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リハビリにお付き合いください。


子豚があんなかんじなので、たまにはエロを書いてみようという試みです。
大丈夫かな。。とにかくやってみます!


*****


「んっ…、竜逞、」

胸に沈む頭を抱いて、惣之助はもじもじと腰を揺らす。
じゅっと粘度のある音が聞こえて、「あぁ」と喘ぎながら顔に血が集まってくるのを感じた。

「そこばっかり、だめだって…」

少年の頃の細く骨と皮だけのようだった体から、青年期を終え、惣之助はいまや立派な成人になっていた。
立派と言っても、隣に竜逞がいたのではどの男も細身に分類されてしまうのだが。

背も高くなり、帯を締めた細腰から伸びる足はしなやかに、上にはそれなりに厚くなった胸と、なかなか小奇麗な顔が乗っている。
しなやかな足も、毎回余すところなく舐めしゃぶるほど竜逞のお気に入りだが、とりわけ彼は惣之助の乳が好きだった。ほどよく脂肪が乗り、弾力があって、真ん中には普段はつつましいのに、挨拶するとまるで返事をしているようにツンと尖る。そこが健気で可愛いと、吸ったり舐めたりを止めてくれない。

乳輪がとりわけ感じることなどとっくに知られていて、クリクリと舌を尖らせて舐められて、くたりと体から力が抜けた。

「大丈夫か、惣」
「ん、も…、こっちを…」

腰を抱いていた手を剥がして、尻を掴ませる。竜逞は嬉しそうに笑いながら、しかしまだ乳へ未練があるのか、ちゅ、と吸い付いてようやく開放してくれた。

昔から竜逞は準備に恐ろしいほど時間をかける。ほろほろのぐずぐずに解けて、惣之助が「やだお願いばかもう入れて」と懇願してもなお、穴を解し、全身を撫で、口でも指でも、持て得るすべてで惣之助を愛すのだ。

「あぁっ、はぁ、竜、て…ッ」

自分達で建てた酒蔵の奥の部屋の、持ち込んだ布団の上。尻を高く上げて、惣之助は潤んだ目を竜逞に向ける。

「欲しいっ…早く」
「あぁ・・・」

ここのところ忙しかったため、抱き合うのは久々だった。竜逞も実は切羽詰まっていたらしく、鼻息荒く惣之助に覆い被さる。油を使って解かした穴がヒクヒクと動くのが、先端を当てた竜逞に伝わっているだろうか。

「んぁ…ッヒ、」

ぐぬと押し入ってくる塊に、ガクガク腰が震える。耳もとで竜逞が堪らなさそうに低く呻くと、キュンと穴が絞まり、二人して間抜けな声を上げた。

「アァッ、きも、ち…。竜逞、りゅうてぇ」
「惣…、動くぞ」

コクコク頷いて了承を示すと、がっしと腰を捕まれた。

**


「ハァー、ハァーッ」

この場から一歩たりとも動いていないのに、どこへ走ってきたのかというほど、二人の息は乱れていた。あれから正面から後ろから抱き合って、今はまた正面で抱き合って、惣之輔の間には竜逞が挟まっている。

「抜くぞ」

額の汗をぬぐおうとしても手が動かせないなとぼんやり惣之助が考えていると、しばらく脱力していた竜逞が体を起こした。しっかりと腕で自分を支え、慎重にはまっていた穴から抜け出していく。
「んぅ」と鼻にかかった声を上げて、それを見る。すっかり抜け終えて、惣之助の足の間でなぜか正座した竜逞は、ほぅと満足したように息を吐いた。

「疲れた?」
「大丈夫だ。待っていろ、湯を持ってくる」

そういって着物を手繰り寄せる竜逞に、珍しく「あぁ、ちょっと待って」と事後はほとんどぐったりして話すこともできない惣之助が引き止めた。

「どうした」
「う、うん。あのさ」

これ以上恥ずかしいこともないだろうというほど、互いに曝け出しているのに、惣之助がモゴモゴと口ごもる。再度竜逞が問うと、ひっくり返ったカエルのように寝転がったままの彼は、そっと口を開いて。

