話題:変な癖


八百屋と険悪だった頃はスーパーに買いに行くだけでなく、市場からも野菜を配達してもらっていた

市場野菜は、新鮮さは期待できるのだが、箱単位で買わなければいけないために、量が多かったのね

だから必死になって消費する必要があった

そのため、買った野菜の種類や個数に関しては考えないって言うかさ、そんな細かい事は覚えていられなかった


で、ある日、妹が「パプリカどうしたっけ」と言ったのよ

言われてみれば買ったような記憶はあるが、それを調理した記憶はなかった

「それとキャベツも」と、妹が…

キャベツ、キャベツ…、1個か2個は浅漬けや野菜炒めにしたけど、残りはどうしたっけかな(?)という曖昧な記憶しかなかった

でも、野菜を入れてある箱(野菜専用冷蔵庫)の中にはパプリカもキャベツも残っていなかった

そこから家中を探したよ

すると、なんとオヤジの部屋から見つかった

オヤジはだいぶ前から色鉛筆画に凝っていて、絵の対象物を欲しがる傾向があるのよ

変わった形の流木とか、大きめの貝殻とかさ

そういう物なら腐らないから買うなり拾ってくるなり好きにしてくれなんだけど、野菜や果物も描きたがるから困っちゃう

「これちょいと借りていいか?」と聞いてくれた物ならこっちも覚えていられるけど、俺達が居ない時に勝手に持って行くのだろう

描き終わったら戻してくれたらいいのに、戻すのを忘れちゃうのかな


キャベツは悲惨な状態で見つかった

全体が黄色く変色して、切り口は傷んでおった

ポリ袋に入っていたので、床に直接汚れが付着していなかったのは幸いだった

使えそうな部分だけ切り取って、野菜スープにぶち込んだけど、半分以上は捨てた

オヤジもキャベツの存在そのものを忘れてしまったのだろう

異臭が漂えば気づいたとは思うけども…


パプリカはまだ平気だった

若干シワシワしていたけど、これは普通に使えるレベルを維持してくれておった




だが、パプリカは、赤、オレンジ、黄色の3色を買ったような気がするんだよね

なので残りのパプリカを探したが、それらは見つからなかった


あとでオヤジに聞くと、オレンジと黄色は生で食べたと言っていた

甘くて美味だったらしい



自室に食べ物を保管する癖(へき)は俺にもあるため、これは遺伝なのかな(?)

俺もバナナを腐らせたことがあるからね

オカンに見つかって、その時は叱られると思ったが、何も言われなかった

オカンは亭主で慣れていたのかも…笑