ちゅう太…人生の分かれ道G




2020年 3月12日



普通高校の合格発表の日が来た。



ちゅう太 0173



しょう太 0174



2人は並びの受験番号。



そう、なんと2人は



同じ普通高校を受けたのだ。



そして



0170



0171
















0173(ちゅう太)



0174(しょう太)



2人とも…



合格し



同級生となった。



塾の先生を始め



ちゅう太を応援して下さった方々に



報告し、お礼をしたのと同時に



ちゅう太との生活は



終わりを告げた。



しかし



寂しさより



満足度が高い。



それに



2人が通う普通高校は



私が住む家の



すぐ近くにある。



だから



寂しくなんかない。



今、2人は新しい人生を歩み始めている。










ちゅう太…人生の分かれ道F




夏休みのタイミングから



休学に入ったちゅう太は



夏休みが終わる頃



私と一緒に暮らすことになる。



元夫が目に入れても痛くないほど



激愛していたちゅう太だが…



休学し、退学と受験を控えるちゅう太を



塾に通わせる財力が無かったのだ。



なんとも
惨めな父親か…



私は塾を探すために



1週間、仕事を休んだ。



この時は、ちゅう太の人生の分かれ道だと



師長並びに
他のスタッフの冷たい視線に負けず



休職を強行した。



師長は難題を私に授け…



悪魔の様に



私の背中を呪っていた。








その、強行突破の甲斐あって



ちゅう太の塾が決まった。



普通の塾だが



先生がとても親切で



生徒達に人気があった。



ほぼ、毎日…



午後2時過ぎから6時半まで



予備校の様に通わせて貰った。



ちゅう太が誰より早く塾に到着するため



塾の鍵の場所を教えてもらい



ちゅう太は勝手に教室でメディア授業を受けていた。



そして7時前の電車に乗り



私の住む町まで20分ほどで



帰ってきた。







ちゅう太は



彼と私が仕事に出てから



お昼までの間、1人で過ごし



家を出る前に



流しの洗い物をしてくれていて



私が仕事からちゅう太より先に帰ると



流しはキレイに片付いていた。







そんな日々が半年間続き…



今年の3月 5日、6日に



入試の日を迎えた。



5日は筆記試験
6日は面接試験だった。



試験を目前に控えた時



塾の先生が



ちゅう太の勉強は



あまり進んでないから



最悪の場合も考えて置くように…



そう、言われた。



そりゃそうだ…



中学2年生3年生の義務教育を



全く受けてない…ちゅう太が



半年の期間に2年分勉強するなんて



無理に決まっている。



私は覚悟を決めた。



ダメならダメで



次の道を考えればいい。



そう、思うことにした。



ちゅう太には悪いが



『ダメかも知れない』



そう、思う気持ちの方が強かった。



私の周りの全ての人が



心の底ではそう思っている。



そんな場面に出会す事も多々あった。



ちゅう太の友達のK君のお母さんに



ちゅう太の普通高校
受け直しを考えてる話をした時も



『絶対無理だよ。』



そう言われた。









ちゅう太…人生の分かれ道E




2019年6月…



入学して2ヶ月経った頃



ちゅう太が



養護学校をやめたいと言い始める。



ただやめたいだけではなく



普通高校へ行きたいと。



何日も話し合い…



養護学校の先生にも相談した。



養護学校の先生は



『過去にそんな前例が無いので
何とも言えないが…

本人が決めたことなら
応援したい』



と言われた。



その結果



夏休みに入るタイミングから休学し



年末に退学する事になった。
















ちゅう太…人生の分かれ道D




2019年4月…



ちゅう太は中学生生活を終え



養護学校の高等部へ進学した。



仲良くしていたK君と



同じ学校の寮生活が始まる。



親元を離れ
寮に入る事になるなんて



小学生時代には



思いも寄らない未来が流れる。



入学してひと月した5月に



体育祭があり



応援に行った。



初めて見る体育祭は



見たことの無い世界だった。



これが…



ちゅう太の現実なんだな…



『お母さん、来なくていいよ。

驚くかも知れないから。』



そう言ったちゅう太の文字が



頭の中でテロップの様に



浮かび上がった。



母も、応援に来ていたが



ふてくされた顔をして



『近寄らないで』オーラを出しつつ



涙を拭いながら



情けない気持ち半分と怒りオーラを



撒き散らしていた。



色んな子が



色んな形で



競技に参加していた。






それからひと月たった6月16日(日)



『お母さん。養護学校やめていい?』



ちゅう太からメールが来た。







ちゅう太…人生の分かれ道C




ちゅう太は3年生も



支援クラスで過ごした。



勉強もせず



学校へ遊ぶために行く。



ちゅう太がそうしたい訳じゃない…



支援クラスだから



必然的にそうなる。



必然的にそうなることを



普通クラスの生徒の親は知らない。



たまたま何用かで来た、よその子の親は



授業も受けず遊ぶ姿を見て



不思議に思っただろう。



孤立した支援クラス…











しかし、その支援クラスに1人だけ



ちゅう太と気が合う友達がいた。



その子は内服はしていたが



穏やかな性格で



挨拶もキチンとできる



なかなか、いい子。



ちゅう太と違うところは



薬を内服していることと
手帳を持っている事だった。



3年生はほぼ



その子と友達関係を築き



ちゅう太は



ひとりぼっちにならなくてすんだ。















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