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場面がころころ


場面がころころ変わってわかりにくいですが、ご容赦をー!!

次はタトせんせーの保健体育の巻になる予定です。

拍手コメントありがとうございます!返信不要のかた、お気遣い痛み入ります。

1/3〜1/20

返事が遅くなって大変申しわけありませんでした!返信不要の方も心から御礼申し上げます。

あけましておめでとうございます!毎日こちらにおじゃまして小説を何回も〜」様
→遅くなりましたがあけましておめでとうございます!何回も読んでいただき嬉しいです。
鬼の番外編はまだないですね〜。今年中にはひとつ書けるといいなぁと思っています。今年もよろしくお願い致します〜。



あけましておめでとうございます。takaさんの話はどれも好きですが、子豚な王子の二人が〜」様
→あけましておめでとうございます!日記まで目を通していただきありがとうございます。
無自覚にいちゃいちゃしちゃう困ったちゃんです。そろそろまたひと展開あるつもりなので、お付き合いしていただけると嬉しいです!



いつも楽しいお話ありがとうございます。特に泉のスライムの話が〜」 様
→スライムのお話を気に入っていただき嬉しいです。次の番外編はちょっと予告できないのが心苦しいですが、またほっこりしにきてください!



ない! 日記タイトルに笑ってしまいました(笑) 子世代も幸せになるまでに試練が〜」様
→実は地味に日記のタイトルって悩みます。いつの更新か、後々わかるようにと思ってつけたんですが、まんまでしたね!
二人にはちょっと可哀想ですが、がんばって乗り切ってほしいと思ってます〜。



更新分を読んで、つい「ないの〜!?」と叫びたくなりました〜」様
→ないそうなんです〜。こちらこそ読んでいただきありがとうございます!



鬼と私の.エロ道中!拝見しました。ちょっと泣いちゃいました..。〜」様
→ありがとうございます。そう言っていただけると嬉しいです!番外編は今年中には書けるといいなぁと思っていますので、気長に待って頂けると助かります〜。

ない!


攻がついついがっついてしまう様子は、よいものですな!

子豚な王子様19


前回のタイトルを、思い切り間違えていました。
「〜王子様」って私世代はどうしたってあの名作を思い出しますね。くそう気を付けていたのになぁ。前回のこっぱずかしさが半端なかったので、そのせいです。

というわけで(?)そろそろハラハラ展開にシフトします。

拍手お返事と、サイトの更新は次、頑張ります〜。

*****



「どうだった?祭り」

「うん…すごかったよ」

「だろー?この国でも一番盛り上がる祭りだからな」

「うん…すごかったよ」

「ティカルは箱入り息子だもんなぁ。にぎやかでびっくりしただろ!」

「うん…すごかったよ」

「・・・」

ツツムは、洗濯用の桶の向こう側でぼんやりとしているティカルを見つめました。
昨日のお祭りで何があったのかわかりませんが、ティカルには相当な衝撃だったようです。

王様がいたんでしょうから、あの広場での恒例行事には参加していないと思いますが、もしかしたら色っぽいお姉さんがいるお店につれていかれたのかもなぁとツツムは思いました。


ちなみに、花火が終わったあとは、城に帰ってきてはずなのですが、ティカルは帰り道のことをほとんど覚えていませんでした。プラムが何か声をかけてくれていたのはわかりましたが、頭がぼーっとなってしまって、プラムもそれがわかったようで、目隠しもされずに帰ってきたような気がします。

どうしてプラムは顔を隠す布をしていなかったのでしょう。ティカルのようにキスをしたことがないわけではないでしょうし、しかし事実としてプラムは布をしていませんでした。
ただただ邪魔だったのかもしれません。唇と布が擦れて痛かったのかもしれません。

フワフワしすぎている頭で考えても、結局わかりませんでしたが、何よりティカルが嬉しかったのは、目を閉じる前にみたプラムの目でした。彼の目には、驚きの色はありありと浮かんでいましたが、嫌悪の様子はなかったのです。