「膝を、閉じさせてくれるか…?
力が入んなくて、さ」

えへへ、と照れを隠すように笑った惣之助の胸に、竜逞は何も言わずに突っ伏した。

*****

閉じたくても閉じない膝、好きです☆

兄弟もの。


今日は調子にのってもう一つ書いてみます。
藪からスティックですが、実は兄弟ものって苦手だったのです。が、あるweb小説を読ませていただいて食わず嫌いだったなぁと思い知りました。

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、異世界王朝で、兄弟で、緑土なお話です。
ここで人様の作品を勝手に紹介してしまっていいのかわからないため、ぼやっとした表現ですみません。はじめて読ませていただいたのは3年前で、先日読み返したのですが、やっぱりものすごいです。読み終わるまで寝不足とハンカチが必須な私です。
とりあえず先ほどの三つ目のキーワードが最重要なので、気になった方は是非!

なんと書籍化されるそうです。おめでとうございます!楽しみです!!また泣くんだろうなぁ!

というわけで、一人で大盛り上がりの弟×兄のお話です。ご紹介した作品とは設定から大違いです。ご注意を。

*****


「駿(すぐる)兄ちゃん。俺、あの実が食べたい」

それが、すべてを狂わせた言葉だった。

「うーん高いなぁ。勝(まさる)はここで待っておいで」

優しい兄は、たいして木登りが得意でもないのに、俺の願いを叶えるべく、あの細い手足を懸命に使ってあの実を取ろうとしてくれた。
何の実だったか、どういうわけか思い出せない。

実をもぎって、ほっとした兄の顔はとても覚えている。ぐらりとかたむく体も、俺を見つめながら逆さに落ちていく瞬間も全部。

「にいちゃん!兄ちゃん!!」

あの時、すぐに走って助けを呼びに行ったら、未来は変わっていたのか。
しかし俺は間抜けにも、ただただ泣き叫び、頭からドクドク血を流す兄の体を揺すっていた。

尋常ではない俺の泣き声に村の誰かが気付いてくれて、わりあい早く助け出されたらしいが、俺にはずいぶん時間があったように思う。
とにかく父も母も、真っ青な顔で、医者と、それから仏様に何度も拝んでいた。「お願いします。どうか命だけは助けて下さい」と。頭がよくて、ゆくゆくはこの村を束ねる器量を持っていると自慢の兄だったから。
何も出来ない俺も、一緒に拝んだ。

その甲斐あってか、兄は一命を取り留めた。
目が覚めた兄は、父も、母も、もちろん俺のことも、わからないようだった。
頭を打った衝撃が強かったのだろう。医者はそういって、気長に構えるように両親を説得していた。
しばらくすると兄は、俺たちの顔を思い出したようで、顔を見れば父を「お父さん」母を「お母さん」俺を「勝」と優しい声で呼んでくれるようになった。俺も両親も心底安心した。

しかしそれが本当の回復ではないと気付いたのは、兄がようやく床から起き上がれるようになったころ。
俺はその日、友達の吉太の家の馬が、仔馬を産むところをどうしても見たくて、吉太の家に泊まることにした。

これがなかなかの難産で、仔馬が産まれたのは次の日の夜の遅い時間だった。結局もう一日、吉太の家に世話になってしまったが、一生懸命立ちあがる仔馬の姿はとても格好が良かった。
そして次の日の朝、早くこの感動を伝えたくて、朝飯も食べずに俺は自分の家に走る。

しかし俺を見た兄は、いつものように「勝」とは呼ばずに、首を横に傾げた。

「君は、だれ?」

母は悲鳴をあげて、「あなたの弟よ!勝でしょ?わかるでしょ?」と兄の肩をガクガク揺さぶった。父はただぼんやりとその様子を見ていた。

兄、駿の記憶が丸一日と持たないことがわかると、両親はそれを村の人間に隠すことにした。
家から一切出ないように言いつけると、両親は俺を長男のように扱い始めた。まるで駿という長男がいないみたいだった。
俺は、兄を、確かにここにいる兄を、いなかったように扱うのはどうしても嫌だった。
同時に、そう振舞える父母が怖くなった。だが、それを覆すには、俺は頭が悪かったし、子供だったからできなかった。

