友罪

薬丸岳氏でした。
ををを。
氏とははじめまして。
これ手に取った瞬間にいい!と思ったが、
わたしの直感衰えていないな……笑。
はあーかっこいい。
みんな。
やはりそこまで大きな事件だと、
今がどんなに善人でも
色眼鏡で見られるのか。
物語なんだから、一人でも彼を擁護する人間がいて然るべきでは?
とも思ったけど、
その葛藤が描きたかったのよね。
そしてラストで号泣するというね笑。
こんな時間までかけて読み明かしてしまった。
「償い」かあ。
難しいテーマだなあ。
人を殺してしまったら自分はどう償えばいいのだろう。
人のせいにして死んだら、その人はどれほど苦しむのだろう。
わたしもそれなりに生きてるから、
死んでしまいたいと思ったことも少なからずある。
誰かのあてつけに、とか、
もちろん純粋に行き詰まってとか、
その度にわたしがそうすることによって救われる人がいないこと、
むしろ迷惑をかけることを考えて、
当たり前だが思い留まる。
誰にも迷惑をかけない死に方ってなんだと思う?
という問いに、
親友がくれた言葉。
「確実なのは飛行機事故。遺族には慰謝料が払われるし、自分は決して悪者にはならない。もし死に損なったら、旅行を楽しむだけ。今時飛行機事故なんて宝くじものだけどね〜」
彼女がどんな気持ちでそう言ったのかはわからないけど、
その軽い口調に、何度救われたことか。
誰もわたしを納得させてくれなかった問いに、
その時はとんでもなく納得した。
不謹慎だけど。
変な気持ちになったら、飛行機に乗ろう。
そのために働いてお金を稼ごう。
その日まで、生きよう。
……と、本作とあまり関係ない話をしてしまった。
人の命はみんな、そんな風に納得してしまえるくらいに軽いものなのかもしれない。
だからこそ重いのだ。
納得するその瞬間を、他人が奪ってはいけない。
納得できるのは、自分だけだから。
どんなに些細な一言でも、
どんな深い告白でも、
納得するのは、自分だから。
それを他人に預ける人もいるだろうけど、
生きてる限りその人はその人しかいない。
だから、人を殺してはいけないし、
その権利を奪った人でも、
自分のその権利を放棄することは許されないんだ。
だから、益田は鈴木くんに、「生きてほしい」と、思ったんだろう。
うーん、語ってしまった。少し恥ずかしい。

次は、澤村伊智氏で『ぼぎわんが、来る』読みます。

避雷針の夏

櫛木理宇氏でした。
ふうん。。
なんか、煙にまかれたかんじ。
どの家庭も不和すぎて……
ただ文章が綺麗すぎる。
綺麗すぎて、サスペンスになっていない。
もっと緊迫感でどきどきさせてほしかった。
救いが少女2人と、少年。
主人公はどうでもいい扱いだし。
これは少女を主人公にした方が良かったのでは?
いやそれだと、あからさますぎるのだろう。
だからと言ってあの主人公はなあ……
感情移入できないし。
うーん、完成度はいいと思うんだけど、
何かが足りない。
源田の猫殺しのシーンなんかはわりと好きだったけど。
残酷で。
そう、残酷さが足りなかった。
もっともっと残酷な作品はたくさんある。
イヤミス系サスペンスと謳うくらいなら、
残酷さが足りない。
綺麗すぎた。
綺麗なのはいいことのはずなんだけどなあ……

次は、薬丸岳氏で『友罪』読みます。
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