透明感

話題:いままで と これから。

いま暮らしているところは、ひとがおおい。生活するには十分な環境が整っているし、不自由なことは部屋の設備、電気のスイッチがないとか流しから水しかでないとかそれくらい。それなりに整った環境に住みながらも不満はずっとある。実家が気軽に帰れる距離ではないということ。片道2時間は意外と遠い。おなじ関東、新幹線とか高速バスとか乗るわけではないけれど、地味にかかる交通費。彼の実家へなら2回行けるのにって、それでケンカすることもおおい。

いっしょに暮らすまえは、実家との距離なんて気にしてもなかったけれど、離れてみるとわかるたいせつさ。あたしだけが実家から離れていて、みんなは実家のちかくに暮らしている。あたしたち家族はなぜだかちかくにいたがる。まわりの友人たちも地元から離れることがすくない。友人たちに会うたびにもどっておいでよコールされ誘惑される。ああ、なやましい。

彼と暮らすのはたのしいし、いま住んでいる地域もきらいではない。けれど、地元や実家のある土地がだいすきという厄介さ。一般的には彼氏や旦那にだまってついていくのが当たり前なのかな。あたしが変なのだろうか。変だとしても、あたしはもうすこし実家のちかくに住みたいなという願望を捨てられない。地元がいっしょのひととつきあったり、結婚するのが向いていたのだろうなっておもう。そんなことを言っても仕方なく、いまできる最善をかんがえる。

来年はアパートの更新がある。それにあわせて、住む土地をふたりでちゃんと決めたいな。いまの土地は早急に彼が知っているというだけで決めてしまった、あたしの意思は０パーセントだからつぎこそは、ちゃんとみて、かんがえたい。

あたしの実家は去年、地元から引っ越しをし、母の実家(祖母の家)に住みはじめた。自然に囲まれたその土地は、バスか車がないとたどり着けない。1時間に1本しか走っていないし、いちばんちかいお店まで徒歩30分。ひとよりも動物がおおい、そんな土地で母たちは暮らしていて、泊まりにいくたび癒されるし、実感する。あたしは、便利すぎるところよりもそれなりでいいのだと。そういう経験もふまえて、かんがえたい。あたしと彼のベストな土地を。

話題:ひとりごと

梅雨が明けて、容赦なく夏が襲いかかる。暑さによわいあたしは日傘やら帽子やらで対策を。日差しで皮膚がやけどしたときのように痛むためカーディガンも必須。それで、マスクはほんとうに倒れそうである。ことし、29歳になるあたしの身体は年々衰え、体力も回復も低下。ここからちゃんと身体を整えていかないと一気に太りそうっていう予想通りに増えた。2キログラムが落とせない。まえならすぐ落とせたのになぁって、かなしさがひたひた。痩せたいです、切実に。

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世間のふつうと自分の生き方が相反するとき、あたしはだめな人間だなとおもってしまう。たいせつにする価値観がちがうだけで、彼らが得ているものの多くをあたしは得られていないし、世間の感覚で言えば損している。あたし自身もいまの生き方を全肯定しきれない節もあり、日々ちゃんとしなくちゃと勝手に追い込んでしまう。いまの生き方じゃだめだよと言うひとは、自分とは遠く離れたせかいのひとなのに、あたしのことなにも知らない浅い関係のひとなのに、あたしはそのことばに呪われ、悩みつづける。よわいから折れそうになるし、ブレそうになる。あたしはいつだって自分で自分を正当化させ、肯定して、これでいいんだよと洗脳させる。いちいち、なんども、呪文のように。

彼はそんなあたしの話を聞いてはくれない。煩わしそうに、これだけ聞いたのだしいいでしょうって、聞いてやったスタンスでアドバイスを求めても根気とかやる気とか根性論。自分が溺れているときはたすけてと全力でわめくのに、あたしのSOSは届かない。毎日おなじ屋根の下で寝食を共にしているのに、あたしたちにあるのは惰性とか妥協とかそんなものなのかもしれない。ときめきは生活にまみれて、性欲の処理だけに利用されているような。家事をしてくれる家政婦みたいな便利さも兼ね備えている。雇うのとはちがうし、契約でもない。きっと長く一緒に過ごしていると空気のような存在になるのだろう。癒しとか支えとかではなく、共同生命体みたいな。おなじ水槽で飼育されているさかなのような。すきとか愛ではない絆と呼ぶには薄汚いなにかで結ばれている。それでも、たのしいときはたのしく、趣味のことを語るときは話も弾む。そうか、恋人という次元を越えた親友とか兄妹とかそういうものになってしまったのかもしれない。同い年だから黙ってつつみこむことはできず、互いの大変さと比べてまだだいじょうぶでしょうとしか言えない。同年代だからこそのたのしさもある反面、年上のひとのようにただ話を聞いてほしいときもある今日この頃。