両親が兄と食事をしたがらないので、奥の部屋でほとんど毎食、俺は兄と飯を食った。



***


それから10年くらいの時が経った。
家から出してもらえない兄は、色が白く、腕も腿も俺の太さの半分もない。顎がすっとしていて、村のポチャポチャした娘たちよりも、俺は兄のほうが美人だと常々思った。

俺は駿を、兄と見られなくなっていた。
体を動かさず、食も細いせいで、体の成長が遅いのか、兄に男の印が出たのは、なんと俺よりも後だった。
ある朝、真っ赤な顔で、「勝、誰にも言わないでおくれ」と困惑して泣く兄の姿に、俺はもう、一生この人と離れて暮らすまいと誓った。忘られてなるものかと心に誓った。

しかし、村を大不作が襲った。今年だけではない。去年もだ。もう領主のところにも蓄えはないらしい。そんなことはないだろうに。
俺を含め、村の若い男たちは、揃って出稼ぎにいくことになってしまった。兄は病弱だと言われて免除されたが、このままでは何日も兄と離れ離れになってしまう。兄は、俺を忘れてしまう。

俺は考えに考えて、兄に、俺の絵を描かせた。家の中で兄が唯一出来ることと言ったら、筆を持つことだけだったので、自然と兄は絵が上手になっていた。
そっくりに描かれた俺の顔を見て、兄は「これを毎日見れば忘れない」と喜び、更にはその紙の端に、俺の名前と「私の記憶は一日しか持たない」と丁寧な字で書いた。兄には酷なことだろうが、俺は兄の状態を正しく教えていた。毎日教えたので、兄はそれを理解していた。

俺は出立の前の晩、兄を外に連れ出して、抱いた。
兄はオロオロしていたが、俺が「寂しいからこうしたい」と言うと、何も知らない兄は「寂しいときはこうするのだな」と頷いて、俺にしがみついてきた。


「あぁ、勝、勝…、苦しい…」

「もっと俺にしがみついて、もっと爪を立ててくれ」

「でも、んぁ、ア、いた、痛い、だろ…?」

「いい。兄さんがつけるなら、いくらでも我慢できる」

「ぁあ、んァ…、勝、早く、帰ってきてくれ。俺も、寂しい…」

「駿・・・、」

***


翌日、俺は後ろ髪を引かれながら村を出た。栄えた町にはいろいろなものがあって楽しそうだったが、俺はどうにか早く稼いで村に帰りたかった。だが、そう簡単に稼げるものでもなく、なかなか帰れなかった。

ようやく帰ってきたとき、兄が家からいなくなっていた。
両親を問いただすと、とうとう自分たちの食べる物がなくなって領主の家に働きに出したという。何も教えられなかった兄がまともに働けるはずもなく、それがどのような意味を持っているかわかっている両親を、よくぞ俺は殴り飛ばさなかったと褒めてやりたい。
俺は知っていたのだ。領主の息子が、兄よりも少し年のいった男が、取り立てのときに偶然兄を見て気に入っていたことを。

俺は慌てて領主の家に走った。応対したのはやはり領主の息子で、俺に賭けをもちかけてきた。

「君の兄上が、君を覚えていたら帰してあげよう」

「兄に何をした…」

舌打ちする俺に、領主の息子はニコニコ笑って、お前の兄は可愛いなと言った。

「面白い絵を持っていたからな。借りていたら「忘れるから返して」と泣くので、私が弟だと言ってやっただけさ」

息を飲んだ。この男は兄を騙したのだ。領主の息子が「寂しいからと抱きついてくるのは可愛かったぞ」とクスクス笑うのを、頭から湯気をあげて睨んだ。
どう考えても俺が不利だ。しかし兄は取り返さなければならない。忘れていようが構うものか、会った瞬間、そこらじゅうに居る人間を張り倒して逃げる、そう思いながら兄が連れてこられるのを待つ。

障子が開いて、兄がやってきた。目が真っ赤だ。泣かされたのだろうか。
俺はゴクリと唾を飲んだ。兄はきっと、俺のことを覚えてはいない。

しかし、俺の顔を見た兄は、

「勝!!勝!!」

そういって顔をくしゃくしゃにして俺に抱きついてきた。どういうことかと俺が目を白黒させていると、領主の息子は至極つまらなさそうに「残念」と言った。

「君の兄は、記憶は続かないが頭は悪くない。普段から見る君の絵の他に、もしものときのためにもう一枚描いて、帯にでも縫い付けていたようだ。
おととい突然「お前は弟じゃない!勝じゃない!」と泣きながら暴れられて、大変だったよ。

