スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

テル


テルは若い女が好きな妖怪さんです。タミと戯れたかったんですが、臣のほうに妖術がかかっちゃいました。

遅くなりました!そろそろ完結すると思います〜

ちきうしんりゃく

日記では子豚を書いているので、しばらく他の短編は書かないと思ってた?
残念!エイリアンは待っちゃくれないんですYO!!

はい、すみません。
サイト更新せずに何をしてるんだという話ですが、辛抱たまらんかったんです。
特殊色が強いと思われます。どうぞご注意ください。

さて、そういうわけで久しぶりにエイリアンが降臨したのですが、いままでのエイリアンとはまた違ったお話です。嗜好や目的はほとんど一緒ですが。

地球によく似た「ちきう」という星にエイリアンが来ちゃってさあ大変。


*****



宇宙船が現れた。
狙ったかのように中枢都市の真上に現れ、その一帯はすっぽりと相手の要塞となってしまった。

中にいた住人の安否は不明で、見せつけるように死体が出てくることもなければ、もちろん誰かが生きてもどってくることもない。

分厚い壁は、この星の技術では全く歯が立たない。
交渉したいと中に入っていった男たちも帰ってこない。

しかし不思議なことに、その宇宙船及び要塞は不気味なほど静かだった。何のためにやってきたのか、誰が乗っているのか。
そもそも侵略するつもりがあるのか。

わからないまま時がすぎ、遠く離れた土地では忘れる者が出るような、そんなある日、

エイリアンが現れた。

虫を大きくしたようなエイリアンに世界が悲鳴をあげた。黒く固い体に何本もの手足。普通の武器では到底死なず、動きも早い。

それでも、男たちは必死に戦った。そしてエイリアンたちを退けることができたのだ。

「要塞の入り口が開いているぞ!
都市の住人や、先に連れていかれた捕虜の生存者がいるかもしれない!」

それが罠だとしても、使命に燃え上がった男たちは要塞に入る選択肢しかなかった。
武装した車で乗り込んでいく。しかし彼らは、思いもよらない事態を目の当たりにする。






―彼らは誰も、戦うことは嫌じゃなかった。この命を差し出すことにも恐れはなかった。
―でも、こんな…。こんなことになるなんて知っていたら…。

『妊娠適合者。生産部ニ回ス』

『コチラモ適合。今回ハ妊娠適合者ガ多イ。ジツニ収穫ダッタ』

『ヤハリ誘イコンデ正解ダッタ。
適合シナイ者ハ、搾乳部ヘ連レテ行ク』

尻に突き刺さっていたものが抜かれていく。ちきう上にはないその棒状の物質は、先ほどまで散々兵士たちの体を調べ、吟味していた。

「くそぉッ離せ!何のつもりだ!」

仰向けにされた兵士たちは一様に足を開かされ、膝がわき腹に着くほどに持ち上げられた状態で拘束されている。手首もろとも、膝裏と背をぐるりと縛られ、その拘束具も見たことなく、頑丈そのもの。

頭上で何か話しているのはわかるが、内容はわからない。妊娠適合者。生産部。搾乳部。わかったとしても、これからの己の行く末を瞬時に理解は出来なかっただろう。

背中の拘束が、天井から吊るされているフックのようなものにひっかけられる。エイリアンは大きく、人ひとりを持ち上げるくらい易々とこなした。

捕らえられた者のおよそ半分の列が動き出す。局部を見せびらかすような格好で。
さきほどまでの折檻とこの姿に、羞恥していた兵士たちは、しかし自分たちの終着点を見て唖然とした。

円柱状のタワーが、見えないほど高く上に伸びている。
それは大まかに一メートルほどの格子で区切られており、その一つ一つには自分たちと同じ姿勢をさせられた、(おそらくここの都市にもともと住んでいた人だろう。交渉を求めた者もいるかもしれない)それも男だけが入れられていた。

皆、目はうつろで、新たな「適合者」がやってきたことに気付いていない。

「あ、あぅ…。んっ、産まれる。アァッ産まれますー!!」

突然の大声に、兵士たちは大きな体を竦ませてそちらを見た。格子の中のひとつで、男が苦しんでいる。すぐにエイリアンがそばに寄り、その「適合者」の尻に差しこまれていたものを解除する。

「はっ、あヒっはぁあアー!!」

遮ったものがなくなった彼は、体を仰け反らせた。そのせいで腹が異様に膨れているのがより浮き彫りになる。尻から見えているピンク色のものは、腸の一部のようだ。

そのピンク色が、ゆっくりと盛り上がっていく。


誰かが堪らずに泣き叫んだ。

「い、嫌だ…!帰らせてくれ!もう帰らせてくれぇ!」 


黒い黒い、嫌でも目の前のエイリアンを思い出させる色が顔を覗かせた。


*****

種付けが見たい人ー?

