失敗

私の失敗は…



私が決める失敗ではない。



私が選べる失敗でもなく



皿の1枚からして



選ぶ権限はない。









私の失敗は



母の意思私欲にそぐわなければ



全てが失敗である。



そう…



演じれるものではない。



ただ
母の
気に入る選択を



探し
選び
試し



探るしかない。



また



私の息苦しい世界に



突入した。





















イライラ

また母の



イライラが始まった。



私は…



どんな私を演じれば



母のイライラを



回避できるのだろうか?



また



私の全てが



気に食わない様だ。



今の私には



ひとつの失敗も



微塵の失敗も



許されない。






心を変えるお金

母からのメールには



謝罪の言葉が並べられていた。



『ケン子、ごめんね。

今、仏壇の引き出しの封筒を開きました。

いつも気を遣わせているんだと

申し訳なくなりました。

ケン子も色々大変なのに

ありがとう。』



と…。



その文の内訳は…



夏休みに突入した日の朝



私が母に渡した封筒にあった。



母にその封筒を渡した時



ちょうど忙しかった母は



その封筒を仏壇の引き出しに



とりあえず入れた。



その中身を今になって見て



メールしてきたのだ。



封筒の中には



20000円入れていた。



私は夏休み前期の見舞金として



母にお金を渡していた。



母は…そのお金に心を動かされた様だ。



以前にもそんな事があったのを
思い出す。



お金はそんなに人の心を動かすのだろうか?



母は私に謝罪してきたけれど



私はちっとも



嬉しくなかった。



それよりも



お金で動く母の心に



空しさを感じずには



居られなかった。











母からのメール

母の怒りが少しずつおさまったのは



子供たちが広島へと
向かう頃だった。



私は…子供たちを高速バスのバス停から見送ると



その足で仕事に向かった。



母は知り合いの葬式に行くため



子供たちを見送ることは出来なかったが



家を出発する時の母の顔を見ると



普通の人間に戻っていて



今、私が住む空気の酸素が



少し濃くなった様に感じた。



そして



子供たちにとって



暑く短い楽しい旅がスタートした。










夕方になって…



仕事が終わり



家路に急ぐ頃



母から1通のメールが届いていた。



そこには



思いもよらない文章が



綴られていた。















怒りの原因

悪夢な日々の原因は



私の行動にあったようだ。



子供たちが広島へ出発する前日



この町のお祭りだった。



私はそれほど行きたくも無かったが



子供たちが友達とお祭りに行ったため



保護者として行かなければならなかった。



学校の規則で



祭りでの友達との行動は
9時までと決められている。



そのため、親は子供たちを9時には捕獲しないとならない。



それがあったから
夫と仕方なく祭りに出たのだ。



ところが



その行動が母の怒りに
火を起こした様だ。



私が祭りに出る時に
母を誘わなかった事が



怒りの引き金だった。



母:『誘われても行かないけど…

一緒に行ってみない?

その一言も無いなんて。』



と…



『気がつかなくて
ごめん。』



母には聞こえないくらいの小さな声しか



その時の私には出すことが出来なかった。



















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