佐藤究氏でした。
うわあ。
すごい。
なんていうの、鈍器で頭を殴られる一瞬をスローモーションで数時間かけて体験しているような。
わかりにくいですね。
衝撃。
すごい。
出で猟奇殺人鬼一家から入り、まず「つかむ」。
このつかみ、やばすぎ。
ありあのいじめっ子への対応とか、かっこよすぎ。
迫力とスピードで持っていかれる。
そして疑心暗鬼の第2部。
これがミステリの要で、こんなことが成り立つのか!真相を早く!と読者を急き立てる。
そして第3部、スピードはがくんと落ちるのだが、
これがわたしが言ったスローモーションの正体だろう。
じわじわ、じわじわ、理解できるようなできないような、絶対あり得ないのに絶対的な説得力を持つキャラクタに、真相が解剖されていく。
もういっそのこと殺すなら一瞬でやってくれ!って感じだよね。
ほんと、ラストの失速は、ミステリとして成り立たないのではレベルなのに、
あまりにも話が壮大すぎて、
このくらいのページ数をかけないと読者には理解できんのだろうな、と妙に納得させられる。
そしてその鈍足がまた恐怖を盛り上げるんだから手に負えない←
いやいや、確かに無理矢理感は否めないけど、
間違いなく傑作。
そしてわたしの頭の都合のいいこと(というかポンコツなこと)。
Amazon先生のレビューでネタバレを読んでしまった時の記憶が綺麗さっぱり抜けているとは。
あの瞬間は、もうさすがのわたしでも怒りそうになったけどね。
レビューでネタバレは禁止でしょ!って。
その後数週間はその台詞が頭から離れなくて忘れようとすればするほど忘れられない生き物なんだよなあ人間て。って思ってた癖に、
その台詞を読むまで忘れてるとはずいぶんとまあ、陽気な脳みそダネ。
「〇〇したとは言ったが、〇〇〇したとは言っていない」というのがその台詞。
さすがに良識人のわたし(誰)は伏せ字。
IQ200超えって氏のことだよお。
江戸川乱歩賞はさすが。
猟奇的な描写には厳しいわたし(だから誰)も、なかなか楽しめた。
これは、コレクション入り確定。

次は、何読もうかな……