子豚な王子様30

え!?さんじゅう?!

*****



「きゃぁあアアー!!」

ティカルが消えてしまった床を呆然と見ていた人々は、 甲高い悲鳴を上げるニータの方を見てぎょっとしました。

ニータの顔がお皿を落としたかのようにヒビが入っていたのです。
割れた頬を押さえてニータは苦しみます。しかし顔のヒビは瞬く間にその範囲を広げて、首を伝って胸の方にも亀裂が走りました。

「あんな…ッ子豚に…!!
いぎぃいイー!!」

ニータの言葉で、オクなどの子豚信仰の人はだいたいわかってしまいました。
自分の世界、つまり闇の世界に、天使の使いとも呼ばれている子豚を入りこませたので、思いがけずダメージを受けてしまったのです。

ニータは悲鳴を上げながら「出て行け」「出て行け」とブツブツ言っています。

「ニータ!ティカルをこちらに戻すんだ!!」

プラムが大声で呼びかけると、真っ赤に目を血走らせたニータが叫びました。

「うるさい!あいつは別の世界に飛ばしてやる!」

「ニータ…」

プラムとしては、たしかにティカルを取り戻したいという気持ちも大きくありましたが、このままではニータも死んでしまいそうだと思っての言葉でした。
しかしニータにはその言葉は届きませんでした。ニータの顔がパリパリと剥がれ、亀裂は大きくなり、まっ白な肌の奥から、まっ黒な闇が顔を出します。

「イヤァー!!」

最期の悲鳴が、まるで雷のように響き、ニータは足元から崩れ落ちていきました。
ティカルのようにどこかに吸い込まれて消えるのではなく、ニータを形作っていたものは破片となってそこに残っていました。

夜の女王は、死んだのです。

「・・・」


「プラム王…。ご無事ですか」

「ああ…」

オクに話しかけられて、プラムはよろめきながら立ち上がりました。
そのとき首から音がして、プラムはティカルが残した首飾りを暗い面持ちで見下ろします。

「あ、あぁ、そんな…兄さん…っ」

そしてファファは、床に這いつくばって、泣いていました。
ティカルと目があった時に、何か手伝ってほしそうな顔をしていたので咄嗟に動き出してしまいましたが、こんなことになるなら、手伝わなければよかったと涙が溢れて止まりません。

「ファファ王子、あなたもこちらへ」

「うぅ、ぐすっ…ふぇ〜ん」

子供のように泣きじゃくるファファを連れて、プラムとオクは周りの人々に、女王の亡骸はそのまま動かさないよう、言い置いて去って行きました。



残された人々は恐る恐る女王だった破片を見ました。彼らにとって、女王が死んだことは大変喜ばしいことでした。夜にひとりで外に出ると、呪いをかけられてしまうと言われてきたからです。

しかしその代償に、ティカルがいなくなってしまったので、彼を知っている人々は喜んでいいのか悲しんでいいのか困って、しばらく女王の亡骸のまわりで呆然としていました。


***


「ぴ、ピギぃー!!!」

真っ青な空の下、穏やかで大きな川のほとりを歩いていた青年は、思いがけないところから子豚のような泣き声を聞いて、はっと上を見上げました。

「えぇ?!」

はじめは白い点のように見えたそれが、だんだんと大きくなってきます。やはり子豚です。短い足をバタバタさせているので、生きているようです。

あんぐり口を開けて見ている青年の目の前で、空から降ってきた子豚は大きな水しぶきをあげながら川に落っこちました。

「な、なんで子豚が…?
あっ!とにかく助けてやらないと!」

あの高さです。おそらく水とはいえ叩きつけられたら痛いでしょう。
旅人のようなその青年は、とりあえず荷物を放り出して川に飛び込みました。

この川は流れは穏やかでしたが十分な深さがあったので、川底にぶつかることはなかったようです。
助け出した子豚は、気を失っていましたが、怪我はしていませんでした。

「おーい目を覚ましてくれー。
でないと今晩の飯にしちゃうぞー?」

青年は、食べる食べないは別にして、パンツまでびしょびしょになってしまったので火を起こすことにしました。



*****
前の記事へ 次の記事へ
アーカイブ
カレンダー
<< 2015年07月 >>
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
プロフィール