思い返せばプラムははじめから、ティカルの鼻を見ても動揺しませんでした。歓迎こそしてくれませんでしたが、初対面ではティカルは顔を隠していたのでそのせいではありません。

お酒を持っていくようになって「生まれつきか?」と尋ねられた事はありますが、答えにくそうにすると、しつこく聞いてくることもなく、さりげなく秘密の抜け道のことに話題を変えてくれさえしました。

やっぱり、プラムは優しいのです。本人はそんなことないと言いたそうでしたが、やっぱりあの子豚の時代に、ぎゅってしてくれた男の子の本質のようなものは、月日が経っても変わらないのだと思いました。

はふぅ、とティカルがため息をつくとツツムが桶の向こう側で「やれやれ」と苦笑しました。


「ティカル!王がお呼びだ」

お昼のことです。ひとりの兵士が足早に近付いてきました。

「ぶひっは、はい…!」

今日の夜、どんな顔でお酒を持っていこう、恥ずかしくて顔が見られないかもと悩んでいたティカルは、まさかこんなに早く呼ばれるとは思わず、あたふたしながら兵士についていきます。

王のところに行く前に、どういうわけか着替えるようにいわれ、ここに来たときの服を久しぶりに着ました。
不思議そうな顔をして兵士についていったティカルは、思いがけない人物を見て、また鼻を鳴らします。

「ブヒュ!ファファ?!」

「お兄様!あぁ、会いたかった…!!」

お客様を迎える部屋にいたのは、なんと弟のファファだったのです。軽やかに駆けてきて、ぎゅっとティカルに抱きつきます。久しぶりの家族の姿にティカルも嬉しくなって、抱きしめ返しました。

「ファファ王子、我が王の前で勝手な行動は慎んでください」

しかし、どうしてここにいるのとティカルが尋ねようとすると、側近のオクの少し険しい声が飛びました。ティカルは彼の、いつもの無表情しか見たことがなかったので、怖い顔をしているのを見て驚きます。

また自然と、オクを従えるように椅子に座っているプラムとも目が合います。ドキンと心臓が煩くなって、ティカルはお辞儀をするふりをして、そろろと目をふせました。

一方ファファは面白くなさそうな顔をして、「申し訳ありません」と謝ると、ティカルから離れてプラムの正面に立ちました。
疑問符をいっぱい浮かべるティカルに、プラムが手招きして呼びます。また胸がきゅっとなりましたが、ティカルはおそるおそるプラムの横に行きました。

するとプラムはファファを立たせたまま、ティカルを自分の隣に座らせました。ファファは驚いて目を丸くして、ティカルはよくわからないまま、言われた通りに腰を下ろしました。

プラムがティカルに向かって話しかけます。

「ファファ王子も、社会勉強がしたいそうだ。数日ここにいることになった」

「そうなの?ありがとうプラム。兄弟そろってお世話になっちゃって」

「気にするな。知り合いもいない中、一人でがんばっていたんだ。同じ国の人間と話すのもたまにはいいだろう」

プラムの言葉にティカルは嬉しそうに微笑みます。
まだまだ恥ずかしい気持ちはありましたが、プラムが柔らかく話してくれるので、ティカルはなんとか普通に受け答えできました。

「今日からしばらく、仕事も休みにするといい」 

「ありがとう。そうするね。
ね、プラム。ツツムにお休みすることを謝っておきたいから、もう行っていい?」

「あぁ行って来い」

お礼を言ったティカルは、まだ座ったばかりでしたが、すぐに立ちあがって、「ファファ!またあとでね」と笑顔で去って行きました。
バタンと扉が閉まると、急に部屋の温度が下がったような気がします。

