真反対な生きてきた環境




彼と私が生きてきた環境



『生きざま』は



真反対である。



交わるところも無ければ



近づくところも無い。



友達も違えば



言葉の一つも違う。



私はそんな彼の



どこまで寄り添えるのだろう?



いつまで



彼から必要とされるのだろう?



『ね?私と暮らして苦痛はない?』



そう尋ねると



『いや。苦痛ならば

もうとっくに追い出してるよ。』



彼は言う。



私はいつか…



彼の愛情が冷めたとき



追い出され捨てられるのかな。



そんなことを



ぼんやりと考えていた。



命令




彼は時々…命令口調で私に言う。



『お茶もってこいや。』



『チョコ出せ。』



私は…



「はいっ。」と答えて



さっさと取ってくる。



彼の命令だから



聞かなきゃ怖い。



でも、彼も私のために



色々してくれる。



髪を乾かしてくれるのは日常的で



目薬を入れてくれたり



お風呂で身体を洗ってくれたり…



とにかく私の体調を



一番心配してくれる。



だから



彼の命令に



素直に応じる私がいる。



これって



幸せの一つなのかな。







ランドセル




彼の家には



家の外側に沢山の



防犯カメラがある。



外部からの敵を



いち早く見つけるために設置されており



彼の部屋に



そこを映し出されるモニターがある。



前の路を誰が歩いているのか…



バイク音は郵便局だとか



全てわかってしまう。



そんな中…



ランドセルを背負い
登下校する子供たちの姿が見えると…



特にしょう太を思い出す。



思い出すと言うより



しょう太に見えてしまう。



もう2度と…



一緒に暮らせないのかな?



そう考えると



苦しくなって



泣いてしまう。



子供たちに



会いたい。











怒ると怖い彼




一緒に住んでいると



彼の色んな一面を見ることになる。



私が体調を崩した先日のこと



その場面に直面する。



心配した彼は



職場まで迎えに来てくれて



連れて帰ってくれたけど…



帰ってから口を聞いてくれず



何も会話がなし。



私は何だか重い空気にすぐ気付いたものの



彼に声をかける事も出来ず



時間が過ぎた。



重苦しい夕食…



彼はうんともすんとも言わず



私なんて居ない者のの様に



存在を削除している。



体調が悪い私に…何故だろう?



私は私で訳がわからなかった。



その状態は夜中まで続き



眠剤を飲んだ彼が



私にやっと話しかけてきた。



『今日は…お前に優しくなれなかった。

体調不良って前からずっと繰り返すだろ?

なんでちゃんと治療しない?

もっと自分の身体を大事にしないと

ダメなんじゃないか?』



そんな心境が彼を怒らせていた。



私の身体を思っての事…



だけど…
彼が怒ると怖い。



表情も言葉も怖い。



彼の両親




遠方に住む彼の両親が



5月の連休が明けると帰ってきた。



初の対面である。



私は不安な気持ちもありながら



恐る恐る対面した。



『彼の様に…怖い人かな』



そう思っていたが



全く普通の



おじさんと
おばさんだった。



気さくなお父さんは優しい物言いで



お母さんも色んな話をしてくださって



私を気に入ってくれた。



お母さんは



私が何も持ってきてないと言うと



自分の手持ちの『ピアス』を



3種類もくれた。



外食に出たり



夕食は買ってきた物や



私が少し煮物などを作った。



そして2泊ほど泊まると



両親はまた遠方の家へと向かわれた。



お母さんは最後に



『貴女に会えて本当に良かったわ。

これで私も安心していられる。

良かったぁ。。。』



そう言われて別れた。



その夜…



彼も言った。



『お袋と親父、相当おまえのこと

気に入ったみたいだな。』



嬉しかった。



ただ素直に



嬉しかった。









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