西洋ファンタジーっぽい感じの世界観でお願いします。
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れんがで作られた家の建ち並ぶ町を、見ただけで咳が出てしまいそうなほど埃まみれの男たちが歩いている。
「あぁ〜、やっとベッドで眠れるぜ」
その中でも若い一人がやれやれと肩を回しながら言った。しかしすぐに前方を歩く男から、
「一文無しの俺らがベッドで眠れるわけないだろ?今日まで野宿だな」
諦めと笑いが半分混ざった声で言われ、肩を回すのをぴたりとやめた男は「はぁ?!」と目を剥いた。
冗談ではなく、本当に金がないのだとわかると、男はすっかりしょげる。
「あぁくそ!やっぱりお前がいると悪いことだらけだ!!」
頭をバリバリと掻き、若い男は更に後ろを、ひとり離れて歩いていたフードをかぶった男にそう吐き捨てた。
男はもそもそと「そんなことはないと思うが…」と反論するが、「うるせぇしゃべんな!」と吠えられ、小さく舌打ちし、黙る。
「俺はいやだぞ!押しかけてでも泊まるからな!」
若くて勢いのあるこの男は、戦闘になると頼もしいのだが、どうにも性格に難がありすぎた。
顔がそこそこ整っていることが、その傍若無人振りに拍車をかけているらしく、今も忙しなく泊めてくれそうな村人を物色するのに忙しい。
リーダーの男は溜息をつきながら、しかし上手いこと行けば便乗してやろうという狡猾さが垣間見えた。
「宿をお探しですか?」
そんな彼らに、ひとりの男が近づく。
自分に甘そうな、女性ばかりを見回していた若い男は、突然話しかけられて驚いていた。
「わ!なんだよアンタ」
「驚かせてしまってすみません。よろしければ、我が家に泊まりませんか?」
話しかけてきた、少し年のいった紳士は品のいい笑みを浮かべて村の外へ繋がる道を指す。
一同は、顔を見合わせ、リーダーの男が不信感をあえて隠さずに尋ねた。
「見ず知らずの俺たちを、どうして泊まらせるんだ?」
「私の家はこの村から少し歩いたところにあるのですが、子供がいるのです」
「「子供?」」
嬉しそうに頷き、紳士風の男は続ける。
「少し内気なので、この村まで来ることが苦手でして。
貴方がたがお相手してくだされば、うれしいのですが」
だめでしょうか?と皺を作る相手に、他意は見られないように思われた。
「なぁ行こうぜ!」
そして若い男がしびれを切らせて、リーダーをせっつく。
「だが…」
「子供の相手すればいいんだろ?それで一晩泊めてもらえるなんて最高じゃないか」
「…どうする?」
決めかねて、リーダーは後ろにたたずんでいたフードの男に振りむいて尋ねた。
「どちらでも、構わない」
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主人公は一応フードの男。「ある教会での話」が固まる前にぼや〜っと考えていた話です。
このときの私はたぶん醜男にハマっていたらしいですよっほぅ!
続きます!