岩本版は、イグリード(イーグリード)とゼロとティルちゃんが好きです。
ティルちゃんは、岩本版オリキャラの中でもぶっちぎり一番好き。
あと、岩本版好きだから、岩本版の話する時は『ストーム・イーグリード』の事は『イグリード』って呼びたい。
イグリードとティルちゃんとゼロの関係が凄く好きです。
もうなんなら、岩本版アニメ化して欲しい。
つーか、X5以降読みたい。
岩本版のX5読みたいけど、読める機会に恵まれないので、いっそ何かの雑誌に連載して、それが人気になってゲームもXシリーズ復活して欲しい。
宝くじの一等当たるより確率低そうな夢だな………。
私は岩本版大好きです。
イグリードの出番はなんだかんだX2以降でもあるのが良いよね。
イグリードって、本当に良いヤツだったんだな。
そして、イグリードってちゃんとゼロの親友だったんだな……って痛感する。
エックスとゼロも良いコンビだと思うけど、『先輩』『後輩』感があるので、『対等』なゼロとイグリードが物凄く好きです。
休みの日、街の中で見知った姿を見つけた。
いつもと少し違う出で立ち。
いつもはもっと職業柄動きやすそうな姿だが、今日はほんの少しおとなしめの格好だ。
ちょうどいい。
俺は、適当に髪型を弄ると少し離れてそいつの後を歩く。
近すぎず、遠すぎずをキープして。
しばらく歩いて人通りの少ないところに来ると、そいつは急に振り返った。
「……何してるのよ、ゼロ」
半眼でティルが睨んだ。
その表情から察するに、呆れているらしい。
「何で気付くんだよ、面白くないだろ」
「気付くもなにも、人のデートを邪魔するなんて悪趣味ね。大体、変装する気全く無いでしょ?」
メットを外して、髪をサイドテールにし、オールバックにしていた前髪を垂らしただけだと、変装と言わないらしい。
「お前なら気付かないと思ったんだけどな」
慣れない髪型にした甲斐は、全く無かったようだ。
そうであるなら、こんな髪型にしている必要もない。
サイドテールを解いて、前髪を後ろに流す。
いつもの俺の出来上がりだ。
「気付くに決まってるでしょ?もう少し自分が目立つっていう意識持った方がいいんじゃない?大体、そんな雑な変装して何がしたいのよ」
「暇だったんだよ、だからイグリードの前までお前についていって、イグリードの前で悪役のフリしてお前をさらってやろうと思ったんだけどな。イグリードのところに着く前に気付くなよ」
そう、完全に暇だからだ。
休暇で暇だなって思った時に、たまたまティルを見掛けた。
だから後をつけることにした。
更に言うなら、前日に浮かれポンチな鳥ガラを見かけたから、これはそういうことだろう。
昨日、浮かれポンチな鳥ガラを見かけなければ、今頃ティルがひとりで出かけているとでも思ったんだがな。
イグリードとティルのデートだというのなら、俺の暇潰しにうってつけだ。
初めは、デートを遠巻きに眺めて、何なら乱入でもしてやるかとか思ったけど、どうもそれじゃつまらない。
どうせならデートで浮かれておめでたいイグリードで遊んでやろうと思って。
イグリードの前でティルをさらってみようと思ったんだが。
どうやら、バレていたらしい。
「ゼロ、私は一応A級のハンターなのよ?」
「知ってるか?俺は特A級なんだぞ」
「あら、そんなバレバレな尾行するハンターが特A級だなんてね」
「お前はA級止まりだけどな」
そう言ったら、ティルに軽く小突かれた。
「……ったく、仕方ないからゼロの暇潰しに乗ってあげるわよ。だからせめて、もっとちゃんと変装してくれない?」
「は?」
「私をさらったのがゼロだってなったら、説明が面倒じゃない」
「そーだな、イグリードより俺の方がカッコいいから、お前が自主的についてきたって思われたら面倒だからな」
「残念だけど、それはないわね」
即答される。
知ってた。だから、俺はお前とイグリードと『友人』でいられるんだから。
お互いに固い気持ちで結ばれている二人だから、素直に応援できる。
愚直なまでに揺らがない、二人の関係が好きだった。
俺はティルを気にいっているが、出会った頃はともかく今は恋愛感情なんて感情は全くない。
むしろ、仮にティルが俺を好きだと言ったら止めるだろう。
俺は、ティルが好きなイグリードが好きで。
イグリードが好きなティルが好きで。
そんな二人をからかうのが好きなんだ。
「で?イグリードを心配させることは出来ても、賊にあっさりさらわれるお前に対して本当にA級ハンターなのか?という疑問が残るけど、お前は俺の暇潰しに乗るのか?」
「うっさいわね、自分が仕掛けてきたんじゃない」
「何でも良いけど、早く行ってやれよ。アイツ心配性だから、遅れたら面倒なことになるぞ」
「あっ、もう完全に遅刻じゃない!!私、ゼロに構ってられないからもう行くわね!」
そう言って、ティルが駆け出していく。
遅れるって連絡するなり、空を飛べるアイツに迎えに来てもらえば良いのに……なんて思いながら、俺はティルに背中を向けて歩きだした。
あの二人での暇潰しは、今度にしよう。
それまでに変装の仕方でも覚えるか。
そんなことを思いながら、来た道を引き返す。
次にそういう機会に遭遇したら、今度はティルにも完全にバレずに二人を弄り倒してやろう。
…………『今度』なんて日は一生来ないという話を聞いたことがあるが、俺がふたりのデートを目撃するどころか、イグリードとティルのデート自体がもう二度と無いだなんて、この時の俺は知らなかった。