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:†怪談的創作文的作詩・壱†:



*匣(密室・空間)にまつわる怖い話。
*よく在る惨めで酷たらしい与太話。
*えむぶろさんの怖い記事がベース。
*さぁ、あなたも冷たい此方側へと。
*冷蔵庫は死体安置所でありません←



【:†四角い匣の怪奇・壱†:】



(巡れ廻れ恨み辛みを撒き散らせ)
(見えない赤黒い呪詛は絡み付く)


『リサイクルショップで見かけて』
『知り合いがそれを買ったんです』

『でもまさか誰も予想しないでしょう』
『あいつがあんなことになるだなんて』

『何か最初にアレを見た時から』
『嫌な感じはしていたんですよ』

切っ掛けなんて些細なもので
出会いなんてほんの出発点で

押し込められた四肢は捻切れ果て
断面図なんて見れたもんじゃない

閉ざされた光と隠された腐臭
千切れた白い手は災厄を招く

もっと強く閉じて閉じて
真実が溢れ出ないように

もっと強く閉じて閉じて閉じて
この憎悪を染み込ませるように

素知らぬ振りの日常へと伝わる
この赤黒い無念を縛り付けて…



『リサイクルショップの件から数日後』
『気の合う面子で飲み会を開きました』

『あいつの家に泊まったその夜』
『俺はトイレに起きたんですよ』

『部屋に帰る時俺見ちゃったんです』
『冷蔵庫に頭を突っ込んでいる女を』

切っ先の顛末は陰惨なもので
出逢いなんてほんの通過点で

刻み込まれた血の痕は憑かれ果て
染み込ませた呪詛は擦り切れない

絶たされた命と隠された怨念
くすんだ白い空間に滴る悔恨

もっと巧く隠して隠して
因果が零れ出ないように

もっと巧く隠して隠して隠して
この醜態を塗り潰すかのように

見て見ぬ振りの視線へと刻んだ
あの生臭い惨状は咲き乱れて…



『その日から数日経った頃なんですが』
『あいつが行方不明になったんですよ』

『気になってあいつの部屋に行った時』
『俺は一目散に部屋から逃げました…』

『不気味な冷蔵庫の有った場所には』
『赤黒い染みが広がっていたんです』

夥しく貼られた古びた札の下
手形と爪痕が恨めしく蠢いて

転がり転がった血濡れの縁
古枝に吊るされた赤口の淵

人知れず生い茂る影色の森に
出来上がった道連れと白い箱

返り血の雨を 憎悪の記憶を
ワタシの声が聴こえたのなら

アナタもどうぞ冷たく惨たらしい
無機質で不気味な白のコチラ側へ

(屍に群がる烏の鳴き声の中から)
(誰かの笑い声が聞こえて消えた)
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