あぁ安心してくれ。私は綺麗なものを愛でるのは好きだが、男を抱くのは趣味じゃないのでね。何もしていないよ」

領主の息子が何か言っていたが、俺は泣きじゃくる兄を抱きしめるので忙しく、領主の息子を殴り飛ばすのはやめにした。

それにしても、おとといに俺の絵を見つけたのなら兄は丸一日以上、俺を覚えていたことになる。後からの絵も、あの領主の息子が隠したと言っていたから、兄は必死に俺を忘れまいと頑張ったのだろう。悔しいことだが、この緊急事態は兄の記憶力を上げたらしい。

とにかく俺は賭けに勝ったので、兄は領主の家から解放された。手を繋いで、歩きながら俺は兄に提案する。

「兄さん、この村を出よう。ここにいたら、また不作が続いて、今回のようなことになるかもしれない。

だから、この村を出てしまおう」

「勝と、もう離れないですむのか?」

震える兄を抱きしめて、俺は大きく頷いた。もう兄が覚えている人間は俺しかいない。領主の家に行ったことで、兄は両親すらも忘れていた。だから俺も、両親を忘れようと思う。両親だって、兄が忘れるのを承知で外に出したのだ。
俺は兄の居場所のないあの家に、帰る気はなかった。

***

年老いた両親が探しに来れないような遠くへ俺たちは旅に出た。その道々で、初めての外の世界に触れ、兄は楽しそうに絵を描く。ある時からそれを売ってほしいと言われ、俺が間に入って売ってやると、旅の資金が出来た。



「兄さん、にいさん…」

「ん?また寂しいのか?ふふ、勝は一緒に居ても寂しがり屋だな」

「うん。寂しいんだ。早く温めてほしいんだ…駄目か?」

「駄目じゃないさ。ん、あふ…、あぁ勝、まさる…」

ひとつところに留まることはできないが、俺は兄がいればどこでもいい。
人が、それは間違っていると言っても、俺たちにはこれがいい。死に逝くまで共にいよう。


猫の日と聞いて!2017

猫の日ですね!
私は犬とは長く暮らしていましたが、猫は一度もないのです。
どなたか猫あるある教えてください!

あとイヤイヤ期、勘違いしてるかもです!


*****


「やニャっ」

「やじゃねぇだろ。食べろ」

「ヤにゃー!!ニャー!!」

後半のニャーはほとんど「ギャー」に近い。犬頭の獣人イギュは少しでも耳に入ってくる音量を減らそうと、ピンと立った耳を寝かせた。

「大丈夫にゃ?イギュ。交代するにゃ」

かれこれ30分は繰り広げられている攻防を見かねて、仕事場である1階から、生活スペースである2階へ夫のマヤがやってくる。

「悪い。頼む」

クタクタのイギュからスプーンを受け取り、マヤはベビーチェアの前に陣取った。

「リンクス〜。ご飯にゃ。おいしいよ〜?」

「ぐすっ、やにゃぁ」

「どうしてにゃ?こんなにおいしいものを食べないにゃんてもったいないにゃ〜。
あ〜、ニャーが食べちゃおうかな〜?」

「!!やニャー!!」

「じゃあ食べてみるにゃ?」

「やーにゃー!!」

長男次男とも、多少のイヤイヤ期はあったが、末っ子のリンクスほどではなかった。それとも自分たちが年をとって、体力や根気がなくなってしまったのか。
食べさせようにもじたばた暴れるため、椅子の周りは大惨事。イギュは気合を入れ直して、困りきっているマヤからスプーンを奪った。

