彼の息子




彼の息子が帰ってくると



彼の心は乱れるのか



私に対して冷たくなる。



昨夜…息子が帰ると連絡があった時



彼は丁度、お風呂に入っていた。



私は…彼に伝える事に躊躇する。



『あ。また彼の心が乱れて

冷たくなるのかな…』って



胸騒ぎに襲われる。



昨夜も私の予感は的中して



彼は何となく冷たくなった。







彼の息子、ばついち25才は



彼と似ていて



警戒心旺盛で



なかなか人を受け入れないタイプ。



しかし…



何故か最初から



私の事は受け入れてくれた。



それは父親が選んだ女だからと



認めてくれたんだと思う。



だから帰って来た時には



最近の身の回りの事を



色々話してくれる。



私は…だい太に置き換えて



自分の息子の様に大事にしてあげたい…


と、思うんだけど…



あまりにもタイプが違いすぎて



似ても似つかない。



その彼の息子は…



肩から両手前腕の中間まで



入れ墨が入っている。



親も親なら子も子なのか…



そして私に話してくれる内容も



だい太の様に普通の男の子では無く



人としてどうかな?と思う内容が多い。



最近できた彼女の話しも



色々聞かせてくれて



会ったことは無いけど



彼女が居ることは知っている。



そんな中…現時点で彼女が居るのに



昨夜連れて帰って来た昔の彼女と



一緒にお風呂に入ったり…



若い子のすることだと思えば



大したことじゃないのかも知れないが



2階で眠る2人は…



1つしかないベッドで



抱き合って寝たのかな…って思うと



何だか…苦しくなる。



私が彼女なら



と思うと…



胸が締め付けられる。



だい太がもしそんな事をしたら



私は黙って居ないだろうな…



でも、本当の子供じゃないから



聞くことはできても



否定的な事は言えない。



本当の親子には



なれない。










彼の意識




彼の息子が帰って来た。



月に一度くらい



隣の県から帰ってくる。



今日…突然



昔の彼女を連れて帰って来た。



そして彼の意識は



私を離れて息子に向く。



私が居る場所にあるファンヒーターも



息子の部屋に運ばれ



こんな雪の夜…



私には暖房器具が無くなる。



寒い。



けれど…たまにしか帰らない息子に



尽くす彼を



私は見て見ぬふりをするしかない。



彼の息子は大事にしてあげたい



そう思う反面



やはり自分の子は



誰にも変えられないんだな…って思う。



居場所が無くなった私…



こんな時に



帰りたくなる。



私が愛する子供達の元へ…



きっと今夜の彼は



冷たい。



私の心から



抜け出して…



私への思いやりなんて



ない。



手も足も…冷たくなったけど



今夜の彼は



そんな事すら



きっと気付かない。



超簡単




お正月のお餅が残った。



いつも同じ食べ方では面白くない…



そう思い



お餅グラタンを作った。



これはウマい!



それに超簡単!







作り方…



まずグラタン皿に
5mmスライスしたお餅2個分を敷き詰めて

そのままレンジで1分チーン。

お餅が膨らんだら

その上に
バターを少し乗せてベーコンを乗せて
その上に塩コショウを少々かける。

そこへ、お餅がひたひたになるくらい牛乳を入れ
お好みの具材を入れる。

(私は…ブロッコリーとエビの乗せた)

最後にとろけるチーズを乗せて
オーブン焼き7〜8分

焦げ目がついたら出来上がり!

あれば乾燥パセリをかけると
見た目がステキかな。

味付けは塩コショウ少々だけ。
後はベーコンから良い味が出る!



余ったお餅があれば



なかなか簡単な一品。





だい太




去年の就職試験で



卒業後のだい太の就職は決まった。



本当に進みたい希望は



鉄道関係の専門学校に行きたかった様だが



だい太の父親(元夫)が



それを諦めさせた。



だい太はそれを受け入れ



近場の空港の内定を受けた。



そして



今のだい太は



就職したらお金を貯めて



お笑い芸人になるための



養成所に入りたいとか?



何だかいつも



現実とはかけ離れた思想を持つだい太。



でもそれも



だい太の人生。



自分の人生に悔いが残らない様に



生きてほしい。



私の様に



物心ついてから



この年になるまで



常に人生に悔いばかり残したために



こんな風に足を踏み外す人生は



歩んで欲しくない。









今夜は雪かな…



明日は雪が積もってるのかな…



そんな事を思いながら夕食を済ませた頃



雷が『ゴロゴロ』言う。



一瞬、電灯の灯りがチラチラした。



その時



丁度10年前の



だい太がフィードバックした。



あの時も雷が鳴り



ほんの数分だったが



家中の灯りが消え



停電した。



暗がりを怖がるあの頃のだい太は



叫んだ。



『おがぁさーん。

おがぁさーーん

おかあさぁぁぁんっっ』



とっさ的な出来事だったが



あの頃のだい太には



私が一番だったんだなぁ…って



未だに思う。



大切な…記憶。。。



にじむイルミネーション




自分に抱えこむ何かがあると



冷たい態度になる彼も…



年末からお正月にかけて



穏やかに過ごした。



私にも優しくて…



わりと仲の良い関係を保てた。



でも…



彼が穏やかな時は



私の感情が子供達に向かう。



それはきっと



彼に対して余分な神経を使わなくて済むぶん



子供達への思いが



強くなるんだと思う。



彼が冷たい期間は



何とか彼の機嫌をこれ以上損ねない様に



彼への神経をすり減らすぶん



他への感情が疎かになる。



でも、案外その方が



私にとって楽なのかな?なんて



最近思うようになった。



そんな8日の夕方…



シャワーを浴びた彼が



突然言った。



『これからイルミ見に行こうか?』



私は9日から仕事が入った彼を労って



「また…次のシーズンでもいいよ」と言ったが



何となく行ってみる事になった。



そこはちょっと遠方にある国営公園で



1月9日がイルミ最終日とされている。



まさにぎりぎりの思いつきだ。



夕方5時半ころ出発すると



実家の家の近くを通過して高速に乗り



2時間ばかりかけて



目的地に向かう。



実家の家の近くを通過する時…



(こんな時…子供達も一緒に連れて行ける関係ならな…)



そんな事を考えると



子供達が一緒に居る今を



空想していた。



きっと…



嬉しそうにキャッキャ言ってる子供達が



後部座席でじゃれあったり



喧嘩したり…してるんだろうな。



そんな事を考えていると



あっという間に目的地に着いた。



気をまぎらわす様に



時々…スマートフォンでイルミネーションを写しながら



彼と手を繋いで歩く。



今シーズン最後のイルミネーションは…



わりと規模が大きくて



かなり歩き回った。



去年の今ごろ…



『いつかきっと

二人でイルミネーション見ようね。』



そう話し合っていた私達が



今、ここにいる。



それは奇跡的な事なんだと思う反面



私の求める幸せは…



これだったんだろうか?



そう考えると



子供達との日々が眩しかった様に思えて



LEDライトの電飾が



何度も…



何度も…



にじんでいた。






前の記事へ 次の記事へ
カレンダー
<< 2017年01月 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31