子宮ガン検診




市から届いていた



検診項目の中に



子宮ガン検診かあり



彼がどうしても行く様に言うので



行くことにした。



丁度仕事が休みだった彼は



私の検診に付いて来ると言った。



久々に門をくぐった産婦人科…



彼とは初めて来る医療機関である。



二人で座る待ち合いの椅子…



何だか変な感じがする。



二時間近く待って



やっと呼ばれた。



検診内容は



子宮体癌

子宮頸癌

HPV



女の先生だった。



内診中に先生が



『リングが入ってますね。

入れてどれくらいてすか?』



と問われ



3〜4年と答えたけれど…



本当はもうそろそろ10年を迎えようとしていた。



先生が



『5年が来たら抜去しましょう』



と言われ



怖くなって



「今、抜去して貰えますか?」



そう言ってしまった。



先生は『はい。少し出血するかも知れません。』



そう言うと



リングを抜去された。



ちょっと痛かった。



支払いを終えて



彼の待つ所へ行き



『女医さんだったよ』と言うと



彼はホッとしていた。



しかし



結果は2週間後に郵送されると話すと



『それまでが不安だなぁ…』



彼は言った。



私は…



彼に



リングを抜去したことを



言わなかった。



言えなかった。



検診後に出血している事を知った彼は



何故出血するのか聞いてみるよう



何度か私にすすめたが



リングを抜去した事を



言い出せなかった。







仲違い(なかたがい)




昨日の怒り爆発した夜



彼は私を拒絶する様に



私から距離をおいた。



一緒に寝る布団なのに



肌が触れない様に



離れて眠った。



しかし朝方…



布団の中で



寝ぼけながら私が彼に近付くと



抱き締めてくれた。



私は…彼の背中の虎に



手を回した。



少しして起きると彼が言う。



『われ、せっかく一緒に居るんだ。

なかたがいみたいな事はやめて

ケン子…仲良くするよ。

今日は出掛けよう。


その後、N子に会って

わしらの入籍を報告しよう。』



N子とは…
彼より一つ下の友達で



私たちを応援してくれる



男勝りな女性である。



私たちの入籍を知るわずかな知人が



一人増えることが



なんだかとても嬉しかった。







私たちは準備をすると



隣県の有名な山の牧場へ



特製のソフトクリームを目指し



出掛けた。



怒り爆発B




つづき



私は彼を追いかけた。



「私を一人にしないでよ…」



泣きながら言った。



彼は



『なに言っとるんじゃい。

一人になりたいから

一人ででたんじゃろが?

おもてへ出ろ。』



私は一瞬…



殴られるかと思ったが



外へ出た。



すると



彼は私に言った。



『車に乗れ。』



彼は私を車に乗せると…



当てもなく車を走らせた。



怒っている。



口もきかず



しばらく車を走らせると



しみじみ言う。



『あー。つまんねえ。

ぜんぜん、つまんねぇわ。』



私はうつ向いたまま



黙っていた。



それから行く宛もなく



帰宅したが



彼は口を開こうとしなかった。











怒り爆発A




つづき。



友達が帰ると彼が爆発した。



『おどれ…どんだけ心配かけたら気が済むんじゃい。

ただでさえ心配が多い上に

出たら出たきり帰ってこない。

どう言うことだ。

出たきりなかなか帰らず
電話も出ない。

おどれにも その気持ち知らしたろか?

ちょっと出掛けるわ。

一人で頭冷やしておけ。われぁ。』



怖かった。



何故か…とっても



怖かった。



彼の言葉が怖い訳ではなく



一人…置き去りにされることが



怖くてならなかった。



つづく



怒り爆発




土曜日の朝…



彼が言う。



『ケン子…どこ行きたい?』



私は返事に困る…



ここらへんで行くとこなんて思い当たらず



「うーん。どこかないかな…」



そんな会話をちょこちょこしていた。



彼は私の笑顔が見たくて
私を少しでも楽しませたくて



そんな事を言った。



そうこうしているうちに



夕方になり



『ドライブでも行くか?』



そんな話に決まった頃



外からバイク音がする。



モニターの画面を見ると



彼の友達がやってきた様だった。



(この人が来ると長い…)そう感じた私は



歩いて5分ばかりの駅のポストまで



郵便物を出しに行く事にした。



彼にその事を告げると



私が一人で行動するのを嫌がる彼は



しぶしぶ了承してくれた。



私は久々に一人で



地面を踏みしめる。



駅のポストに郵便物を入れたのは



家を出てから数分の事…



そのまま折り返し帰れば



10分ばかりで用件は終わる。



しかし、私は駅に置いてある



イベントのチラシを見て歩いた。



(久々にここへ来たことだし…
彼も友達と盛り上がってるだろう。)



そう思って…



少しゆっくりした上に



コンビニ経由して帰路につこうとしていた。



そんな帰り道



コンビニを出てから携帯を見ると



5分前に彼から着信があった様だ。



私は折り返し電話する。



するとなかなか帰ってこない私を心配した彼は



私を友達と一緒に探していた。



と言うより



友達と散歩でもしてたんじゃない?



そんな感じでプラプラと



横道から現れた。



私は二人の少し前を歩いて帰宅した。



それから暫くすると



その友達は帰って行くと同時に



彼の怒りが



爆発した。



つづく





















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