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:†母の日に贈る万感†:




貴女を何度恨んだことでしょう
貴女を何度呪ったことでしょう

貴女を何度罵ったことでしょう
貴女を何度憎んだことでしょう

それでもこの命が消え去るまでは
私は貴女がこの世に産んだ娘です

貴女を何度怒ったことでしょう
貴女を何度嗤ったことでしょう

貴女を何度妬んだことでしょう
貴女を何度苦しめたのでしょう

それでもこの命が消え去るまでは
私は貴女がこの世に授けた娘です

ずっと昔に途切れた筈の臍の緒が
見えないところでグルグル捩れて

次第に小さくなる貴女の背中に
背負われていた頃の面影を見る

私の世界での初めての嫌われ役は
痛みと傷を背負って愛してくれた

泣き腫らした後の冷えた心の私を
抱き締めてくれたのは貴女でした

アルバムに写る貴女と私の軌跡
こんな理不尽な命との奮闘記を

大切に抱えては『宝物なのよ』と
貴女は誇らしく微笑むのでしょう

貴女と何度笑ったことでしょう
貴女と何度泣いたことでしょう

貴女と何度唄ったことでしょう
貴女と何度喜んだことでしょう

それでもこの命が消え去るまでは
私は貴女がこの世に産んだ娘です

貴女と何度手を繋いだでしょう
貴女と何度共に歩いたでしょう

貴女と何度年を重ねたでしょう
貴女と何度命を見送るでしょう

それでもこの命が消え去るまでは
私は貴女がこの世で愛した娘です

貴女をこの世で母に持った娘です
貴女にこの世で愛を習った娘です

私は、あと何度、あと何年まで
貴女を笑顔に出来るでしょうか







喜怒哀楽愛憎相半と相反故に万感。
故に血は水よりも濃く。時に呪い。

故に。私は自己として成立出来る。
此処に多大なる感謝と懺悔の声を。

 

:†時代の幕間に餞を†:




(さよならを告げたのは誰でしょう)
(お別れと手を振るのは誰でしょう)


産声を上げたその日から
秒針は鼓動に寄り添って

初めて触れたのは幼い頃
砂の落ちる硝子越しの音

繰り返し、繰り返し、降り積もる
区切られ、繰り返す、時間の儚さ

三本針に出会った延長線
文字盤の上の鳩の鳴き声

或いはオルゴール仕掛け
踊る人形と思い出の音色

チクタク、チクタク、廻り重なる
三本の指針、歯車の音と時報の声

連なる時間は束ねられて
数字と季節に振り分けて

暦と呼ばれた日常の地盤 
色とりどりの記憶の欠片

愛情を込めた特別な日も
亡き人の為の鎮魂の日も

絶え間無く、連なり、紡がれ往く
日めくり、記される、時代の流れ

昨日の夜は終わりを告げ
未来の朝に受け継がれる

様々な想いと事象と共に
未だ見ぬ世界に光が差す

白紙の上に標される記号
名付けられた歴史の狭間

一つの時代が面影を刻み
新たな時間が秒針を刻む


(はじめましてを唄うのは誰でしょう)
(おはようと目を開くのは誰でしょう)







平成と令和の幕間の作詩
【:†時の息吹き、別れ、廻り会う†:】






:†夜長怪談企画・擬奇怪音譚『異』†:




*彼岸の後の秋の夜長の怪奇譚。
*水音と輪環に纏わる擬奇怪音。
*ぐるりと廻って暗闇へ堕ちる。
*一寸先は闇よりも暗く紅い道。



【:暗闇の淵から滴り落ちる怪音:】



『流れるモノは廻る術を宿している』
『流れぬモノは暗い業を孕んでいる』

『這い出した手の行方は何処だろう』
『拭いたいのか抉りたいのか彷徨う』





(ピチャ、ポタッ、ポタッ、ポタリ)
(滴り落ちるのは異形な色の浸出液)


