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:†怪談的創作文的作詩・弐†:



*匣(密室・空間)にまつわる怪奇譚。
*とある化け猫の机上思考実験の話。
*シュレディンガーの猫からの引用。
*因果律と確率と不可思議な討論会。
*時として理論と証明は残酷なもの。



【:†四角い匣の怪奇・弐†:】



(これはとある研究所にまつわる話)
(そこでは夜毎怪奇が起きるそうな)


『我輩は半分死んでおるのだよ』
白衣を纏った黒猫の猫又が嘯いた

匣の中に入れた人型のモルモット
ボタンを押して未来を検証しよう

物理的な緩急に則ってみれば
何ら不思議じゃない公開処刑

光の早さに記号を当てはめて
立証可能か机上の空論に問う

培養水の水槽に浮かんだ脳みそは
繋がれた電極から真昼の夢を見る

生きていた頃の追体験インプット
大概滑稽な懐疑主義を飾り付ける

イデア 疑似クオリア パラドックス
ラプラスの悪魔のゲシュタルト崩壊

積み木の様に組み立てて崩して
さてドレが良いのかお手を拝借

『そう急かしなさんなお客人』
証明不可能な検証の幕は開いた



『私の部屋には二色しかないの』
聡明な色彩科学者のマリーは呟く

色の構成と構造と構築を網羅して
白と黒の空間から出られたのなら

さてどんな結果になるだろう
未知数な主観は結局仮説任せ

黒い色じゃない鴉はいないと
当たり前さえ論争になる哲学

例えば無作為に選ばれた人間から
人助けに臓物を毟り取ったりとか

物理的な理論を突き詰めていけば
繋がれた公式は神様になるらしい

弾圧 乱雑 討論会 論争会 秘密主義
秘密結社 宗教淘汰 異端児魔女裁判

論より証拠と言えば見も蓋もない
目に見えるものが全てじゃないか

神託機器は未来への暗号を刻む
神様の残骸は誰にも解かれない

欠けた空席 悪魔の余興 全知は不可視
山積み抱えた論理と哲学と主義の箱庭

この脳髄は思考実験の被検体
ただ宛ても無くさ迷う為の器

(そうだとも『我々は知らない、』)
(そして『知ることはないだろう』)



*


続き>>>介錯的解釈文+あとがき。


*
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