ夏美は別に嫌いではない。
好きでもないけど。
以下ネタバレあり。

最後まで、どうか薫くんの遺書だけは、一人称だけはやってくれないで、先生!って思ってた。
そんな無粋なことする先生じゃないってわかってたけど、
でも結局みんなが求めることってそれで、
先生もそれはわかってるはずなのよね。
だから、最後まで薫くんに喋らせてあげなかった先生は、やっぱり本物だと、思いました。
そりゃね、わたしだって一読者として、薫くんのほんとうの気持ちは知りたいわよ。
でもそんなのぜっっっっったい蛇足になるから。
そんなのでテンション下げたくないから。
って精神で読んでいました。
夏美と橙子さんが最後まで共存していたのは、とっても切なかった。
薫がなぜ夏美をパートナーに選ばなかったのかはわかるけど、
でも、
やっぱりそんなの切なくて、そして綺麗よね。
わかる気がする。
気がするだけだけど。
薫くんみたいな男、大嫌いだけどね!!
わたしが書きたかったひとつの作品にどことなく似てて、ちょっと書きたくなったかも。

次は、辻堂ゆめ先生で『片想い探偵追掛日菜子』読みます。
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