月の光すらも届かない宵闇の水面から
崩れた輪郭の縁へと滴り落ちる音の波

歪に丸く描かれた水滴の環は廻廊の中
重なり合って情念の濁色を深めて往く

井戸の底、壁紙の裏側、台所のシンク
辺りに散った記憶の残滓は爪を立てて


(ポタリ、ポタポタッ、ピチャンッ)
(滴り落ちるのは異質な色の漏洩体)


手首の静脈、頬の上、歪んだ笑顔の端
癒えずに残る傷痕は耐えず紅を流して

揺れる水面崩れる虚像と壊れた日々と
染み込んで沁み付いて滲んで往く穢れ

浄化は消えて濁って澱む血染めの羊水
産み落とされる前に流されて丸く廻る


(ボタボタ、ビチャリッ、グチャリ)
(滴り落ちるのは異端な色の和合水)


瞳の裏側、臓腑の底、開いた足の最奥
何処にも還れずに何処までも続く環の

千切れない鎖と根付いた因果の種子は
消える術も持たずに陰影を深く刻んで

頸を掛ける縄、足首の枷、薬指の鬱血
黄泉路に響く水音は冥土の水先案内人

溶けて垂れて滴り流れ着く紅は黒へと
色を変え情を違え現世に怨みを孕んで

爛れた輪郭から溢れ出た暗闇の呪詛は
丸く重なり滴り落ちて奈落の口を開く





『環は絶えず因果を巡り輪廻を結ぶ』
『流れぬモノは色濃く濁り歪み生じ』

『死色の紅を垂らして滴らせて笑む』
『水音は獲物を狩る極上の蜘蛛の絃』





はい。皆様こんにちわ♪
最近一気に寒さが増して来たのに伴い厚手の洋服を少しずつ引っ張り出してます燈乃さんです。
寒い雨の日は身体の動きが鈍くなります(ヲイ)

そして記事を更新する度に『お久し振り』が常套句になりつつあるのが悲しいです(←遠い目)

あー……時間が欲しい。自由時間が欲しいっ!!
新しい仕事を覚えるのに一杯一杯で、息抜き用の時間配分が上手く行かなくて軽く瀕死です(爆)

そんなこんなで。更新速度が亀よりも遅くなってしまっている今日この頃ですが、綴りたい創作文は未々沢山頭の中で燻っているので、少しずつでも消化して行きたいですね。道程が遠いなぁ←

さてさて。前置きが長くなって仕舞いましたが、今回は夜長怪談企画の擬奇怪音譚『異』になります。水音と水滴と環(輪)に纏わる擬音のお譚。

日々の生活音の中で一番耳にする音と、音の怪談に纏わる共通点で多いのは『水音』かなぁと言う個人的な発想から生まれた擬奇怪音譚です。

一括りに『水音』と称していますが、『水音』に纏わる擬音と言うのは、もしかしたら擬音の中でもかなりの数を占めているのではないかと思われます。で、その『水音』の擬音の数だけ、或いはそれ以上の怪談・奇譚が在るかも知れません。

天気ならば雨。場所ならば河川・海辺・湖沼。
家ならば水回り。一番身近なもので自分自身。
(*鼓動は筋肉の収縮音ですが、それも含めて)

水の近くに怪談は付き物ですが、改めて掘り下げてみると妙に納得してしまう点がチラホラ(笑)

そもそもな話。人間自身が怪談(怪奇現象)を受信(或いは発信)しやすい構造になっているらしいので、その辺は中々に因縁とか皮肉めいているなぁとも感じるんですがね。陰陽の分け隔てなく。

あとは『厄を流す』と言う風習。よく河川や海辺ないしそれに類似する場所で執り行われますが、あれも『流れるもの=水』の概念から来ているので、逆に『流れずに留まる厄』と言うモノがあれば、それはさぞかし恐ろしい事なんだろうなぁと思います。その辺の風味も入れてみました〜。

取り敢えず何が言いたいかと言いますと、夢現に部屋の中で水音を聞いた時の不可思議感が半端無かったです。生首が投げ捨てられるイメージなんて、部屋の中で湧くモノじゃないんですがね←