「一回休戦するぞ。眠ったら機嫌も直るかもしれねぇし」

「わかったニャ。イギュも少し休むといいにゃ」

わかった。と頷いて夫を仕事場に帰し、リンクスを抱き上げる。
するとそれまでの悲鳴がとたんに消え、末っ子はイギュの胸に手をあてた。

「こまったなぁ。お前がそんなに乳好きになるとは思わなかった…」

ムイムイと非力な腕で懸命に催促してくる赤ん坊に苦笑が漏れる。末っ子で始めての猫頭とあって、気をつけていたつもりだったが、少々乳離れの時期を間違えてしまったようだ。

「まーまー」

「うんうん。いいから寝ちまえ」

背をとんとんと叩いてやると、うとうとし始める。腹が減っていて、さすがに限界だったのか、リンクスはすんなりと眠ってくれた。

顔を覗き込む。マヤにそっくりな猫頭はやはりたまらなくかわいい。もちろん上の二人もかわいいが、彼らがこのくらいのときは、世話に忙殺されていてゆとりが足りなかったように思う。

「兄ちゃんたちが帰ってきたら、いいところ見せような〜」

末っ子が何かするたびに、小躍りせんばかりに喜ぶ兄たちはまだ学校だ。
二人の鼻息がリンクスにも気合を入れるのか、兄二人が見ていると末っ子は意外とお利口さんなことが多い。

「にゃ〜」

イギュの言葉に夢うつつに返事をするリンクスを抱いて、ごろりと寝転んだ。

犬の日と聞いて!2016


うっかり11月1日にスル―してしまったので、11日に滑り込ませます!


*****


「うわぁあ〜かわいいですねぇ〜!」

「あぁ、いつまでも見ていられそう」

犬頭の獣人イギュは頭を掻きながら「ありがとうございます…」と家にはない見事な装飾が施されたゆりかごを見た。
中に入れられているのは、先日産まれた第三子リンクス。
なんと待望の、猫頭の子供である。

イギュももちろんマヤに似た猫頭の赤ん坊にメロメロだが、彼以上にメロメロだったのが、夫であり城お抱えの服職人マヤと、彼らの息子たちプローとキオンだった。

城での採寸中で、もしくは学校で、やんややんやと末っ子がかわいいと連呼する彼らに、王妃と世話係が見たいと言いだして、イギュの回復を待って今日城にやってきたのである。

「これはプローたちが大騒ぎするのもわかるなぁ」

「あっ笑った!かわいい〜」

呼ばれていたクエナの子ロウとチュヤの子ハクも目じりを下げて覗きこんでいる。当のマヤや兄たちはここにいると末っ子自慢が止まらなくなるので、イギュによって家に置いていかれていた。

そうは言っても、さすがにマヤは連れてくればよかったかなと、王妃を前に言葉が続かないイギュ。
しかも昔、このクエナという人間が捕虜だった時代に彼に無体を働いたことがあったため、どうにも居づらい気持ちがした。

「イギュさんはどこでマヤさんと出会ったんですか?」

「え?!えぇと…この、城で、」

突然のチュヤの質問にイギュは困ったように答える。生活圏内での話にもちろん人間二人が食いつく。

「そうなんですか?」

「はい。まだ新人だった彼が、クエナ様のお部屋がわからずに迷っていたんです」

その頃の記憶を辿っているのか、クエナが「そう言えば道に迷って少し遅れた職人がいたなぁ」と天井を見て呟いている。

「それから?城でよく会うようになったんですか?」

母親につられたのか、今度は獣人の子供一の美人と名高いハクが興味深そうに尋ねてきた。
イギュは「あ〜」と視線を彷徨わせるが、ここで嘘をついてもいずれ、もしくはすでに、夫によって真実が明かされてしまいそうだと思い、正直に答える。

