さっき好き好き大好き津原泰水さんの赤い竪琴を読み終わりました。

今までこういった話(恋愛モノ?)は女性作家の本を読む事が多かったのですが、男性が書くとこんなに淡白になるものなのかなぁと。
ストーリーを知らずに作家の名前だけで買ったので、津原さんて恋愛も書くんだーと意外に感じました。しかしこういう淡白なの好きです。

余談ですがあの人気作家の伊●●●郎さん(怖いので伏字)←あまり意味ないし
の書かれたある本を読んだ時、女をばかにしてんのかと思ってそれ以来他の本を読んでいないのですが、他のを読めば面白いのでしょうか。
1作しか読んだことないワシが言うのもなんですが(1作かよ)、書き出し方とかこちらの興味をそそるテクニシャンじゃのうとか思うのですが、なんか内容が…男同士の絆はおなごには判るめぇみたいな、上から目線に感じて嫌いだ。
いや男の世界なんざ男性になってみないと本当にわからないのでしょうがね。女の世界もまたしかりだからそこは大した重要な事でもないのですが、いかにも下に見てて嫌なんですよ。

まあ余談なのでこれぐらいにしといてやろう(お前の方が上から目線だよ)
早い話が男も女も魅力的な登場人物が1人は居ないと嫌だという結論です(飛躍したまとめ)

内容ですが、グラフィックデザイナーの入江。彼女が一冊のノートを男に渡すところから始まります。
入江はいろいろな事にくたびれたのか、非常に疲弊した印象を受ける女性です。
「他人と顔をあわせる準備に労力をさくより、会わないための口実を考えた。」(本文抜粋)
この文章でなんだかわかってしまう。気持ちがわかってしまう。うんうん。


そのノートは戦前に亡くなった詩人が書いたもので、そのノートを何故入江が持っているのかは省きますが、コレを詩人の孫である楽器作家の寒川に手渡しに行くのです。
この入江と寒川の話なのですが、とにかく作中の2人の心情が読みにくいのが特徴です。
入江も寒川も声を上げて笑うこともなければ激情することもない。
このずーっとなだらかなんだけど落ち着くような、落ち着かないようなな二人の感情が心地よいです。なんだかリアルだし。

寒川は無表情で無愛想でとっつきにくい印象なのですが、読んでいくうちに好きになってしまう(私が)。微妙にお茶目なんです寒川。

中盤から最後までああもうなんでそこでいかないんだよいやしかしいったらいったでもう的なやきもきが多少ありますが、そして少し時間の経過が分かりにくくて最後辺りはgdgdと終わってしまうのですが嫌いではない話しでした。

そして何故か私の中の寒川のイメージが、池袋ウエ●トゲ●トパークの作者の衣良さん(漢字自信なし)みたいな顔で浮かんできてとまらない