泣き虫




今日は子供たちと会った。



会ったと言うか



実家の敷居をまたいだ。



それは…先週の日曜日



誕生日だったしょう太の希望で



一緒にクリームシチューを作る為だった。



クリームシチューを作り



子供たちと一緒に食べる。



子供たちと一緒に



そこで食べたのは…



まさに、約2年ぶり。



母とケンカをして機嫌を損ねたしょう太は



結局、一緒にシチューを作らなかったが



その当たり前の日常は心地よく



久しぶりに私を包んだ。






だい太は仕事で居なかった。



しょう太は…まだ子供。



ちょっとした言葉の行き違いで



怒りん坊なしょう太は



母に、しょっちゅう暴言を吐いたりするらしいが



数分後には「ごめんね。。。」と



可愛らしい一面もある様。



ちゅう太は



身体はだいぶん大きくなり



身長も伸びて



今にも私を追い越しそうなのに



地面から足を離す様に抱きついてくる。



私は今日…



日頃の距離を埋める様に



沢山二人の手を握り…



沢山抱き締めた。



なのに



何故だろう。



一緒に過ごせない離ればなれの日々より



会って抱き締めた日の方がつらい。



思い出すと泣いてしまう。



別れ間際の子供たちを思い出すと



やっぱり…



つらくて…



さみしい。








院長




最近、院長から



LINEを聞かれ



連絡手段として



LINEを教えた。



時々…LINEが入ってくるが



イヤらしい内容は



今のところ ない。



ただ…



最近スマホの調子が今一な私に



新しいスマホを買うために



資金提供してくれると言われた。



私の中では…周りのみんなが言う



『ケチな院長』では無くなった。




そんな今朝



急きょ子供たちと会うことが決まった私は



院長スマホにメールを送った。



毎日、のらりくらりスローペースな診察を



今日は早めに流して欲しい気持ちを



メールに託す。



『今日の午後、急きょ子供たちと会うことが決まりました。

先日誕生日を迎えた末っ子と
お昼にクリームシチューを作りたいと思います。

しかし、私には子供たちと限られた時間しかありません。

終わったら一刻も早く子供たちの元へ急ぎたいと思います。

午前の診療がスムーズに進むように

出来る範囲で宜しいですので

頑張って診療して頂けると喜びます。』



と、LINEを送った。



暫くすると院長から返信が来た。



「子供たちとの時間は貴重です。

出来るだけ早く進むように頑張ります」



そう書かれていた。



出勤して暫くすると



院長が診察室に登場した。



そして師長に言う。



院長「今日はいつもより早く診療受付を終了してください。

今日の午後、大切な用事ができたため

12時半には全てを終わらせるのを目標として

本日の診療に取り組みましょう。」



土曜日の定時13時半が



本日は12時半に終わることになった。



きっと私を早く子供の元へ行かせる様に



取り計らってくれたんだと思う。



院長は私だけを優遇している。



それはありがたくもあり…



どことなく重い。




















『もう…ムリ』と呟く瞬間




さっきまで…



優しかった彼が



急に



突発的に冷たくなる。



何が起きたのか



さっぱりわからない私に



彼は牙を向ける。



物を地面に叩きつけたり



怒鳴り声をあげたり



変貌する。



そんな彼を見ていると



私はこの現実を受け止めるために



ここにいるんだろうか?



そう思って



とてつもなく不安になる。



そして



『もう…ムリ。

この世から消えたい。』



そう思う。






あの日と同じ今日…




去年の今日…



私は寂しかった。



心張り裂けそうに



寂しかった。



あの日と同じ彼…



あの日と同じ私の心。



そして…



去年の2月3日に書いた日記を読み返すと



あの日と同じ今日。










枕をぬらす夜




また…



このときがやってきた。



私が原因じゃない事はわかっている…



けど…



彼の心が穏やかでない事は



彼が吸ったタバコの吸殻を数えると



すぐわかる。



結局…何処に居ても



同じ事。



私の精神が休まる場所なんて



この世には…どこにもない。



どこにもない。






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