話題:本日の恋心模様

恋する気持ちはわすれてしまっても、愛する気持ちはおぼえてる。ときめきやドキドキは色褪せてしまっても、たのしさやワクワクは彩られる。つらさやかなしみは、いつまでもチクリチクリと痛みを感じさせ、経験値を微力ながらに上げていく。さみしさとせつなさがごちゃ混ぜになる。帰りたい、一緒にいたい、一進一退の攻防戦が常にこころのなかでくりひろげられる。どこにいても、だれといても、ひとは孤独なのかもしれない。どんなに笑っていても、泣いていても、たのしくてもしあわせでもつらくても、孤独でひとりなのは変わらない。物理的にひとりでないというだけで。

恋をしたいとおもうことはないけれど、せつなくてくるしくて、会いたくて、抱きしめられたくてと衝動的におもうことはある。いくつもの夜があって、いくつもの思い出があって、会いたくなって会えなくて、知らなくて知りたくなくて。責任を持つことを知らない恋は簡単に破綻することも知らずに、すきだけをあふれさせ、すきだけしかなかった時代。頭で考えるよりも先に行動している。理由なんてあとづけで、ことばよりも先に触れている。電車を待ちわびていたホームも、待ち合わせ場所でみつける最愛を何度も再生させては、せつなさが込み上げて、もう一度だけとわがままを言いたくなった。叶わなかった恋はきれいに保存されてしまうからたちが悪い。それでも、今のあたしをつくるたいせつな一部となり、経験や学びをくれた。

地元から離れ、彼と暮らし、過去の恋は遠い場所に置いてきたようにおもっていた。けれど、それはまちがいでフラッシュバッグするたびに、帰りたいとおもう弱いこころをなだめる。思い描いていた未来とはちがう人生を生きている。まだまだ、受け入れ体制は万全じゃない。地元のひとと結婚し、地元で働き、生活をしていると当たり前のようにおもっていた。今もなお、彼の地元で暮らすことに違和感をいだくことはあるけれど、彼と一緒にいたい気持ちにうそがないのも事実でその矛盾がすきゆえなのだとおもう。