GWももう終盤ですが、ちょっと短いお話しをどうぞ!
「初めての寝バック」(毒虫の母君よりハルとカイ)
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「あ、んっ
うんんっ、…は、ハルさ、んッ」
「ん…何?」
抱きしめていた枕から顔を上げたカイは、息を切らせながら後ろを振り向いた。
「ご、ごめ…っもぉムリ…」
今にも泣き出しそうな顔で謝るカイに、名残惜しそうに腰の動きを止めたハルは、彼の言わんとするところを察した。
「あぁ、ごめん。気持ちよくて夢中になってしまった」
そういって、ズルリとまだ滾っているものを引き抜く。ブルリと腰を震わせたカイは、後ろがからっぽになった途端にベッドにコロリと横たわった。
ハルは呼吸を整えながら、カイの腰を労わるように撫でる。
短時間であれば歩けるようになったとは言え、成長途中の大事な時期に長年ヲーンを産まされたカイの体は、長時間同じ姿勢でいることが難しかった。
立つことはもちろんだが、椅子の上でも時折は動かねば腰が痛くなってしまうし、何より性行為に関しては同じ姿勢な上に、動きが加わるので、彼の負担は計り知れない。
しかしかといって禁欲することはお互いに我慢も出来ないため、行為の時はハルがこまめに姿勢を変えるか、カイが正直に痛みを覚えたら言うようにしていた。
仰向けになればいいのかな、とカイがちらりとハルを見る。カイより年上とは言え、まだまだ男ざかりのハルはすでに二度カイの中を濡らしていたが、まだ彼の雄は固いままだ。
しかし今回は、どうやら余裕がないらしく、仰向けにする暇も惜しむように、ハルはカイの上にぴったりと乗り上がって寄り添ってきた。
うつ伏せのカイは、まるでハルという掛け布団を被ったような気持ちになる。裸の背中に、汗ばったハルの胸が密着していて、
とてもドキドキした。
「苦しい?」
「う、ううん大丈夫。このままするの?」
「うん。カイは力を抜いていてくれ」
そう言われ、努めて深呼吸を繰り返すが、腿を閉じた状態では中々脱力することは難しい。かといって腿の両側にハルの足があるので開くこともできなかったが、徐々にハルのものがカイの中に入ってきた。
「んっんふ…」
再び枕に突っ伏して、もじもじ膝を擦り合わせる。
いつもなら多少なり膝を開いた状態で受け入れているので、たった少し違いで別のものが入っているように感じた。
「ん、少し、せまいね…」
ハルも常との違いを感じているのか、ふうと甘く息をはく。ただでさえハルはさきほどから切羽詰まった状態だったため、我慢できなさそうに腰を揺らし始めた。
「んっんっ、んぅ」
「気持ちいい?」
こくんと頷く小さな頭を見て、ハルは嬉しそうにその横にくっついている耳を食む。
コリコリと軟骨の固さを楽しみながら、同時に性急に事を押し進めてしまわないように自分を律していたのだった。
カイが完全に寝そべったこの体勢は初めてだったが、迎える側の負担が軽いようなので、これからは体位のひとつとして覚えておこうとこっそり思う。
そんなことを考えながら、ゆらゆらと腰を押しつけていたハルの耳に、いままでと違ったカイの声が入ってきた。
「あひッ」
「ッ、大丈夫?」
キュンと引き縛られた自身に思わず息を詰めながら、覗きこむ。カイにとっても思わぬ発声だったらしく、顔を真っ赤にして、小さく「大丈夫」といらえがあった。
「動くよ?苦しかったら言ってくれ」
「うん。はふっ、ん、」
そう言って、動きを再開させてしばらくは、さっきのように突発な締め付けはなくなった。
大きな声を出してからは、気遣うように動いていたハルだったが、しかし徐々に動きの幅が大きくなる。カイの耳に荒いハルの息遣いが聞こえて、同調するようにカイの体温もあがった。
そしてそれは突然やってきた。
遠くで瞬いていた星が急に目の前に現れたような、そんな大きな快感がカイを襲ったのだ。
「っやぁあッ!?ふぁ、あー!」
「!?カイ?」
「ヤッまって、まってハルさ、ひぅうッ」
自分が達したのだと理解できなほどの気持ちよさに、カイは目の前のシーツを掻き毟る。
「きもちいいの?」
「あっあっ、きもち、イッ
ヤ、だめ、だめっ動いちゃッ、アー!」
動くたびに、カイのものが押し付けられているシーツを濡らす。ハルは自分も余裕がないのと、うねる内部の熱さにうかされるように腰を動かした。カイがじたばたもがいても、上から乗られている状態ではろくな動きができない。
「はぁ、ハぁっ、きもちっきもちいのっ
まって、まッあひゃぁんっ」
こんなに乱れるカイは初めてで、そのうなじに口付けながら、あっという間にハルは夢中になっていた。
「ひぃ、ひ…、らめっも…ッ
いってる、イってるからぁっ、あっアッ」
絶頂の波が引いてくれない。痙攣するようにヒクつく内部を、ハルの強いものがゴリゴリと擦っていく。
「ん、イくよ。カイ」
「んぁっんひッ
ンンン〜!!!!」
枕をギリリと噛みながら、かつてないほど奥に切り込んでいたハルを受け入れて、それきりカイはフッツリと意識を飛ばしてしまったのだった。
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「はぁ、はぁ…」
意識を失ってなお、ヒクンヒクンと逃しきれない快感に震えるカイ。
ハルはそんなカイから、名残惜しそうに自身を抜いて、身を起こし、じっくりとカイを眺める。
「す、すごかった…」
ハルはいままで、こんなに我を忘れたことはなかった。いつも意識の隅にはカイへの気遣いがあって、体勢のこと体調のことを考えていたのだが、今日はいつしかそのことも忘れてただただカイを貪っていた。
いままで試したことがなかったことが悔やまれるほど、カイに合った体位に、ハルはごくりと唾を飲む。
出来ることならすぐにでも、もう一度その中にもぐりこみたいが、流石に意識のないカイには可哀想だろうと、泣く泣く己を沈めた。
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「は、ハルさん…起き上がれないよぅ」
「うん。今朝はベッドでご飯にしようか」
翌朝、昨夜の痴態を恥ずかしがるも、腰が抜けてしまって動けないカイと、上機嫌で世話を焼くハルの姿があったとか。
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うん!寝バックを、書きたかった!!