「いえ、俺が…、店まで行きました」

「「へぇ!」」

「「へ〜」」

反応がそっくり同じところはやはり親子なのだなぁと変なことろで感心しつつ、恥ずかしそうにイギュはまた頭を掻いた。


***


「つかれた・・・」

「おかえりにゃ!」

「お疲れ様ニャ〜」

「リンクスもお帰りにゃ!」

城から帰ってきたイギュは、夫と息子たちに迎えられて、抱えていた赤ん坊を預けた。兄弟が取り合うように赤ん坊を抱っこするなか、マヤがイギュのところにやってくる。

「大丈夫ニャ?」

「元職場とは言っても、やっぱり勝手が違うな…。
皆かわいいって言ってくれて、嬉しかったけど」

店はもう閉店後なので、一階にはマヤたちの家族しかおらず、イギュはくったりと、マヤが引いてくれた休憩用の椅子にもたれた。

「緊張したかにゃ?少し寝るといいにゃ」

「あ〜そうする。・・・でも」

「にゃ?」

早くも眠そうに目をシパシパさせながら、しかしイギュはマヤを見てトロリと笑う。

「こうして、王妃様に会えて、話が出来てよかった。

マヤのおかげだ。ありがとな」

昔の罪の事は、マヤも知っているため、そのことを察してマヤは神妙な顔でイギュの頬を撫でた。

「にゃーのおかげじゃないにゃん。イギュの愛のおかげにゃ」

「んな恥ずかしいこと言うなよ」

眠そうにクスクス笑うイギュに、ちゅっちゅと口付ける。

「愛してるニャ。イギュ」

「ん、俺も」

そう言ってウトウトと眠りに落ちたイギュを見つめて、マヤは背後でリンクスを奪い合っている兄弟を振り向いた。

「プロー、キオン」

「「ん?」」

「リンクスを頼むにゃ。しばらく一階で遊んでてくれニャ。
あと、仕事道具には触らないように」

普段は仕事中にしか見せないキリっとした顔の父に兄弟は気持ち背筋を伸ばす。

「わかったにゃ」

「まかせてニャ」

大きく頷きあうと、マヤはトロトロと寝てしまっているイギュの背とひざ裏に腕を差し込んで、掛け声もなく、ひょいと持ち上げた。
そしてふらつくことなく、同じくらいの身長のイギュを抱えて、生活スペースである二階に上がっていく。

「・・・」

「・・・」

そんな父と母を見送って、弟は末っ子の頬をつつきながら尋ねた。

「おとうとおかあ、寝たのかニャ?」

兄はうーんと腕を組む。

「おとうがああいう顔をするときは大体、明日のおかあは起きてこないんだニャ」

「にゃんでにゃ?」

「にゃんでかにゃぁ」


首を傾げる兄弟につられて、猫頭の赤ん坊も「にゃ?」と首を傾げたのだった。



*****

マヤは実はすごく力持ちです。大きい巻いた布とか扱うのでね!
プローとキオンが星座からもらったので、リンクスも「やまねこ座」からもらいました。

春のトロトロ祭りその3

先週、すでに準備していたはずの文章がすっぱり消えてしまっていて泣きました。
春というかすっかり初夏、梅雨入りしちゃいましたが、どうぞ!


「寝てる間に」(お役目さまより竜逞と惣之助)
***




近所の若者たちの寄り合いに連れ出されていた竜逞は、そっと部屋に戻ってきた。
部屋の真ん中で、こんもりと盛り上がった布団に近付き、耳をすませる。

「・・・」

布団からちょこんと頭頂部だけ覗かせて、すっぽりと布団を被っているのは、もちろん惣之助だ。

惣之助は寄り合いには参加していなかったので、すっかり寝入っている。

その寝顔を覗きこみながら、出会ったころより精悍になったなと思いつつ、竜逞はこくりと喉を鳴らした。

寄り合いで、こんな話が出たのだ。

曰く、「ねぼけている嫁はエロい」のだとか。
ただしそれを実行した男は、翌日しこたま嫁に怒られて、口に出来ないような罰を喰らったそうだが。

それを聞いていたときは、周りの男衆と笑っていたのだが、帰って来てみて、あどけない顔で寝ている惣之助を見ると、むくむくと欲求が湧いてきてしまう。
惣之助は成人して、ますます色気が増してきた。いまさら寝込みを襲っても、と頭では思うのだが、ここで好奇心に負けてしまうあたり、その日の竜逞はそれなりに酔っていたらしい。

もそもそと惣之助の寝ている布団に潜りこむ。
布団の中は彼の匂いと体温が充満していて、竜逞はごくりと唾を飲んだ。

仰向けの惣之助の胸もとに手を乗せる。布ごしでは乳首がどこにあるのかわからずに、しばらくさわさわと彷徨うことになったが、ようやく目当てのものを見つけて、くるくると擦ってみた。