プラムはついさっきまでティカルを見ていた柔らかい眼差しを、スっと冷ややかな色に変えて、ファファを見ました。

「ティカルに迷惑をかけるようなことはするな。ここは俺の国だと肝に銘じておけ」

プラムの力強い目に、ごくりとつばを飲み込んで、ファファは小さく「わかりました」と答えます。そして、おずおずと自分の手紙のことを切りだしました。

「プ、プラム王…。僕が送った手紙のことですが、実はとても、僕にはどうしようもない事情が…」

「それはもういい」

しかしファファが言い終わる前に、ズバっとプラムが遮ってしまいます。そして外に控えていた兵士を呼び込み、戸惑うファファをさっさと連れていかせました。

プラムとオクだけになった部屋で、オクが静かに尋ねます。

「いいのですかプラム様。手紙のことを話そうとしていましたが…」

「向こうの理由など興味ない。こちらはティカルで満足しているからな」

オクが背後で「満足ってどういう意味ですか?」と尋ねたいのをどうにか我慢しているのを、気配で感じつつ、プラムは昨夜のキスでぽーっとなっていたティカルを思い出して、そっと微笑むのでした。


*****

子豚な王子様18

*****



「プラム。さっきのお花の意味っていつになったらわかるの?」

顔を隠す布を少しだけ持ち上げて、ペロペロと露店で買い求めた棒付きのアメを舐めながら、ティカルは隣のプラムを見上げました。 
町の少女からもらった花は、ティカルの服のボタン穴に大人しく収まっています。

するとプラムは、ティカルが食べきれなかったおまんじゅうを布の下で食べ終わったあと、クスクスと笑いました。

「もうすぐ始まる」 

首を傾げて、しかしプラムがそういうならもうすぐなのだろうと、ティカルはまたアメを舐めることに集中しました。
ふと顔をあげると、いつのまにか広場にはたくさんの人でにぎわっていました。

しかしどうしてか、ティカルは皆がそわそわしているように感じました。お祭りだからなのかなとも思いましたが、ティカルのように呑気にアメを舐めている人はいないようです。そういえば、ここに来るまではちょろちょろ見かけた、子供の姿がありませんでした。

「大人の人ばっかりだね」

ティカルがそうつぶやいた時でした。広場を照らす明かりが消され始めたのです。数え切れないほど提灯を、近くにいる人たちがウキウキした様子で中のろうそくを吹き消していきます。。

「ぷ、プラム…っ暗いよ」

小さい頃、暗い部屋にいたティカルは、暗いところが苦手でした。思わずヴィッツと呼ぶのも忘れて、その腕にぎゅっとしがみつきます。
小声だったためか、周りにきこえることもなく、プラムも何も言いませんでした。

「大丈夫。あとでまた灯すし、あのかがり火は消さないから」

広場の入り口にあるかがり火は大きすぎて消せないようです。しかし、じゃあそっちに行こうよとティカルが袖を引いてみても、プラムは悠悠とそこに立っています。仕方がないのでティカルは移動を諦めました。

広場がだんだん静まり返っていきます。何が起こるのだろうと、ティカルがごくりとつばを飲み込むと、おもしろがっているようなプラムの声が横から聞こえました。

「花火が始まるぞ」

その声を待っていたかのように、広場の夜空に、大きな花火が打ちあがりました。

「わ…ぁ…」

お城から遠くで打ちあがる花火を見たことはありましたが、こんなに真上で、まるで火花が落ちてきそうな大迫力の花火は初めてです。ティカルはまんまるに目を開いて花火を見上げました。

そして最初の大花火のあとは、次々に単色の花火が打ちあがります。緑、黄色、赤。
夢中で見ていたティカルでしたが、ふと、耳が変な音を拾いました。

きょろ、と周りを見渡しますが、暗くなった広場では人の輪郭のようなものしかわかりません。変な音は気のせいかな、と思ってまた花火を見ようとしたティカルでしたが、次のオレンジ色の花火が打ちあがったときに、見てしまいました。

若い男の人と、女の人がキスをしていたのです。
「ちゅっ」と音を立てて。

ティカルはどっと顔が熱くなるのを感じました。だってキスなんて、好き合っている人たちがするものです。したこともなければ、誰かのを見たこともありません。
大変なところを見てしまってごめんなさい!と心の中で覗き見てしまったことを謝っていると、ぐいと腕が引かれました。

