記憶




最近…ずっと寝不足。



蛾の様に夜行性で



夜の光に飛び交う彼に合わせると



寝るのがだいたい2時頃になる。



毎朝、5時半のアラームを



最近、無視する事も多くなった。



今日は仕事の帰りに



パン屋さんに立ち寄り



小売りのパンを3個買った。



車に乗り込んで



チーズクリーム入りのパンを



食べようとしてたところまでは記憶しているが



パンを食べた記憶がない。



ただ…



何となく、うっすらと



チーズクリームが甘かった事を



思い出す。



パンを食べ終わった後…



少し眠っていたせいか



記憶がない。



でも、あと、2個しかないって事は



やっぱり



食べたんだ。










犯罪




『おい。ケン子…

血圧の薬、ひと月分くれ。

それから…お腹の薬もひと月分な。』



少し…



何かに急かされている様に



彼が私に言う。



何となく…イヤな予感がしたが



聞くのも怖くて聞けず…



彼の要求に答えた。



その後…



『ケン子、光熱費は
来月分まで引き落とされる様になってるからな。』



『ケン子…
来月の食費、前渡ししておくからな。』



『ケン子…
ワシが留守の間に、困らない様に
お金を渡しておくから、持っておいてくれ。』


そう言うと…
私に100000円渡して来た。



ワシが留守の間???



どういう事だろう…と思ったが



私からはあまり聞かない様にした。



すると彼が重い口を開いた。



『近々…

ひと月くらい

帰れない事があるかも。』



なにか…



不吉な気配を感じてから



約、ひと月が過ぎた。








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