この上ない幸せとは

とうとう、10月も今日が最後。
書きたいことは、それこそ山ほどあるけれど纏まらない。

27日、セカンド・オピニオンを受けて来たよ。
シナモン先生の見立ては満更間違いじゃないけど、
聞かされていたほど最悪じゃないって。
我が家から近い(檜の希望)これまでの総合病院にこのまま通うことにはなるけれど、
セカンド・オピニオンを受けた病院でも診察券を作ってくれたから、
電車で1時間近く掛かる病院ではあるけれど、必要な時にはいつでも駆け込める。
欅が水仙してくれただけあって、肝臓では権威のある医師。
総合病院から持ち込んだ資料や写真をじっくり検討して、説明も優しく納得できた。
総合病院に転移の訳とそれまで係っていた大学病院での甘草先生のことも訊かれた。
甘草先生はマギーが想っていた以上に権威ある専門医だったのね。
色々体調の変化を訊き、良く話し合ってくださった。
退職されなければ良かったのにな。

もう一つ感謝してもしきれないのは、欅の従兄弟さんだと言う製薬会社の社員。
大手会社で忙しい筈なのに、手配を全てしてくれて、
なおかつ、診察の最後まできちんと付き合ってくれた。

よく隠元に言われる通り、マギーは人に恵まれている。
障害者にとってこれに勝る幸せはないね。

女の端くれ

【これは日付が変わる20分前の日記です。】

いつもと違って、今夜はまだパソコンの前にいます。
風呂上がりの肌にすり込んだボディミルクの匂いが、
エアコンの温風に撒き上げられて、部屋を流れます。

数年前から気になっていることがあります。
髪を耳に掛けると、右側が左より少なくなっているんです。
小さい頃から、他の人に比べると、細くてつるんとした髪ではあったけど。
誰だって年齢と伴に皺が増え、代わりに髪が少なくなるもの。
極自然な現象でしょう。
とは思っても何かの折に気になるのは、マギーも女の端くれなんですね(笑)。

もしかしたら、今やっと

昨日、耳鼻科の帰りに、膝掛けと部屋履きを買って来ました。
膝掛けは少し薄めのフリースタイプの生地のベージュ。
大判なので二つに折っても充分膝を覆えるし、何よりお安かった。
部屋履きは猫ちゃんが付いたピンクの厚手の靴タイプ。
どちらも作業所で使う為です。
18日から急に寒くなったでしょ?
その日、作業所で職員から膝掛けを借りたんです。
一昨日、カリンと散歩と買い物に出た時、
膝掛けと部屋履きをマギーに選んで欲しい、と檜が頼んで置いてくれたんですって。

本来優しい檜だけれど、最近特に気遣ってくれてるのがこっちにも伝わって来ます。
マギーの病気と治療法をネットで調べています。
狭い家の中でもふらついたり、少しでもマギーの足腰が辛そうに感じると、
断っても断っても、マッサージしてくれます。
彼だって電車とバスに乗って、白杖単独歩行で仕事に出掛け、しんどい筈なのに。
「こんなことよりいい加減に部屋を片付けてよ」とマギーからは憎まれ口を。
「マギーに怒ったら駄目だよ」と月見草に言われた時は、
「怒られているのはこっちです」と苦笑いで返す檜。

もしかしたら、今やっと檜とマギーは真の意味で近付けているのかも。

怖いです

夜中にふと目が覚めて、何気なく5月の日記を読み返していた。
兆しは半年近く前からあったのね。
5月のジャズの練習会の日、体調を崩してやむなく休んでいる。
隠元と補聴器屋へ行った帰りに昼に入った店でも、
唇から出血したのがなかなか止まらなかった。
6月にコロナワクチン接種した時も出血があって、看護師が止血処理してくれた。
「血の気が多いんだわ」なんて、あの時は冗談に言っていたけど。
血が止まらないのもマギーの病状と関係があるんだってね。
檜がネットでマギーの病気について検索したのに寄ると。

金銭的には裕福じゃないけど、それに勝る幸せを感じている。
負け惜しみじゃなく、自分の身の丈に合う生活ができている。
心優しく厚い人達に囲まれていることにも感謝している。
この思いはずっと前からあるけど、それをもっともっと強く感じているって、
ここ数年前からの日記にマギーは綴っている。
皆本当のことです。

でもね、一つだけ嘘を発見したわ。
死は怖くないと言ったことです。
あの頃は死が現実に近付いているなんて考えてもいなかったからでしょうね。
読み返せば、死が直ぐそこに来ているのをほのめかす夢も沢山見ている。

今日からマギーは、これまで以上に自分に素直になります。
マギーしか知らないマギーの記憶をここに書きましょう。
あなたには退屈で理解し難い、マギーだけの記憶でも。

Coming Across

10月12日の診察室での話をもう少し。
切り口上で威圧的なシナモン先生の態度には相変わらず苦笑いだったけど、
ケースワーカーへの欅の交渉にはかなり効果があった様に感じた。
会う度に言動が全く逆なのには戸惑うだけだとはっきり言う檜に、
言葉が足りなくて不安を与えたことには反省していると言われた。
同行のヘルパーにではなく、患者であるマギーに真っ直ぐ向き合って欲しい。
シナモン先生が肝臓の専門で、循環器内科の部長なら、
彼女の患者であるマギーはラッキーだろうし、担当して貰えることにも感謝する。
ただ、お茶を一緒に飲むまでは要求しないけど、それくらいに信頼したいのも本心だ。
マギーもシナモン先生に伝えた。
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