福島県から各地に避難している人は県内約10万人、県外約5万9000人の避難者と言われています。
今日発表された福島県の計画ではこのうち、県外に定住している人達や災害公営住宅の入居者を除き、県内外で仮住まいする避難状態の解消を目指すそうです。
目標は8年後。
その他、原発依存を止め再生可能エネルギーの導入を検討するという事。

…正直な話、これがどの程度達成できるかと言えば難しいような気がします。
一番はやはり15万人の生活基盤をどこにどう作るかです。
以前、ある縁で田村市の上の方と話す機会があったのですが
「どうして田村市は避難の人を受け入れないのですか?」
「避難した各市町村が望まないから。田村市は原発に近すぎる。線量は低くても警戒区域を抱えて『避難する立場』の市に生活基盤を置きたくないからだろう」
との話。
それが全てだと思います。

今、もうあまり日常で環境放射能の数値を気にする人はあまりいません。
気にしたからと言って放射能の数値が減るわけではないですから。
除染はこれからも進めていくにしても、除染というのは放射能を人間の住処から別の場所に移すだけ。
根本的な解決は半減期という時間に任せるしかありません。
8年後、セシウム134が4回目の半減期を迎えれば、現在の放射能数値は確かに半分程度には減ると思います。
でも一度、原発と放射能の恐怖を感じてしまった以上、福島に住むということ、放射能があった場所に戻るということに恐怖を抱く人はやはり少なくないと思います。
チェルノブイリ事故から30年経てもかの地がまだ史上最悪の原発事故の悲劇の地と言われるようにフクシマから原発事故の冠が消えることはもうないのでしょう。
佐藤知事が記者会見で行った言葉。
「若い世代が夢や希望を持てる『新生福島』を目指す」

本当に福島は「元に戻す」のではなく、「新しく作って」いかなければならないようにおもいます。