仏蘭西旅行初日。
奈良県奥地→関西国際空港→シャルルドゴール→親族宅。
in 飛行機。
「…。」
寒い。
何が寒いって、窓が寒い。窓側とはこんなに寒かったっけか。昔飛行機乗った時は…、ダメだ。ありゃぁ真冬も真冬の十二月。今は夏だ。参考になりゃしねぇ。おまけにあの時はトランジット。多分ルートも違う。
「…いま、どこだっけ、」
くるり。最近の飛行機は座席前方に一人一台、タッチパネルが埋め込まれててそこで映画だの音楽だのなんだのが見れたり、予定飛行ルート、現在地なんかもわかったりするんだ。技術進歩ってのは素晴らしい。
くるりくるり。マップを呼び出してルートを検索。今はちょうど、ロシア。グリーンランド近く。つまるところ北極点近くだ。
「あぁ、そりゃぁ、寒いはずだ…。」
さむい、さむい。腹が減る。こりゃぁ、次のご飯はじっくり食べないと。血糖値が下がってる。
「hey!! you!!」
「 あー、ah, what's?」
「×× ×××!!」
「…?」
隣に座ってた多分アラブ系の団体兄ちゃんズの一人が身振り手振りでこっちに話しかけてくる。なんだろ。何かしたっけかな。
ぐい。押し付けられる毛布。空席で、使ってない新品の毛布。自分の分は足元だ。寒いもん。
「you ,××、plase use,××、」
「 、あぁ、そっか、」
心配してくれたんだなァ。
arrived CDG!
『××××…、×××、』
「…とにかくだ。」
がこん。自分の荷物を難なくゲット。そりゃぁまぁ、防犯対策も兼ね、貼りまくったからなぁ。ステッカーを。刀らぶだけど。これ持ってると日本人だとばれるよなぁとは思ったんだが。
「…すでに飛行機内で完全に日本人ってばれてるし。隠すだけ多分無駄だな。」
あの隣の席のにーちゃんたちは、一発でこっちを日本人だと思ったらしい。なぜに。
hellow my family.
「あ。」
「あら。」
パリ。市内の場ちゃんちの線が乗り入れてる最寄り駅似て合流。ホームで合流するのはコツがいる。何せ目印もないからなぁ。
それでも何とか合流して、一安心。あぁこれで寝床に。結構長い時間起きてるから眠、
「ごめんなさいねぇ。謝らなきゃいけないことがあって。」
「…はぁ、なんでしょう?」
「実はガスが切れちゃって。」
「あぁ、買いに、」
「違うのよ。家のプロパンガスが切れちゃって。」
それは。大本の、根元の、って意味っすかね。
「配達もちょっと先じゃないとできないみたいだから、今日は火起こししなきゃいけないの。」
「…火おこし。」
「よろしくねー。まぁ、特に予定もないし、何とかなるわよ。」
「…ハイ。」
まぁ。いいんだけど。そんなもんボランティアで何回もーーーー。
at おばちゃんち。
「じゃぁこれで!」
「…。」
「かまどはこれよ! 昨日慌てて作ったし火も起こしたのよ。大丈夫大丈夫。」
「…ハイ。あの、薪とかは。」
「無いのよ。普段使わないもの。ガスがあるから。」
「…デスヨネー。」
「小枝もその辺から拾ってちょうだい。私、先に野菜切ってくるわ。火おこししててね!」
「…うぃっす…。」
リンゴとバラの生木に湿気たなんかの小枝じゃぁ、どれだけかかるか分からんがなァ…。
こんなくだらない日常(初日は波乱万丈。)(腹減った。眠い。)
「俺、何してんだろ…。」
ぱちん。ぱちぱち。こっちは、夜中の19:00過ぎたってまだまだ明るい。22:00でようやく日暮れた。今は夕焼け小焼けだから、多分21:00。
「あー、火が消える…。くっそ、着火剤欲しい…。薪寄越せ…。せめて、炭、」
ぐーくるるるる…。
「…腹減った…。」
あ。お月さんめっけ。