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あーあー臣ったら!


はい。まんまと捕まってしまいました★

子豚な王子様2


子豚の王子、ティカルは7歳になりました。やはり呪いは解けず、子豚の姿のままです。 
相変わらず、城の一番奥にある、光のあまり入らない部屋で、ひっそりと暮らしていました。

5歳になるあたりから、ティカルはうっすらと自我が芽生えてきていました。
そしてピテの言葉の端々から、いろいろなことを知りました。


自分が王子であること、

本当は人間であること。

母である妃に嫌われて、この部屋から出ることは出来ないこと。


ピテはとても優秀な侍女で、心の優しい女性でしたが、まさか外見が子豚であるティカルが、こんなにも人のことばを理解できるとは、思いもしなかったのです。

そんな7歳のある日、ティカルは自分には大きなベッドの上で丸くなりながら、耳を澄ませていました。
城の奥にあるこの部屋は、あまりいろんな音は聞こえませんが、その分、誰かが近付くとすぐにわかります。

大抵はピテの足音ですが、たまには違う足音がします。最近、そのたまに来る足音の主は魔法使いのもので、ティカルをいつか人間にしようとがんばってくれている人のものだとわかりました。

そんなことを考えていたティカルは、耳をピクピクさせました。足音が聞こえてきたのです。

なんだがとても軽そうな足音です。小柄なピテよりももう少し小さいようです。

「ピ?」

不思議な足音はまっすぐここに向かっているわけではなく、あっちにいったりこっちにいったりしています。 
顔をあげて、耳を澄ませていると、いよいよこの部屋にその足音がやってきました。



他の部屋ならありえないことですが、この部屋は時に廊下より暗いことがあります。
その時もそうでした。

開かれた扉から差し込む光で、ティカルは一瞬眩しくて目を閉じてしまい、誰が入ってきたかわかりませんでした。

「子豚だ…」

はっとして目をあけます。

はじめて聞く声です。

扉から顔を覗かせていたのは、利発そうな、男の子でした。



男の子は不思議そうに、ベッドの上にいる子豚を見ました。
子豚は本来、城にはいないはずです。一般の家の中にだっていないはずです。そしてベッドでは寝ません。たいがい藁です。

それがどうしてか、城の奥の、それも藁ではなくベッドの上に子豚。
目をパチパチさせて、男の子は部屋に入ってきました。

ティカルも、じーっと男の子を見つめました。ピテより小さいけど、どうしてか、ピテにある柔らかい雰囲気が彼にはありません。
どちらかというと、あの魔法使いに似ています。

実のところ、ティカルは男と女の違いがよくわかっていませんでした。ティカルにとって、生まれて初めて見る男の子だったのです。

男の子はティカルの前までやってきて、興味深そうにしゃがみこみ、子豚を覗きこみます。

「ここはお前の部屋か?面白い子豚だな」 

そういって、隣の国の王子プラムは、ティカルに微笑みかけ、抱き上げました。 


「ピ!ピギッ」

「あ、こら暴れるな。落ちるだろうが」

驚いて暴れるティカルを、少々きつめにプラムは抱きこみました。

その瞬間、ティカルはとてもドキドキしました。そして、ポカポカしました。
力が抜けて、大人しくなってしまいます。

そんなティカルの頭や背を、プラムはよしよしと撫でました。

「お前、利口だな。いい子だ」

ピテは、ティカルを恭しく持ち上げることはあっても、腕の中に抱いてくれることありません。ティカルや子豚が嫌いなのではなく、侍女なのですから、それは仕方のないことでした。 

だから、これがティカルの初めての「ぎゅ」でした。今日はいろんな事が多過ぎて、ティカルはクラクラしそうです。

「ここの王子がうるさいんで、逃げるついでに探検に来てよかった。

僕の名前はプラム。なあ、また会おうな」

そういって、プラムは元のようにティカルをベッドに降ろすと、扉から外をキョロキョロ見て、 嵐のように去って行きました。

「ピィ!ピキィ!!」

ティカルは思わず叫んでいました。
意味なく啼くと、ピテが怒られてしまうので、普段は絶対にしないのに、どうしても我慢なりませんでした。

(また会おうね!僕はティカルだよ!!)