ではでは、今回はこの辺で☆







:†夜長怪談企画・黄昏怪奇譚『序』†:




*彼岸の後の秋の夜長の怪奇譚。
*夕闇から夜の季節が目覚める。
*釣瓶落としが落ちた先の異形。
*足音の鳴る方へと崩れる日常。



【:夕闇から影を忍ばせる夜の序幕譚:】



太陽が眠り『夜の季節』がやって来る。
暗闇が影を引き摺る時間がやって来る。

彼岸への道筋は開かれ再び閉ざされた。
そして閉ざされた隙間から闇が零れた。

それは小さな小さな夕焼けまでの足音。
逢魔ヶ刻が逃げ回る影法師を捕らえる。

天に咲き溢れる金木犀は空に蜜を撒き。
草間に紛れる彼岸花は地に紅を散らす。

盛りの刻は終わりを迎え夜が忍び寄る。
薄ら寒い気配は夜の目覚めと呼応する。

命と形在るモノに不可思議は付き物だ。
魂魄は形を持たない。形状を定めない。

得てしてそれは言霊にも通ずる概念で。
見聞きし触れる事から終に輪郭を得る。

さあ。始めよう。闇の天蓋と銀の目が。
『夜の季節』を暴き出して仕舞う前に。

小さな小さな怪音と逆説の視点の奇譚。
そして。見えざる何かとの邂逅の噺を。

さあ。幕開けだ。夜長奇譚を始めよう。
どうか道を照らす灯りを忘れ無きよう。







はい。皆様こんにちわ♪
職場の多忙さに忙殺され掛けながらも何とか生きてます燈乃さんです。更新ご無沙汰過ぎる(泣)

そして。文字入力をする度に、スマホの画面と格闘してます。今の所喧嘩はしてませんが、スマホに歩み寄るまで未々時間が掛かりそうです(爆)

文字入力だけに関して言えば、購入直後よりも大分マシになったと思いですが、未々試行錯誤が必要な感じなので頑張らなければですね(´Д`;)

……さてさて。そんなこんなで、色々と大変な事は尽きませんが(主にスマホ関連)、今回はスマホ購入初の創作文&写メ投稿で載せてみましたっ!!

本当は彼岸が開ける前に載せたかったものでしたが、紆余曲折の末漸く載せる事が出来ました。
(*↑の写メは十五夜に撮って加工したものです)

夜の訪れは、四季の中では秋が一番怖いなと。

かなり個人的な感性ですが、今回の創作文的作詩は幼い頃から感じていた感覚が基調になっています。音も無く近付いて来る夜の気配。外で遊んでいたら、雑木林の木々は夕焼けを背景に影の色だけになってしまっている。山間なので時報が鳴る頃には辺りは真っ暗になってしまっている。夜が訪れるのと同時に、夕焼けが伸ばしていた影が、順々に夜に引き摺られて飲み込まれて行く。

そんな情景が、子どもながらに怖かったんでしょうね。影が無いのは、人間ではないの同義ですから。秋の日の黄昏時には、十分にご注意をっ!!



ではでは、今回はこの辺で☆



:†おまけ的な設定を(以下省略)†:




はい。皆様こんにちは♪
長引いていた夏風邪から少しずつ解放されつつあります燈乃さんです(*´∇`*)/

咳も鼻炎も、少しずつ落ち着いて来ていて、前回の時よりも大分楽になってます。

……と言うか九月序盤に夏風邪云々とか近況報告してる場合じゃないだろ自分!!←
ダメだろ自分!!(←行き場を失った憤り)

はい。そんな訳で、今回も前回の反省文で綴ってなかった設定や個人的な解釈を、おまけページな感覚で綴ってみました〜。


【新厄・口裂之怪の登場人物について】


《女性》
怪異に捕らわれてしまった一般市民。
その正体は、巷を日々震撼させていた『連続通り魔事件(口裂け女事件)』の犯人。
怪異を装い騙り続けた末に、本物の怪異を引き寄せ『依り代』にされてしまった。

