話題:同棲

生活の大部分を占める仕事がうまくいかなければ、ストレスも溜まるだろう。仕事で受けるストレスを身近にいるあたしに投げつける。次第に仕事で受けたストレスではなくて、あたしから受けたストレスだと勘違いしては、すきとかしあわせがよくわからないとあたしに言う。生活のためにと働いているのに、その生活をボロボロにしてしまう仕事ってなんだろう。彼がそのことに気づかない限り、永遠とあたしがわるいと彼は思い込み、責任のすべてをあたしに転嫁させるのだろう。

そんなことをされる度に、過去の恋を思い出す。記憶のなかに保存されている思い出。すきだった気持ち丸ごとを冷凍保存したかのように美しくきれい。思い出は美化される、時間が経てば経つほどに。戻れないとわかっているから、引き出しから取り出すように時折、浸るだけ。ゆめのように癒される。おとぎ話のヒロインにでもなったかのようにいいところだけを再生させる。都合のわるい部分は削除して、いくつものハッピーエンドを語っている。



きのうも頼んだ家事をしていてくれなかった。絶対にするよと言ったのに。目覚めて、なにもされていない光景を目の当たりにした最悪な目覚めと共に悲しみと怒りが込み上げる。なにも知らない彼はスヤスヤと眠っている。あたしだって、すきとかしあわせとかわからないよと心のなかでつぶやいた。