話題:SEX
ホームプレートが熱くなってきたら牛脂を溶かして餃子を並べていこう!と、もう何度もやったことがある焼き方をあえて口にした神田
それは、既に奥の部屋から人の息遣いが聞こえてきたから
文字にすると『ハアハア‥』
「はい、わかりました」とB子も元気よく返事をする
餃子を並べただけではたいして音がしないため、水を注入するまでは耳からの情報を何とか誤魔化す必要があった
「お水入れますね〜」とB子が言えば、ホイホイと答える神田
いつもはそんなの無言でやるのにな(^^;)
ジュワーッと威勢のいい音がしてラッキーと思ったが、フタをするとまた餃子の焼ける音とは違う音が聞こえてきた
今度はハアハアではなく、『ギシギシ』と木製の物が揺れる音と『アンアンアアーン』というような甲高い女の声
俺たちは顔を見合わせると思わず吹き出してしまった
(プッ)
金網餃子部屋と奥のエッチ部屋の間には女共が着替えに使った部屋が挟まっているため、昼間であれば奥の部屋からの物音など聞こえてくる筈はない
だが、この時間帯は違った
部屋を仕切っているのが襖だけなので、もし餃子の焼ける音がなければ、とてもじゃないがこの部屋には居られないほど声が響き渡る
夜中に家の中で誰かが歌っているようなものだな
焼き上がった餃子を皿に取り、また新たに餃子を並べる作業を始めた時にB子が「あさみさん大変ですよね〜。声出すのも演技だと思いますけど」と言ったのだ
それ聞いて、そうなの?なんでわかるの?と、あさみが演技してようがしてまいがたいして興味はなかったが少し大きな声で聞いてみた
するとB子は「早く終わらせたいみたいなんですよね。感じてるフリしないと痕が残るほどキツく縛られちゃうらしくて‥」とやはり大きめの声で答えた
痕が残るようじゃ商売に影響が出るわな〜と、餃子から目を離さずに俺が言うと、B子も餃子を見つめたまま「それとキスマークが嫌みたいですよ」とポツリ
もっと大きな声で言えと注意したくなったが、内容が内容だけに我慢した
キスマークか、唇のマークみたいにきれいに形が残ればいいが、ただの内出血だからなアレ、と言うとB子は声を出して笑った
そうそう、声を出して笑うしかもう俺たちにできることはない
餃子も3回焼いたら音を出す機会を逸する俺たち
あと1回焼く間に何とか次の手を考えなくては!
その時は静かに食べるなんて全く考えられなかった
友達が9メートルくらい向こうでエッチをしているのだ
想像するなと言われても想像しちゃうよね
あさみは縛られた格好でティンポなめさせられてるのかな、と呟くと「それはそうでしょ。本職なんですから!」と間髪入れずに答えるB子
二人共餃子を焼くという行為に集中できてない証
じゃ、ああいう声聞くと興奮しちゃう?と聞けば「別に声を聞いても何ともないですけど、その肩の筋肉とか見えちゃうと濡れてきますよそりゃ」と俺の肩を見つめて言うB子
聞こえてくる声を掻き消すほど面白がらせなくては!と、ここでも判断を間違えた神田
肩に力を入れ筋肉を盛り上がらせ、どう?どう?興奮する?とB子に迫った
するとB子のやつ、餃子そっちのけで抱きついて来やがった
餃子を焼きながらでも強い焼酎を飲んで酔っ払っていたからか、「もうホント、いい加減エッチして欲しいんですよね」と大声で言ったと思ったら、俺の手を自分の胸に持っていったB子
指に柔らかい物が触れた
その瞬間、部屋を仕切っていた襖がスッと開いた
つづく