電話がかかってきまして。
お礼状書いた、前に面接に行った店ですよ。


曰く。
「あぁ丁寧にありがとー!
 ところで決心できた? なにが問題で躊躇してんの? 相談に乗るよ!」


…遠回しに『逃がさねぇぞテメェ!』とか言われてんじゃんかぁ!





「…えと、一身上の都合がありまして…。」
「うんうん。」
「祖母のヘルパー代と、弟の学費を、払わないといけなくて、ですね…。」
「うん。大体いくら?」
「(うっ、額出してねぇ。)…、六万、以下にはなりそうにないですね…。」
「あー、大丈夫大丈夫! 健保と年金合わせて三万ぐらいだし。」
「はぁ。」
「そしたら手取りで十二万ぐらい?十一万? そこから六万引いても生活できるよ。」

「…まぁ、祖母の家に居候、するわけですからね。」
「でしょ?」
「あの、通勤用の自動車…。」
「え? うち駐車場ないよ?」
「や、だから近場で借りようかと。」
「自転車で充分だよ。」
「あー、そういう、もんですかね…。」
「そうそう。田舎とは違うから。悪いけど。」
「…そーですね。」

「それに! 内に余ってる原チャあるし。」
「え。」
「それ貸してあげるからさ! 名義は自分にして使えばいいよ!」
「え、ええええ?」
「ほらほら! 大丈夫でしょ?」
「(まさか月に一度こっちに帰ってくる分の代金が外せないとは言えない。)」


「はい、えと、大変良くしていただいて…。ありがとうございます。」
「大丈夫大丈夫ー。こっちも出来るだけサポートするし!」
「う…、前向きに、検討させていただきます…。」



がっちゃん。



「…もぉどうしよう相手逃がす気ないよこれェ…!!」
「頑張れ。」
「人ごと! とても人ごと!」
「だって関係ないもん。」
「ぶぺんッ!」