冷たい大晦日




手が…冷たい。



身体も冷たくなった…



心も寒い…大晦日。



去年も子供たちとは
離れ離れの大晦日だったけど



彼が優しくて



手を繋いで神社へもお参りしたから



幸せだったかな。



今年は…



夕食前に彼が突発的に不機嫌になり



家を出て行って



しばらくしたら帰ってきたけど



何だかとても



機嫌が良くない。



大晦日なのに
もうすぐ年が明けるのに



彼は不機嫌なままで



私は暗闇に落ちて行く。。。



なんて寒い



なんて冷たい大晦日。












Xmasプレゼント




ボルダリングを終えると



午後2時前だった。



『お腹すいた』と言う二人に



何が食べたいのか尋ねると



ちゅう太はしょう太に…
しょう太はちゅう太に…



何が食べたいのか



行き先を譲る様に問いかけ合う。



今一決まらない二人に



『お母さんが住んでる家で
パスタでも食べる?』と言うと



二人共乗り気になって
行きたいと言うので



うちに来ることになった。



1年ちょっとぶりに来た二人は



家に上がると



ソファーに寝そべって



『あー。何か落ち着くなぁ』と



嬉しい事を言ってくれる。



私はエプロンをかけると



パスタの味を二人に聞く。



するとまた



ちゅう太はしょう太に…
しょう太はちゅう太に…



メニューを譲り合う。



そっか。
そう言えば…一緒に住んでいる時は
どちらかに合わせて居たんだ…



と思いつつ



『今日は自分が好きなものを選んでいいよ。

2人、別々の味でもね』と言うと



ちゅう太は『明太パスタ』
しょう太は『カルボナーラ』

を希望した。 



麺を茹でて居ると



ソファーから起き上がったしょう太が来て



『お母さん。僕も手伝う!』と…



パスタを作りながら



一緒に住んでいる頃を思いだしていたのは



私だけでは無かった
と思う。



しょう太は



お皿にシュウマイを並べたり



パスタにソースをからめたりしてくれた。



3人でテーブルに座ると



『いただきまーす』と言って食べ始める
ちゅう太としょう太。



ちゅう太はしょう太に
しょう太はちゅう太に



『おい、俺の食べてみて?
めちゃくちゃ美味しい!』



互いのパスタを譲り合いながら



パクパク食べてくれる。



その姿と言ったら



今年の夏休みにパスタ屋へ行った時とは
別人の様…



あの時は二人共残したんだっけ…



今回の手作りは
あっという間に完食した。



二人がパスタを食べ終える頃



私は 食後のデザートに…と



りんごを切っていた。



そんな私に
しょう太がシュウマイを持って来て



お口へinしてくれた。



りんごを食べ終え



Xmasプレゼントと
2人に少し早いお年玉を渡す。



凄く嬉しそうに
受け取ってくれた。




それから
一息つくと



再びソファーに落ち着いたしょう太が



『お母さん、こっち来て…』と



ちゅう太としょう太の間へと



私を導いてくれたので



3人で川の字に寝そべった。



私は2人をギュっと抱いて



今後の話を軽く話した。



2人共、ギュっと抱きしめる私の手を握って



心を通わせていた。



離したくない…
離れたくない…
そう思っていた。



いつも子供たちと合った日の夜は



思い出すと切なくて



必ず、泣く事になっているが



今回は違った。



同じ時を一緒に過ごし



何年ぶりに?
一緒に台所に立ち



パスタも美味しく食べてくれて…


それに、やはり…
本当は凄く仲良しの2人…



いっぱい抱きしめて…
いっぱい笑って…



涙なんて出ないほど



私の心は満たされていた。



それは形に見えないけれど



日頃寂しい私への



最高のXmasプレゼントだった。 










愛つなぐクリスマス・イブ




24日…



子供たちと会った。



会うと…ちゅう太としょう太は



喧嘩をしていた。



喧嘩をしていたと言うより



しょう太が激怒していて



精神的に…少しお兄さんなちゅう太が



しょう太の怒りを



無言で交わしていた。



子供たちと久々の行動は



雰囲気の悪い始まりとなった。



そして



前は仲の良い二人だったのに



こんな風に変わったのかな…と



二人の関係を案じる私が居た。



色々、行き場を提案すると



あまり乗り気でないしょう太だったが



ボルダリングは



未経験な事もあって



その気になってくれた。



ちゅう太も、しょう太に合わせる様に



誘いに乗ってくれた。



こうして私達は



ボルダリングを初体験することになった。



前に一度、見学に行ったことのある



ボルダリングジムのドアを開ける…



数人、先客が居たが



割りと空いていて



ちゅう太も
しょう太も
熱中していた。



二人の動きを久々に見て…



『大きくなったなぁ…』と



嬉しい反面、寂しさも感じる。



ボルダリングのルールを守りつつ



こなして行く二人の姿を



私はスマホのカメラで写しながら



自分の記憶に焼き付けていた。












 

涙のプレゼント




クリスマス・イブ…



子供たちと会う事が決まっている。



嬉しいはずなのに



何故か…気が重い。



それはきっと



別れが辛いから。



会った日の夜は



いつも
いつも



寂しくなって



泣いている。



それを思うと



気が重い。



にじむイルミネーション




日曜日…



彼と買い物に出掛けた。



あそこ行って…
ここ行って…



彼主導であっちこっち。



私の用事は…



リピートして使っているヘアオイルを



指定の美容院へ買いに行く事だけ。



彼の用事の隙間に
挟んで貰う。



そうこうしてるうちに



日は暮れて



空は夜色になる。



会話もせず
無言で走る道路の前方かなたに



ピカピカ光る
イルミネーションがうっすら見える。



私は…
子供達の事を思い出していた。



子供たちの手を握り



光のトンネルを歩いた時の



あの手の温もりを…



すると…



知らず知らずのうちに



イルミネーションがにじむ。










もう、あの温もりを



感じることなんて



無いのかも知れない。







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