「あ、ごめん…っ」

「どうして謝るんだ?それよりほら、」

そういってプラムが空を指差します。その指の先を辿るように見上げると、次に打ちあがったのは青い花火。

…のようでした。


青い花火のようだった、というのは、ティカルが花火を見ることができたのが、ほんの一瞬だったからです。
その一瞬のあとは、ティカルの顔の前には大きな影が差していました。

唇にも何か当たっていました。布です。顔を隠していた布です。しかしその布の向こうに、柔らかい何かが押し当てられていました。 

ティカルが、パチリと瞬きをするとまつ毛が、フワリと大きな影を、つまりプラムの頬のあたりを撫でました。

くすぐったそうに笑う振動が、唇から直接感じられます。
そこでようやく、ティカルはわかったのです。
プラムと、布ごしにキスをしているということに。

「プ、プラップラ…」

「し、」

ようやくプラムの顔が離れて、ティカルが泡を食って名前を呼ぼうとしましたが、プラムが人差し指を立てるのを見て、プラムと呼んではいけないことを思い出しました。
すると今度は、混乱した頭ではさっきまで呼んでいた名前が「ヴィッツ」が思い出せないのです。

そうこうしているうちに、花火は打ちあがります。赤、緑、オレンジ、そして、青。

「ぶひゅっ」

プラムが素早く、またキスしてきました。びっくりして、鼻が鳴ってしまいます。

そしてティカルは、ぐるぐる回る頭をなんとか使って、ようやくあの花の意味を理解しました。

さっき見てしまった若い男女。そのどちらもが、オレンジ色の花を身につけていました。
つまり、身につけている花と、同じ色の花火が上がったらキスをする、ということのようです。

また青い花火。ようやく意味がわかった様子のティカルに、プラムは今度はじわじわと顔を近付けてきました。じっと見つめながら。その力強い輝きを宿した青い目で。

花火の意味がわかっても、人間経験が浅いティカルにはどうしようもできませんでした。体が動かないのです。
3度目のキスは互いに目をあけたままでした。

花火はそのあとも続いて、その度にあっちこっちで「ちゅっ」「ちゅっ」とくすぐったい音が聞こえてきます。

しかしプラムとティカルの間には布があるので、その音はしませんでした。

だんだん、ティカルはそれがもどかしく感じるようになりました。顔を隠す布がなかったら、どんな感触なのだろうと、頭が好奇心でいっぱいになっていきます。


ふと、プラムがティカルに囁きます。

「次が最後だ。最後の大花火は、全部の色が入ってる」

「う、うん…」

きっと、プラムは大人だからこのお祭りを楽しませようと広場に連れてきたのであって、きっと、僕ほどドキドキはしていないのだろうとティカルは思いました。だからこのキスもプラムにとっては、大きな意味はないのだと。
そう思った途端、胸がきゅうっと縮むような気がしましたが、ティカルにはその意味がよくわかりませんでした。

最後の花火が打ちあがっていきます。ボっと遠くで音がして、尾を引きながら空へ、空へ。
そして地面を震わせるような大きな音と共に、いままでで一番大きな花火が咲きました。

横で、プラムがこちらに顔を寄せる気配があります。
その瞬間、ティカルは自分でも驚くほど大胆な行動を取っていました。こっそりと、顔を隠す布をめくったのです。
こうすれば、二人の間の布は、プラムの分の1枚になります。

ティカルは目を閉じて、その瞬間を待ちました。

「…」

触れました。しかしそれは、布の感触ではありませんでした。

柔らかくて、あったかくて。ティカルがハっと息を飲むと、向こうも同じようなハっと息をしたのが、鮮明にわかります。 

思わず目をあけると、驚いたような青い目がこちらを見ていました。同じように驚いていることに、ふっと安心したティカルは、静かに瞼を降ろします。


その最後だけ、小さな音がしました。



*****

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