百七十四日目。


昨日の朝。唐突に後輩からメールで「すみません、食べ物に当たったみたいです。」ってメールが来た。当然朝から後輩はお休みです。いやべつに、来いとはいわねーよ流石に。
むしろ食あたりならいいけど、食中毒だったら店内感染しちゃうから来んな!! ってレベルだし。
で。朝の忙しい時間が終わって、十二時ぐらいですね。若干手が空いてる時間帯になり。今度は電話。



てるてるてる…

ぷちん。



「おうっ! 大丈夫か?」
『はい、なんとか…。』
「…声に元気がねーなぁ…。ホント大丈夫?」
『はい…、今病院で点滴もらってるんで。』
「点滴もらうレベルだったの?!」


わぁ重傷。


『薬貰ったんで、もう大丈夫です。』
「…、あー、そか。…で、その症状は食あたりってことになったの? 食中毒?」
『え?』
「や。だから、ウィルス性かって聞いてんのー。出勤停止?」
『あー、お医者さんは、症状が治まれば出勤しても大丈夫って…。』
「飲食店でも?」
『はい。診察の時に言いましたし。大丈夫らしいです。』
「ってことは食あたりか。むしろ何食った。」
『飲み会で、友達と同じメニューしか食べてません…。友達はぴんぴんしてます。』
「…おおう。…夜、もう一回電話くれない? 症状の報告して?」
『はい。ご迷惑おかけします…。』


…まぁ、この子。最近結構無茶な食事制限してたしなぁ…。
基礎体力が落ちてたんだろーな。ある意味危なっかしい。
とりあえず無事は確認できたので、上司ともども一安心。


…安心したんだが。したんだけど。



「…っていうか、体調管理も社会人のマナーのうちだよね。」
「正論ですが…それを言うと病気に一切かかれなくなるので…。」
「でもさー。風邪とか食あたりとか、きちんと体力つけてれば悪化しないじゃない。」
「そうですね。」
「それにさぁ、休むって連絡がメールオンリーってどういうこと?」


おい。オマエ。上司にも同じ内容で気軽にメールしたんかっ!!



「…あー…。」
「朝六時ぐらいにメール入っててさー。気づかなかったよ。」
「…私もメールで。ちょうど起床したら着信しまして。」
「気づいたとき焦っちゃってさー。人に迷惑かけるのはよくないよね。」
「…お説ごもっともで。」
「それに。明日君、有給じゃん。」


そーなんだよ。有給なんだよ。
朝メールもらった時点で無理だと思ってる。もとより予定なんざねーし!


「気にしないでください。出勤します。」
「いやいや、何言ってるの。休んで休んで。」
「この状況で休めませんよ。一人になっちゃうでしょう?」
「え? 一人で仕事できるよ?」

ええいっ! そういう問題じゃないやいっ!
上司が一人仕事してるのに悠長に休んでられっか!!

「心情的な問題です。出勤しますから。」
「いやいや。」
「出勤します。」
「むり。」
「無理って…。」
「一人でできるから。」


ひとりでできるもん? ヤメテ相手は五十六よ!?


「…そこを、なんとか。」
「やだ。」
「ヤじゃなくて…。」
「むり。」
「…、分かりました休みます…。」
「うんっ! まかせて!」



くそう。字面に直したら超可愛いじゃねーかあの上司っ!!
でもこの時すげー問答だったのよ実際は!!



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