今回の『新厄』は、よく有る寓話的な部分で『自業自得』と一蹴出来るが、『責任の放棄』と『重圧からの解放』は、『社会』と呼べる世界(苦界)に於いて、他の追随の及ばないある種の『完結した自由の形』の一つかも知れない。それ故に、『自己責任』とは、自身を示唆する為の鎖である。

《口裂け女》
諱(忌み名)『口裂け女』
呪(仮名)『白鳥 咲(しらとり さき)』
死因『度重なる整形手術と人格崩壊』

都市伝説の中で一番有名な遭遇系怪異。
生前は女優を夢見ていたが、スタント業をしていた際に事故に遭い顔面を損傷。元の顔に戻そうと整形手術を繰り返したものの、自身の理想と現実の食い違いと葛藤に耐え切れなくなり、自らの口と喉を斬り裂いて自殺を遂げた。紅いコートを着ているのは、生前(自殺の際)に着ていた白いコートが、自身の流血で染まってしまった為。

女優を目指していた事もあり、怪異になった後も『美しさ』に対する情報に興味を持っている。普段は人間に紛れて出没しており、最近ではマスクの下に特殊メイクを施している為、うっかりマスクを外したとしても、『綺麗な女性』にしか見えない。

滅多な事では正体はバレないが、時折子どもを驚かして都市伝説を拡散している。
都市伝説の伝播媒体として『依り代』を造っており、『誰かに成り代わりたい』と言う強い願望を持った人間を拐っては、自分好みの『依り代』を『整形工事』する。

《『依り代』》
怪異が自ら造り出した『怪異の分身』。
怪談で言う処の『生き証人』ではなく、大半は強制的に『怪異へと変貌した』元人間を占める。個人から故人になったモノ。
『呪い』の形を成したモノ。怪異のメリットであり、人間に対するデメリット。
怪談に似たような話が出回っているのは、大体が『生き証人』か『依り代』によるものであり、その大多数が後者である。

《『裁ち鋏(縁切り鋏)』》
物体の輪郭を断つもの。結ばれた縁を絶つもの。魂を剥ぎ取るもの。心臓を突き刺すもの。眼球を抉り出すもの。指を詰めるもの。耳を削ぎ落とすもの。血で紅く染まり、やがて錆び往くもの。口を裂くもの。
肉を裂くのに最も適した形をした道具。
この鋏は呪われていて、呪われている故に、個人を刈り取り故人へと作り替える。

『口裂け女』の凶器は地域によって多岐に渡り、何かしらの『刃物』(包丁・鉈・斧・鎌・カッター等)を所持しているケースが多いが、こと刃物を持つ怪異に於いて、一枚刃よりも二枚刃である鋏は、怪異の『呪い』の強さをそのまま示唆している。
(※何処かのタワーの某鋏男と同じ原理)

《語り部(解説者)》
『曰く付きアパート』の神出鬼没の住人。本編の裏方や解決編の様な語りを仕掛けて来る。人間だが人間の肩を持たない人間嫌い。人間が大変な事になっていても基本無視。『新厄』と共存している霊能力者。
今回は路地裏に落書きを残して消えた。


……はい。大分長くなってしまいましたが、今回の『新厄』こと【口裂之怪】の捕捉説明は大体こんな感じです。今回も大概鉄臭さ漂うケチャップ劇場になりました←

かなり個人的な諸事情(体調及び都合)により、八月に載せたかった怪談企画が絶賛頓挫気味ですが、せめてお彼岸が来る前までには書き上げたいです。ハロウィンはハロウィンでまた違う企画を挙げたいので。

さてさて。秋風が吹き始めた今日この頃。頭蓋の隙間と延髄の底から溢れ出す異界と悪夢の欠片を繋ぎ合わせるのに、少しばかり時間をガリガリ削らねばですね(真顔)



ではでは、今回はこの辺で☆



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