言葉が通じないのは寂しい、そう強く思いました。 


***** 

お察しの通り、プラムはのちの攻です(笑 

子豚な王子様1


ある小さな国の小さな城で、大変大きな事件がありました。
その国の若い王様とお妃さまの間に、子供が産まれたのですが、

なんと王子が、子豚の姿で産まれてしまったのです。

お妃さまは泣き叫び、従者たちはおろおろしました。
誰の目にも、それは王様を快く思っていない者の呪いだとわかりました。

偉い魔法使いを呼びよせて直させようとしましたが、呪いの力が強くて、人の姿に出来ません。

そうしている内に、お妃さまは子豚を殺すように王にお願いしました。
もう、見ているのが辛いのです。あんなものを産んだことを忘れたいのです、と。

王様は悩みました。それというのも、実は、王だけは呪いをかけた人物がわかっていたのです。

その晩、こっそりと城を抜け、王様は森にある一軒の家に向かいました。戸を叩くと、中から深くフードをかぶった女性が出てきました。

「お願いだ。息子にかけた呪いを解いてくれ」

王様は懇願しましたが、女性は頷きません。王様は食い下がります。

「このとおりだ。
あの子には何も罪はないじゃないか」

頭を下げてそういうと、ようやく女性が口を開きました。とても冷たい声でした。

「罪ならあります。あなたが他の女と結ばれて産まれてきたという大きな罪です。

あなたは、私と結婚してくれると約束してくれたのに、あの美しい女と結婚した」

「それは…っ」

王様が何か言う前に、女性はぱっとフードを脱ぎました。女性の顔は、目の大きさが左右とてもばらばらで、鼻はとても上を向いていて、正直にいうと、美しいという言葉はとても当てはまりませんでした。

「私がこんな顔だから、あなたは嫌だったのでしょう?
それなら結婚しよう、なんて言ってほしくなかった!!」

王様は辛そうに顔を歪めました。

「確かに君を裏切ったことになる。でも、聞いてくれ…」

「帰って!」 

そういうと、女の人は戸をバタンと閉めて、奥に行ってしまいます。
王様は悩みましたが、しかし諦めて、またこっそりと城に戻って行きました。

そうして、お妃をなんとか宥めて、子豚の王子を彼女の目に触れさせないようにすると約束し、王子を殺すことをしませんでした。

子豚王子は一応「ティカル」と名付けられ、城の、一番奥にある光のあまり入らない部屋で、ひっそりと暮らすことになりました。
知っているのはほんの少しの従者だけ。国の住人たちには「王子は重い病気である」と嘘をつきました。



ティカルは何年経っても、大人の豚になることはなく、ずっと子豚の姿のままでした。
彼を王子として扱ってくれるのは、侍女のピテだけです。

ティカルが産まれた2年後に、また男の子が産まれましたが、彼には何人もの侍女がいて、教育係や専属の医者までいました。まるで正反対です。

それもそのはず、弟王子はまともな人の姿をしていて、それもとびきり可愛らしい子供だったのです。皆はファファと名付けられた弟王子に夢中でした。


「ティカル様。今私は、いくつのリンゴを持っていますか?」

「ピィ、ピィ!」

「大正解ですわティカル様!やっぱり王子は子豚の姿だけど、人間なんだわ。

あぁ、ティカル様にもちゃんとお勉強を教えてくれる方がいらっしゃればいいのに…。
学のない私では足し算引き算が精いっぱいです…。ごめんなさい王子」

そういってシクシクなくピテの膝をつんつん突いて、ティカルは「泣かないで」と慰めるのでした。 



*****

どんななるんだこの話!!

あとちょっとと思う!


謎の少年も出てきたところで、どうにかラストに繋げたいなぁという今日この頃です。
ふぅむ。難しいなぁ…。

気分転換に、またなんかおかしな話でも書いてみよう!

次のキリ番は!


まだ先の話ですが、次のキリ番を「4567890」にさせて頂きました。
サイトトップを見るたびに4の羅列を見るのもなんだかなぁと思ったので…。

よろしくお願い致します! 



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