(!獣姦注意!)
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鼻が邪魔で舐めにくい。
言っている意味に不穏な何かを感じ、臣は顔を必死にひねった。
そして見てしまったのだ。自分の背後を陣取っている大きな犬を。
「ひ、ぁ…」
「叫ぶなよ?」
まさか、まさか、と思いながら、しかしこの状況で近くにいた犬を連れてきたとは思えず、やはりこの大犬が煉鬼の変化であると知る。
何よりその犬から声が聞こえるのだ。
「や、やぁ…」
首をふるふると横に振る臣に煉鬼は乗り上がってくる。
「やぁ、じゃねぇ。これは戒めだ」
「い、いまし…?」
「そうだ。俺の言うことをてめぇはひとっつも聞きゃしねえ。
だから、忘れないような抱き方をする」
宣言するようにそう言われて、しかしそれでも嫌々と臣は大犬の下から這い出ようとする。
しかし実際、穴を舐められている間に臣の体からはすっかり力が抜けていて、難なく犬に変化した煉鬼に引きもどされた。
「おら。何を逃げてんだ」
「だって、やだぁ…」
「ったく、仕様がねえな」
そういう間に、にょきりと犬の額から角が生える。するとたちまち臣の腰がズンと重くなり、思わず「ぁあ」と腰をよじらせた。
いつものように鬼の気に当てられて、臣は魅了状態にさせられたのだ。
「ほら。もっかい広げな」
「んんっ、んぅ…」
もぞもぞと膝をつき、尻を突き出して、手を添える。
首の後ろに犬特有の「ハッハッ」という息が聞こえ、ぶるりと背筋が震えた。
先ほどの煉鬼の唾液にまみれたそこに空気が触れて、小さく臣が喘ぐ。
「いくぞ」
「んっ…、ひッ、ぁ、あぁアっ…!」
ぐぐ、と押し入ってくるものは、いつもほどの大きさはなくても十分長くて固かった。
「ひぁ、ッは、ぁあ…、んっ…」
カクカクと腰を押しつけられている。
傍から見たらなんてはしたない恰好だろうと思うのだが、気がつけば臣自身も煉鬼の動きに合わせるように腰を揺らめかせていた。
「あぁッ、あゥ…っ、んっあ…!」
いつもの煉鬼のものより、幾分細いせいか、圧迫感がないのはありがたいがやはりどこか物足りない。
そんな思いが腰の動きに現れていたのか、背後から煉鬼が「くっ」と笑った。
「足らねぇのか」
「ぁあっ、れん、ッれんき、さま…ッ」
熱に浮かされたような顔で振り返り、臣が甘えた声を出す。
抱かれる喜びを知ってしまった、もう何も知らない少年にはもどれない顔をしていた。
満足そうにその顔を見つめて、煉鬼がペロペロと臣の耳を舐める。
「ひぁっ」
「待って、な。すぐに、くれて、やる、よ…ッ」
激しく動きながらそう言う煉鬼に、いっそう尻を突き出して臣は従順に従った。
そして煉鬼が動きを止める。
「んッ…、」
低く唸った犬の一物が、突如、臣の中で膨れ上がった。
「ぅあッ、ヤッ…いやぁっ、おっき、おっきぃいッ!!
あぁーっあっアッ…!」
「こら、声」
しかしそんな煉鬼の声も臣の耳には入っていないようだった。こぶのように膨れた煉鬼のものをきゅうきゅう締めつけて喘いでいる。
「なんだお前。犬のは抜けないように、でかくなるって知らなかったのか」
「し、知らな…っ、ふぇっ、煉鬼さま…、助けて」
ぎっちりと臣の穴を埋めているそれに、臣はべそを掻いて許しを請うた。
「これからは、俺の言うことをちゃんと聞くな?」
「はい…っはい…」
「おし。待ってな」
しおらしく頷いた臣に満足そうに頷いて、煉鬼はぐっと腰を押しつけた。
中が急に熱くなる。煉鬼が達したようだ。
しかし、いつもなら嵐のように過ぎ去るその感覚がじわじわと続いて、臣はようやく中で何が起こっているのか把握する。
「や、ッお腹が…っ、熱、ぅあッ…」
「まだまだ出るぞ。気張んな」
嫌だ、怖い、といっても、煉鬼はなだめるように臣の頬を舐めて「出さなきゃ抜けねぇ」と言い切り、結局数分かけて臣の中にすべてを注いだ。
「ひくッ、も、お腹が、…ぁあ…、っ」
嗚咽を漏らしながら、動くに動けなくなっている臣にようやく抜いて、人の姿に戻った煉鬼が背をさする。
臣の腹は心なしか、ぷっくりと膨らんでいた。
「出すか?」
こくこくと頷く臣を静かに抱き上げて、家屋を出る。あまり家に近いと人に見られる危険があるので、煉鬼はひとっ飛びに少し遠くに移動した。
「ほら、りきめ」
「ぁッ、いやッ苦し…!」
ぎゅうっと抱きついてくる臣の背を撫でて、するりと尻へ滑らせる。
横抱きのまま、穴に指を差し入れると、すぐにクプっと垂れてきた。
「はっ、あぅ…、あ、ッ」
「上手だ」
「ひぅ、ッうぅ…、うっ…あぁッ」
タラタラと流れさせながら、一向に終わる気配がない。それほど大量に出した覚えが煉鬼にはあった。
いっそ一気に出した方が煉鬼としては手間がないのだが、泣きながら耐えている臣にそれを言うのは酷な気がしたので根気強く付き合う。
長い時間をかけてようやくほとんどを出した時だった。
もそもそと臣が恥ずかしそうに顔をあげて煉鬼を見上げた。
「ごめんなさい…煉鬼さま…」
煉鬼にしてみれば、夜の行為は夫婦として当然のことである。それを何かと理由をつけなければならないのは、臣がかたくなに拒むからだ。
少しそのことを反省して、また、こんな苦しい思いをするのは二度と嫌だったため、臣は素直に謝った。
「あぁ…」
一方煉鬼は、正直なところ臣は怒ると思っていた。
犬の姿の自分に犯され、当分は口も利かないだろうと。
だから、咄嗟に上手く返せずに、口ごもる。
少し斜め上のほうを見ていると下から臣が煉鬼のようすを恐る恐るうかがっている視線に気づいた。
心の中で「わかればよし」と言おうかと思ったのだが、口をついて出たのは、
「俺も、少しやりすぎた…
すまねぇな」
どうにも鬼らしからぬ言葉だった。
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少しは前進★