「ん・・・」

声が出たものの、まだまだ惣之助は起きる気配はない。
布ごしでも乳首が立っているのがわかるほどになっても、短い声をあげるだけで目覚めないようなので、竜逞の手は徐々に下に降りて行く。

股のあいだを、大きな手でゆっくりと撫でてやると、さっきよりも大きな声が出た。

「んぁ…?竜、てい?」

さすがに急所を触られては寝てはいられない。しかし声はぼんやりとしていて、半分は眠っているらしい。
それをいいことに、竜逞は直に惣之助の一物を撫でた。

「んっんっ、ぁ、…?」

あまり一気に鋭い刺激を与えないように、ゆるゆると擦っていく。
気持ちいいのと眠いのとで、惣之助は口からは意味のなさない言葉ばかりがこぼれた。

「りゅうて、ん、ぁ、おれ、…ぅん、あ、ふ」

覚醒しきらないように惣之助にゆるい刺激ばかり与えながら、竜逞はちゃっかり後ろの穴をほぐしにかかる。
さすがにその頃になると、惣之助も何が起こっているのかだんだん理解してきたらしく、手が竜逞の肩に置かれた。

「ん…、する、の?…ぁ、竜てい、」

「・・・」

話しかけたら完全に起こしてしまいそうで、ずっと黙っていたのだが、惣之助はそれがあまり気に入らないらしい。
「んー」と唸って、トロンとした目で見つめてくる。

「なんか、言って」

「…あぁ、入れたい」

小さく耳元で答えてやると、惣之助はふにゃりと笑った。
肩を掴んでいた手をそろりと動かして、竜逞の一物を大胆にも撫でてくる。

「へへ…おっきい」

着物の上から、形を確認するようにスリスリと掌を擦りつけてくる。
堪らなくなって、竜逞は惣之助の小さい手を取ると、さっき触っていた彼の胸に手をあてさせた。

「…ここ、自分でいじってくれ」

「ん、…ぁ、んっ」

それぞれの乳首に手を乗せられた惣之助は、竜逞の言葉をよく理解していなかったようだが、手近にあった目標を従順に弄り始める。

くねっと腰を捩らせて、まだ中に入っている竜逞の指を締め付けながら、惣之助は自分で着物を肌蹴て、己の乳首をクリクリと擦って見せた。

「あ、ぁん、きもち…っ、ちくび、」

「乳首、好きか…?」

「ん、ん…。ちくび、すきぃ」

もじもじと悶えながら、自分の乳首を弄る惣之助に、竜逞は大いに煽られた。
体勢を整えながら、ぼそぼそと耳元で話し続ける。

「他に、好きなのは?」

「あ、きもちいの全部、すき…。

竜逞のが、いちばん、で…、

おしりに、りゅうていがはいってくるのが、すきぃ」

「…っ惣之助」

堪らずに竜逞は、惣之助の名前を呼びながら、腰を抱えて挿入する。
心なしか、いままで寝ていた惣之助の中は熱く、あまりの気持ちよさに歯を食いしばって耐えなければならないほどだった。

「あっあっ、りゅうてぇっ
あつ、あついぃ〜」

「あぁ、俺もだ」

仰向けの惣之助を押さえ込んで、腰を動かす。
よく見ると、惣之助は未だに自分の乳首を弄っているらしく、そこはぷっくりと腫れていた。

「あぁあっりゅうていッ、も、くる…!きちゃうッ」

「惣之助…ッ」

最奥をゴリゴリと擦られて、押し出されるように達した惣之助は、再び眠りの淵に落ちたのだった。


**


翌朝、目が覚めた惣之助は、きょときょとと自分の周りを見回す。
隣にはいつものとおり竜逞がいる。そして記憶の片隅にはぼんやりと、昨日、否正確には今朝、竜逞と致したような気がするのだが、その発端が惣之助には思い出せなかった。


成人してからも、やはり仕掛けるのは惣之助が多いのだが、どうやら昨日は竜逞から誘いがあったらしい。でもその記憶がない。


なんだかもったいないような気分になって、惣之助は隣でいびきを掻いて寝ている竜逞を見る。


「ちくび、いた…」


やはり首を傾げる、惣之助だった。


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